第39話アキラの追跡
第39話:アキラの足跡
爆破事件が無事に収束したわけではなかった。タクヤと太田さんが甲府駅での惨劇を食い止めた後、二人は次なる一手を考えていた。だが、アキラは常にその一歩先を行き、どんな予測をしてもその行動は予測不可能だった。
「奴の計画がこれで終わるわけがない。」タクヤは、肩を落としながらも、次の手を打とうと心の中で決意を新たにしていた。アキラが社会に与える混乱は、想像を超えていた。
その頃、警察の内部では、アキラが次にどこに現れるのかという情報を追い続けていた。新たに手に入った情報によれば、アキラが北海道室蘭に潜伏している可能性が高いという話が浮上した。室蘭は北海道南部の港町で、広大な海と接しており、隠れるにはうってつけの場所だった。
タクヤと太田さんはその情報をもとに、すぐに北海道行きのフライトを手配した。室蘭でアキラの足取りを追いながら、彼が何を企んでいるのかを見極める必要があった。
室蘭の監視
数日後、二人は北海道室蘭に到着した。町の雰囲気は静かで、地元の人々は普段通りの生活を送っているようだった。しかし、アキラの存在を感じ取ったタクヤは、まるで張り詰めた糸のように、周囲の空気を敏感に感じていた。
「アキラは、この町に隠れている可能性が高い。」太田さんが地元の警察と協力しながら言った。「でも、どこに隠れているか…。」
「奴は人目を避ける術を知っている。」タクヤは腕を組んで、どこにアキラが隠れているのかを必死に考えた。「でも、どこに行くにも必ず足がつくはずだ。」
地元の警察は、室蘭港周辺や、近くの山間部、さらに町の隅々まで捜索を行った。しかし、何も手がかりを掴むことはできなかった。タクヤと太田さんは焦りの色を隠せなかった。アキラがここに潜んでいるという確証を得たものの、彼がどこに隠れているのかはまるで分からなかった。
数日間、捜索を続ける中で、ようやく警察が一つの有力な情報を得ることができた。アキラが頻繁に訪れていたと思われる小さなホテルの目撃情報があったのだ。タクヤと太田さんは、そのホテルに足を運び、宿泊記録を調べた。
「ここだ。」タクヤが指摘した。「間違いなく、アキラがここにいた可能性が高い。」
「部屋番号は?」太田さんが続けて尋ねる。
フロントのスタッフから得た情報によると、アキラが宿泊していたのは、三階の部屋だった。タクヤと太田さんはすぐにその部屋へ向かう。
しかし、部屋に到着した時、二人は衝撃の光景を目にした。部屋は荒らされており、アキラが短期間で何かを取りまとめていた形跡があったが、アキラの姿はすでに消えていた。
「また、逃げられたか…。」タクヤはつぶやいた。「奴はこの町に長くは留まらない。」
部屋に残されたものは何もなかった。ただ、わずかな手がかりが散らばっているのみだった。タクヤは、かすかな痕跡を見逃すことなく慎重に調べていたが、何も手に入れることができなかった。
「どこに行った…?」太田さんが焦りを見せた。
その時、タクヤの携帯が鳴った。表示された番号は、警察署からだった。
「タクヤ、すぐに来てくれ。」電話の向こうで、警察署長が緊迫した声で言った。「室蘭の近郊で、不審な動きをしている人物がいる。これはアキラかもしれない。」
タクヤと太田さんは即座に車を飛ばして現場に向かった。現場に到着すると、警察の捜査員が周囲を警戒しながら、すでに状況を確認していた。
「アキラかもしれない。」タクヤは慎重に言った。「今すぐ追い詰めなければ。」
警察の捜査員たちと協力し、周囲を捜索したが、またしてもアキラの姿は見つからなかった。タクヤは心の中で絶望的な思いに駆られながらも、再び決意を新たにした。
「奴は確実に逃げた。」タクヤが言った。「次に狙うのは、恐らく…」
その時、アキラの計画がある方向へ向かっていることを確信した。アキラは、室蘭を一時的な拠点に過ぎなかった。次の逃亡先が見えてきたのだ。
「沖縄だ。」タクヤは声を上げた。「奴は沖縄へ向かっている。港町である室蘭を経由し、次は島に逃げようとしている。」
そのしその瞬間アキラはこう言った
アキラは室蘭の小さなホテルを後にした後、静かな夜に港から出港するフェリーに乗り込んだ。彼の顔には、あまりにも冷徹で計算された表情が浮かんでいた。室蘭を去ることを決めたのは、既に次の計画が練られていたからだ。
「警察が来るのは時間の問題だ。」アキラは心の中でつぶやいた。彼があえて室蘭に長く留まらなかった理由は、まさにこの瞬間を見越していたからだ。すべての痕跡を消し、次の目的地に向かうために、アキラは計画的に移動を続けていた。
沖縄に向かうフェリーに乗り込んだアキラの頭の中には、次に仕掛けるべき大きな計画が描かれていた。その場所は、彼が今まで目をつけていたとある施設だった。そこに爆発物を仕掛けることで、再び世間に恐怖を与える計画だ。
「沖縄か。」アキラは微笑みながら、潮風に吹かれた。「新たな舞台が待っている。」




