第36話四国終末の時
**第36話:四国終末の時**
タクヤと太田さんが乗る車は、高速道路をひたすらに進んでいた。四国への到着を急ぐ二人の心の中には、アキラの冷徹な計画に対する恐れと、今なお続く爆破の連鎖に対する焦燥感が渦巻いていた。
「こんなことが続けば、四国全体が完全に壊滅する。」タクヤは無言のまま、窓の外を流れる景色を見つめながらつぶやいた。
太田さんもその言葉に返す言葉を持たなかった。すでに彼らが目の当たりにした爆破事件の規模を超えて、アキラの仕掛けた本当の恐怖が待っているのだろう。
「アキラの最後の仕掛けが…地下に仕掛けられていると言う情報がある。超大型爆弾、四国を沈めるほどの規模の。」太田さんは、運転しながら言葉を選んだ。
タクヤはその言葉を聞いて、心の中で強い恐怖を感じた。地下に仕掛けられた爆弾、もしそれが起動すれば、四国の全てが一瞬にして破壊されるだろう。愛媛や高知を除けば、四国の中央部から西部に至るまで、何もかもが跡形もなく消え去ることになる。
「どこにあるんだ?」タクヤが声を絞り出すように尋ねた。
太田さんはしばらく黙っていたが、やがてゆっくりと答えた。「場所はわからない。しかし、爆弾が発動するタイミングはもうすぐだろう。恐らく、四国全域に危機が迫っているはずだ。」
その時、二人はようやく目的地の空港に到着した。飛行機で四国に向かうことで、爆発の影響を最小限に抑えることができると信じていた。空港の建物に足を踏み入れると、そこは不安と焦りに満ちた空気に包まれていた。緊急放送が繰り返し流れ、空港スタッフが慌てて乗客を誘導していた。
「飛行機はもう出発する準備が整っているか?」太田さんがスタッフに尋ねた。
「はい、ただし…今すぐに出発しないと、空港も危険な状況に陥る可能性があります。」スタッフの顔には深刻な表情が浮かんでいた。
「急ごう。」太田さんは、タクヤの肩を軽く叩きながら、早足でゲートに向かわせた。
飛行機が空港を離陸し、四国へ向かう空の上で、二人は揺れる機体の中でそれぞれ心の中で最悪の状況を想像していた。爆弾が発動するのは、ほんの数分後だろう。すべてが手遅れになってしまう前に、何とかアキラを止めなければならなかった。
その時、機内で突然、緊急アナウンスが流れた。
「緊急速報です!四国、特に高松市と岡山市で超大型爆弾が発動し、巨大な爆発が確認されました。予想される規模は、四国全体に甚大な影響を与えるものです。現在、すべての地域に避難指示が発令されています。」
その言葉に、タクヤの顔が真っ青になった。「ついに…」
「間に合わなかったか…」太田さんは冷たい声でつぶやいた。二人の目の前には、四国の地図が広がり、爆発の波がどんどん広がっていく様子が映し出された。
「アキラは、四国を沈めるつもりだったんだ…」タクヤが震えた声で呟く。
太田さんもただ黙って頷いた。すでに、アキラの冷徹な計画が形となって現れていた。四国を一瞬にして壊滅させるその爆弾。だが、少なくとも愛媛県と高知県は爆発の範囲から外れていると、予測されていた。
「これで四国の全体が沈む…」タクヤは無力感を感じながら、遠くの海を見つめた。
その瞬間、さらに衝撃的なニュースが流れた。
「緊急速報です!爆弾が発動した場所から数分後、愛媛県と高知県の地域には爆発の影響が及ばなかった模様です。これらの地域は無事であるとの報告がありました。幸い、爆発の範囲は予想よりも限定的だった可能性があります。」
タクヤは目を見開いた。「本当に…?」
太田さんも信じられないという表情を浮かべた。「どういうことだ…?確か、爆弾が四国全体に影響を及ぼすはずだった…。」
その後、飛行機は無事に四国の空港へと着陸した。空港に降り立った二人は、そこから直ちに爆発の影響が及ばなかった愛媛県と高知県に向かうため、次の足を急いだ。しかし、彼らの心には、あまりにも大きな衝撃が残っていた。
「四国が沈む、そう思っていたのに…」タクヤが呟いた。
「アキラの計画がどこかで狂ったのか…」太田さんは静かに答えた。「でも、四国の一部でも無事だったことに感謝しなければならない。」
二人は道を急ぎながら、アキラがまだどこかで息をひそめていることを感じ取っていた。爆発によって四国の一部は消え去ったものの、愛媛と高知が無事だったという奇跡的な結果が、何とか人々の希望となった。
「でも、アキラはどこかでまだ動いている。」タクヤは再び顔を引き締めて言った。
「そうだな。」太田さんは冷静に頷きながら、さらに加速するように歩き出した。「でも、俺たちが止めなければならない。」
アキラの冷徹な目的はまだ達成されていなかった。四国に残された人々を守るため、そして彼が仕掛けたさらなる脅威を完全に排除するため、タクヤと太田さんは再びアキラの足取りを追い続けるのだった。
次の戦いが、そして真実が待ち受けていることを、二人は感じていた。




