第38話中央本線大爆破
第38話:中央本線大爆破
タクヤと太田さんは、三河島駅での惨劇を何とか食い止めた後、再び車を走らせていた。ラジオから流れてきた新たな爆破予告の速報に、二人の心はさらに強く引き締められた。
「緊急速報です!中央本線甲府駅で、大規模な爆破事故が発生しました。特急かいじ45号、東京行きが爆発し、複数の車両が炎上しています。現場は混乱しており、消防や警察が必死に救助活動を行っています。」
その言葉が耳に入った瞬間、タクヤの顔が硬直した。「また、奴か…。あの列車も、アキラの仕掛けだ。」
太田さんも顔をしかめ、アクセルを踏み込んだ。「奴はどこまで人々を巻き込むつもりだ…。また鉄道を狙ってきた。」
二人は中央本線に向けて車を走らせる中、ラジオから続々と伝えられる状況に耳を澄ませた。
「現在、爆発の原因は不明ですが、甲府駅近辺の道路は完全に封鎖され、周辺は煙と炎に包まれています。現場にいた多くの乗客が負傷しており、早急な救助が求められています。」
「やっぱり、奴は仕掛けてきたんだ…。」タクヤが呟いた。「でも、なぜ今?なぜ特急を狙った?」
太田さんは無言でハンドルを握り、考え込んでいた。アキラが何を狙っているのか、何が目的なのかを理解しようとしていた。しかし、その答えが簡単に出るはずもなかった。
「俺たち、急いで現場に向かおう。」タクヤが声を上げた。「もう、この状況を放置するわけにはいかない。」
数十分後、二人は甲府駅近くに到着した。現場は、予想以上の惨状だった。特急かいじ45号は、爆発の衝撃で車両が大きく歪み、炎が激しく吹き上がっている。煙が立ち込め、周囲の道路は閉鎖され、警察や消防が急いで救助活動を行っていた。
「すぐに現場に向かうぞ。」太田さんが声をかけ、タクヤと共に車から降りて現場へ向かった。
現場は非常に危険な状況だった。燃えさかる車両の横で、救助隊員たちが懸命に乗客を引き出しているが、その数は膨大で、どこから手をつけていいのか分からない様子だった。
「爆発物がまだ残っている可能性がある。」タクヤが警察の担当者に話しかけ、周囲の警戒を強化するように促した。
「確かに、その可能性は高い。」警察の担当者が顔をしかめながら答えた。「だが、まだ爆発物がどこに仕掛けられているか、確認ができていない。周囲の状況を見ながら慎重に行動しなければならない。」
その瞬間、タクヤはふと、爆発が起きた場所に近づいていた。その足元に、何か異常を感じた。周囲にいる救助隊の動きが少し緩慢になったその時、彼の目に飛び込んできたのは、小さな金属の装置だった。
「見つけた!」タクヤは叫んだ。
太田さんが急いで駆け寄り、その装置を確認する。見た目は明らかに爆発物の一部だった。装置が一部壊れているが、まだ十分に危険な状態にあることはすぐに分かる。
「爆発物だ。」太田さんは冷静に言った。「今すぐに爆発物処理班を呼ばないと。」
タクヤと太田さんはすぐに爆発物処理班に連絡を取り、現場の安全を確保するように指示した。そして、時間との戦いが始まった。
数分後、爆発物処理班が到着し、慎重に装置を調べながら無力化の準備を始めた。爆発物が無事に無力化されると、タクヤと太田さんは胸を撫でおろした。しかし、その安心感も束の間だった。
「でも、アキラの計画はまだ終わらない。」タクヤがつぶやいた。
太田さんはその言葉に深く頷いた。「奴の目的は、ただ爆破して人々を巻き込むことじゃない。恐怖を広げ、社会を混乱させることだ。そして、次もまた計画されている。」
二人は現場の状況を再確認し、周囲に残る危険が完全に取り除かれたことを確認した。しかし、心の中では次の攻撃がどこで、どんな形で来るのか、すでに不安と恐怖を抱えていた。




