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アホすぎタクヤくん  作者: 綾瀬大和
第1シーズン
6/66

第6話: 新学期の大暴走!タクヤ、ヤンキーに転身!?

第6話: 新学期の大暴走!タクヤ、ヤンキーに転身!?


新学期が始まり、タクヤとナツミは再び学校生活に戻ってきた。タクヤは、何もかもが日常に戻ったことに少し退屈していたが、同時に「新しいことを始めるチャンスだ!」と心の中で決意を固めていた。


「ナツミ、ちょっと聞いてくれよ!」タクヤは、学校の門をくぐるとすぐにナツミに話しかけた。


「何よ、また何か言い出すつもりでしょ?」ナツミはすでにその予感を感じ取って、少し疲れたように言う。


「実はさ、俺、今度からヤンキーになろうかなって思ってるんだよ。」タクヤは、ドヤ顔で言い放った。


「ヤンキー?」ナツミは目を見開き、驚きの表情を浮かべる。「あなた、そんなことしてどうするの?」


「いや、だってさ、俺みたいな人間が普通でおとなしくしてるわけがないだろ!面白くないじゃん!ちょっと反骨精神を持って、もっと自由に生きるんだよ!」タクヤは明るく言ったが、その目は真剣そのものであった。


ナツミはその言葉に思わずため息をつく。「確かにあなたは面白いけど、ヤンキーになるのはちょっと…」


「大丈夫、ナツミ!俺がヤンキーになって、学校をもっと楽しくしてやるからさ!」タクヤは力強く宣言した。


そんな風にタクヤの新たな野望が始まると、早速彼の行動に変化が現れた。まずは髪型。タクヤは学校に行く前に自分で髪を染め、奇抜な色にしてみた。最初はただの金髪にしようと思っていたが、最終的には赤と黒のツートンカラーにしてしまった。


「これで、俺もヤンキーの仲間入りだ!」と満足げに鏡を見つめるタクヤ。


ナツミはその姿を見て、思わず顔を手で覆った。「本当にやるつもりなの…?」


「もちろんだよ!新学期だし、やり直すチャンスだろ?」タクヤは鏡に向かってポーズを決めながら言った。


学校に到着したタクヤは、他の生徒たちが目を丸くして彼を見つめるのを感じた。しかし、タクヤはそれを気にせず、堂々と歩きながら教室に向かう。その姿を見たナツミは、後ろから追いかけながら「タクヤ、ちょっと待って!」と声をかけたが、タクヤは振り向きもせず、胸を張って歩いていった。


教室に入ると、クラスメートたちの視線が集まる。タクヤは軽く手を振りながら「よっ、みんな!新学期、よろしくな!」と声をかけた。その声の大きさに、教室は一瞬静まり返り、次の瞬間、みんなが口々に笑い出した。


「タクヤ、何してるんだよ…」と、クラスの男子が呆れ顔で言った。


いつもタクヤを注意している先生の近藤先生もあきれた顔をしていた


「いや、見ろよ!タクヤ、ヤンキーっぽくなってるじゃん!」と、別の男子が大声で笑う。


タクヤはそんな反応を気にせず、しっかりとした足取りで席に着いた。「これからは、俺がクラスのリーダーだ!頼むぜ、みんな!」と叫んだ。


ナツミはタクヤの席に歩み寄り、「本当に大丈夫なの?」と心配そうに言った。


「大丈夫だよ、ナツミ!俺の魅力でみんなを引っ張っていくからさ!」タクヤはにっこり笑って答えるが、その目には何か不安げなものも感じられた。

その日の昼休み、タクヤはクラスメートたちと話をしていると、次第に周りの生徒たちも彼に興味を持ち始めた。みんなが一斉にタクヤの髪型やファッションについて質問し始めると、タクヤは自分の理論を熱く語りだす。


「俺はね、今までの自分を変えようって思ってさ。変化って大事だろ?ヤンキーになれば、何でも自由にできると思うんだ!」タクヤは勢いよく語りながら、あっという間にクラスの注目を集める。


その頃、学校の廊下では、タクヤの話がどんどん広がり、彼の周りに集まる生徒たちが増えていった。「あのタクヤがヤンキーになるって本当なの?」と、興味津々で聞き耳を立てる生徒も現れる。


そして、放課後、タクヤはナツミに向かって言った。「ナツミ、俺、もう少しヤンキーとして生きるって決めたからさ、これからも応援してくれよ!」


ナツミはしばらく黙って考えた後、「タクヤ…あなた、本当に変わっちゃったんだね。」と小さく呟いた。


「うん、でも大丈夫だよ!俺、最強のヤンキーになるからさ!」タクヤは力強く言って、目を輝かせた。


その日の夜、タクヤは自分の部屋で一人、鏡を見ながら髪を整えていた。彼の中にはまだ迷いがあった。「これで本当にいいのかな?」と心の中で呟くが、すぐにその考えを振り払った。「でも、ヤンキーになれば、きっとみんなが俺に注目してくれる。それが一番だ!」


次の日、学校ではタクヤがさらにエスカレートした行動を始めた。大きな声で話しかけ、堂々と歩き回り、周りの生徒たちに自分の存在をアピールし続けた。そして、教室では、男子たちからも「タクヤ、さすがだな!」と賞賛の言葉をもらうようになった。


しかし、その背後には、タクヤが新たに抱えた不安や孤独が少しずつ影を落とし始めていた。それでも、彼はその気持ちを隠して、明るくふるまい続ける。


果たして、タクヤのヤンキー転身は本当に成功するのか、それとも予期せぬ問題が彼を待ち受けているのか――その答えは、まだ誰にもわからない。

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