第35話四国の悲劇
**第35話:四国の悲劇**
タクヤと太田さんは、東京駅での新幹線事故を目の当たりにしていた。アキラの仕業である可能性が高いという確証を持ちながらも、彼らはすぐにはそのまま動き出すことができなかった。東京駅周辺は依然として混乱し、警察と救急隊が人々を引き離して必死に作業を進めている。タクヤは焦りとともに、次に何が起こるのかを予感していた。
「アキラ、次はどこだ?」タクヤはつぶやいた。
太田さんもその言葉に重い沈黙で答えた。「奴の手がかりを追うために、どこに向かえばいいか、俺たちはまだわからない。でも、もう、奴が次に何をするかが問題だ。」
その時、ラジオが再び鳴り響いた。放送は次々と続く緊急速報を伝えた。
「緊急速報です!四国、特に予讃線と琴平電鉄で爆破テロが発生しました。詳細はまだ不明ですが、爆発によって多数の死傷者が出ています。また、伊予鉄道でも大規模な爆発が発生したとの報告があります。さらに、瀬戸大橋も大規模に破壊され、橋が完全に崩壊した模様です…。現地では、消防、警察、救助隊が急行していますが、交通が完全に遮断され、救出活動も難航しています。」
タクヤと太田さんはその情報を聞き、身体が硬直した。予讃線、琴平電鉄、伊予鉄道の爆発、そして瀬戸大橋の崩壊…。全てが一連の計画的な爆破だった。
「奴がまたやったのか…。これも計画通りの仕掛けだ。」太田さんは口をつぐんだ。
さらにラジオが続けて速報を伝える。
「さらに、岡山16時13分発の快速マリンライナー45号が瀬戸大橋を通過中に大爆発を起こし、現在までに全ての乗客が死亡したとの報告があります。乗客数は約500人と見られ、現場には無数の残骸が散乱しています…。爆破は計画的であり、特にこのマリンライナーをターゲットにした可能性が高いです。」
タクヤはその言葉を聞いて、震える手でラジオを握りしめた。マリンライナー45号に乗っていた全員が死亡したというニュースは、まさに一瞬にして四国全域に波紋を広げていた。瀬戸大橋の爆破、その後のマリンライナー事故…すべてがアキラの仕業であることが確信に変わった。
「全員が…全滅だなんて…。俺たちにはどうすることもできなかった。」タクヤの声は震えていた。
「だが、俺たちはまだここで止まっているわけにはいかない。」太田さんは、無言で車を発進させた。「奴を捕まえるためには、もっと突き詰める必要がある。」
だが、次々と報告される爆破事故に、タクヤはただ無力感を感じるしかなかった。四国の橋、予讃線、琴平電鉄、そしてさらには他の大橋も壊滅的なダメージを受けていた。その中で、彼らが向かう先はどこなのか—アキラの足跡を追うには、果たしてどれほどの時間がかかるのだろうか。
「今、四国で何が起きている?」タクヤは太田さんに尋ねた。
太田さんはすぐにスマホを取り出し、四国地方の地図を表示させた。そこには、次々と爆破が報じられる場所が点在していた。
「岡山、松山、高松…。アキラは四国全体をターゲットにしている。こんな大規模なテロを計画しているなんて、奴はもう完全に発狂している。」太田さんは地図を指さしながら言った。
タクヤはその地図を凝視した。四国全体に広がる爆破の波。何十キロ、何百キロもの範囲で広がる破壊的な影響を、彼は一気に目の当たりにした。
「他の橋も爆破されているかもしれない。明石大橋、鳴門海峡大橋…。奴はただの爆破犯じゃない。全てを壊すことを目的にしている。」タクヤは呟いた。
太田さんは、冷静に車を進めながら言った。「ああ、アキラは今、最も恐ろしい存在だ。今は奴を追うしかない。どんな手段でも、奴を捕まえなくては。」
その頃、四国ではさらに大規模な爆破が続いていた。県を越えて、橋を渡り、鉄道を通過するすべてが一瞬にして爆風に巻き込まれていた。多くの人々がその恐ろしい衝撃を受け、命を落とした。
「死者数は4000人を超える見込みです。」ラジオはさらに続けた。「四国全域が現在、緊急事態宣言が発令され、交通網は完全に遮断されています。目撃者の証言によると、アキラ教のメンバーらしき人物が目撃されており、これが全て計画的に仕掛けられたテロだと考えられています。」
「4000人だと…?」タクヤは言葉を失った。
太田さんは深く息を吸い込みながら言った。「もう、何もかもが手遅れになっている。でも、俺たちが諦めるわけにはいかない。」
二人は車を走らせながら、アキラを追い詰めるためにどこへ向かうべきかを考え続けた。四国の惨劇を前に、彼らはもはやその足音すらも聞こえるほどの危機感を抱いていた。アキラがどこかで待っている。その冷徹な視線が二人を追い詰めていることを、彼らはしっかりと感じ取っていた。
その先に、どんな結末が待っているのか—二人はその答えを探し続けた。




