第5話帰りの大騒動!?タクヤ絶体絶命の大迷惑行動
第5話:帰りの大騒動!?タクヤ、絶体絶命の大迷惑行動!
学園祭から続く一連の騒動を終えた後、タクヤとナツミは旅行を終え、帰りの新幹線に乗り込んだ。普段なら、疲れた体を休める時間のはずだが、タクヤの暴走はまだ止まる気配を見せない。
「いやー、楽しかったな!あの橋の景色、最高だったぜ!」タクヤは大声で言いながら、ナツミにしきりに感想を求めていた。
「うん、景色は良かったけど、あなたが迷子にならなければ、もっと楽しめたかもね。」ナツミは、ちょっとした苦笑を浮かべながら言う。
来た車両はE3系現美新幹線タクヤは興奮して叫びまくる
「そんなの気にするなって!迷子になったのも、ある意味冒険じゃん!人生、予測不可能でこそ面白いんだよ!」タクヤは自分の行動に全く反省の色を見せず、むしろ楽しそうにしている。
そんなやりとりをしていると、新幹線が駅を出発し、車内が落ち着いた雰囲気に包まれた。しかし、タクヤの頭の中では、すでに新たな騒動の予感が渦巻いていた。
「ナツミ、ちょっとさ、駅弁買おうぜ!俺、あのカレー弁当めっちゃ気になるんだよ!」タクヤは座席から立ち上がり、勢いよく車両の向こうにある売店へ向かおうとする。
「待って、タクヤ!今はもう落ち着いて休む時間よ!」ナツミが止めようとするが、タクヤの暴走は止まらない。
「うるさい!いいんだよ、ちょっとくらい楽しんだって!」タクヤはまるでうるさいガキ大将のように、周囲のことなどお構いなしに突き進んでいく。
タクヤが売店へ向かう途中、彼は車両の通路を歩いている最中に見つけた「ちょっとした空間」を発見した。それは、客室の中でちょっとした荷物を置く場所だったが、タクヤにとっては遊び場に見えたらしい。
「よし、ここでちょっと遊んじゃおう!」タクヤは荷物棚を登り、突如としてその場所を自分のステージに変えてしまう。
周りの乗客が驚いて目を見開く中、タクヤは「フォー!」と叫びながら、手を振ってポーズを決めている。
「タクヤ、やめなさい!」ナツミはもう完全に呆れ顔で叫んだ。
だが、タクヤはそんなナツミの声もお構いなしに、「この新幹線、まるで俺のためにあるようだな!」と大声で宣言し、さらに身を乗り出して棚からジャンプを試みる。
「あっ!」と乗客たちが驚く声が響く中、タクヤは空中でバランスを崩し、そのまま別の乗客の座席に不時着!まるで突風が吹いたように、大きな音を立てて座席に転がり込んだ。
「いったー!痛っ!」タクヤは床に転がりながらも、まるで何事もなかったかのように立ち上がる。
「すみません、すみません…!」慌てて乗客たちはタクヤを助け起こすが、タクヤは「大丈夫、俺は強いから!」と満面の笑顔で言うだけだった。
ナツミは顔を手で覆いながら、周りの乗客に何度も謝り、「本当にすみません」と頭を下げる。しかし、タクヤはまったく反省していない。
「何か問題でも?」タクヤはニヤリと笑いながら、肩をすくめて言う。
その後、タクヤはようやく売店に辿り着き、目当てのカレー弁当を買ってきた。ところが、売店でのやり取りがまた一波乱を巻き起こす。
「すみません、カレー弁当ください!」タクヤは店員に頼んだものの、その瞬間、隣の客が大きな声で「チーズケーキ!」と注文した。
「おお!チーズケーキだって!俺もそれ頼もうかな!」タクヤは予想外の反応を見せ、店員に向かって「チーズケーキも頼んじゃって!」と指示を出す。
店員は驚いた顔でタクヤを見ているが、タクヤはなんとも楽しげに注文を続け、最終的に全く関係のないメニューを買い込み、戻ってきた。
「ナツミ、これ全部買っちゃった!」タクヤは買った品々をナツミに見せびらかすが、ナツミは呆れてため息をつく。
「あなた、本当に…」ナツミは、もう諦めの境地に達していた。
そして、新幹線が次の駅に到着する頃、タクヤは「降りるぞ、ナツミ!」と元気よく声をかけ、何の前触れもなく列車のドアを開けて飛び出して行った。
「ちょっと待って、タクヤ!」ナツミは慌てて追いかけ、乗客たちから「なんだ、あの人は…」という視線を浴びながら、駅ホームを駆け抜ける羽目に。
結局、タクヤの暴走は止まることなく、帰りの新幹線でも大騒動となり、ナツミはもう一度、彼との「冒険」を覚悟することになったのであった。