第3話学園祭で大暴れ!?ポテンシャルの限界に挑戦!
第3話:学園祭で大暴れ!?ポテンシャルの限界に挑戦!
タクヤは今日も絶好調だ。学校に着いたものの、遅刻はするわ、転ぶわ、毎日のように何かしらのトラブルを引き起こしながらも、本人はいたって元気で、どこか自信に満ち溢れている。しかし、その自信が周りの迷惑を顧みず、思わぬ事態を引き起こすこともしばしばだ。
「今日は学園祭だぞ、タクヤ!」カズヤがいつものように言った。
「わかってるって、任せろ!」タクヤは全速力で言い放ちながら、またもや校門をくぐると、目の前に現れたのは、学園祭の準備でバタバタしている生徒たちだ。タクヤはどこか楽しげにその群れの中に飛び込んでいった。
「おおおお、みんながんばってるなー!これぞ学園祭の熱気だぜ!」タクヤはまるで祭りの先導者でもなったかのように周囲に声をかけながら、ひとしきり動き回った。けれど、みんなタクヤの元気すぎる行動にうんざり気味だ。
「タクヤ、お前何しに来たんだ?」ナツミが眉をひそめながら声をかける。
「決まってるだろ!俺の無限のポテンシャルを学園祭で披露するために来たんだよ!」タクヤは目をキラキラさせながら答えた。
ナツミはその答えに、どこか呆れ顔になりつつも、少しだけ期待の眼差しを向けた。なぜなら、タクヤは無意識のうちに周りを巻き込む力を持っているからだ。それが時にトラブルを引き起こすのは明白だが、なぜかその場を盛り上げることも多かった。
「まぁ、仕方ないわね。」ナツミは肩をすくめてから、またタクヤの周りを見渡した。
そして学園祭が本格的に始まると、タクヤの暴走は始まった。
学園祭の会場には、無数の屋台やゲームコーナーが並び、どこもかしこも賑わっていた。タクヤはその一角で何やら慌ただしく動き回っていたが、どこからどう見ても、全く準備をしていない。ただ突っ走っているだけだった。
「タクヤ、何してんだよ!ちゃんと役割分担して準備しろ!」カズヤがタクヤを追いかけてきた。
「お前、うるさいな!俺のポテンシャルを信じろよ!これが学園祭の真の楽しみ方だろ!」タクヤは無鉄砲に動きながら言い放った。その途中で、設置された装飾品に激突し、真っ逆さまに転倒するが、それでもタクヤは笑顔を浮かべながら立ち上がった。
「俺のスピード、無限だからな!」タクヤは倒れたまま、手をついてグラグラしながら叫んだ。周囲の人々は呆れ顔でタクヤを見ていたが、同時にその不思議な魅力に引き寄せられるような感覚もあった。
「タクヤ、もう少し慎重に動けよ…」ナツミは手を叩いてタクヤに注意を促す。
だが、タクヤはそれに応じることなく、次なるトラブルへと突入していく。
「よし、いよいよ出し物の準備だ!」タクヤは得意気に言いながら、出し物のステージに向かって駆け出した。
「タクヤ、お前、出し物の準備はもう終わったんだよな?」カズヤは追いかけながら声をかける。
「もちろん!俺の無限のポテンシャルで、みんなを驚かせる最高の演技を披露するんだよ!」タクヤはニヤリと笑った。だがその瞬間、カズヤが冷や汗をかくほどの予感がした。
ステージの後ろでは、すでに演劇の準備が整っていた。しかし、タクヤがステージに飛び込むと、突然その場のスタッフが何事かを言い出した。
「おい、タクヤ!台本はちゃんと覚えたのか!?」
「台本?そんなもん必要ねぇよ!」タクヤは肩をすくめて答える。周囲のスタッフたちが一斉に顔を見合わせ、そして誰もが口を揃えて言った。
「やっぱりタクヤか…」
ナツミもやや不安げな顔をしながらタクヤを見ていた。
「でも、こいつのポテンシャルなら…」ナツミは心の中で、何とか無事に終わることを祈った。
そして、ついにステージが始まった。タクヤは、何の前触れもなく、舞台の中央に突如として現れる。彼の予想通り、台詞もなく、ただポーズを決める。
「みんな、俺の姿を見ろ!これが、タクヤのパワーだ!」タクヤは叫びながら、自己紹介を始めた。
周囲の観客たちは、最初こそ戸惑っていたが、タクヤの突発的な行動に次第に反応し始めた。そして、タクヤの暴走はどんどん加速していく。観客たちはその場の空気に巻き込まれて、最初は困惑していたものの、やがて笑い始め、最終的にはタクヤの演技に爆笑の渦が巻き起こった。
「いや、タクヤ、本当にやりすぎだって…」カズヤは観客の反応を見ながら呆れ顔でつぶやいた。
だが、タクヤはそんなことを気にせず、舞台を縦横無尽に動き回っていた。その姿は、まさに両津勘吉のようなやりたい放題、何でもアリなキャラだった。タクヤの予測不能な行動が、最終的に学園祭を最高の盛り上がりに持ち込んでいた。
「タクヤ、終わったぞ。」学園祭が終わり、ようやく静かな空気が戻ってきた。
「おう!やったぜ!」タクヤは満面の笑みを浮かべ、肩で息をしながら言った。
「まあ、今回は…お前のポテンシャル、すごかったな。」カズヤも苦笑しながら言う。
「だろう!やっぱり俺には無限のポテンシャルがあるんだよ!」タクヤは自信満々に言い放った。
その後も、タクヤは変わらず暴走し続けるのだった。