第25話博多の戦火
第25話: 博多の戦火
タクヤと大田委員長は、名古屋でのアキラ教の逮捕劇を終えたばかりだったが、再び危機が訪れた。携帯電話が鳴り響き、タクヤが画面を確認すると、震えるような速報が表示されていた。
「福岡市全路線が爆破された模様。」
その瞬間、タクヤの心臓が一瞬で冷えた。福岡市地下鉄、JR山陽新幹線、JR九州新幹線、そしてJR鹿児島本線や博多南線、篠栗線までが一斉に爆破されたというニュースに、彼の頭の中で警鐘が鳴り響いた。これまでの爆破事件と同じく、無差別で、都市全体を恐怖で支配しようとする動きだ。
「またか…。」大田委員長が小さく呟いた。「今度は福岡か。こんなことを許してはおけない。」
タクヤはすぐに決断を下した。「福岡に行こう。これ以上、何も知らずに放置するわけにはいかない。」
大田委員長も深く頷いた。「急ごう、福岡には行けるだけ早く向かわなければ。」
タクヤと大田委員長は、名古屋から車で博多へ向かった。途中、タクヤの胸は高鳴る。爆破事件が続く中で、アキラ教の目的が少しずつ見えてきたとはいえ、全てが明らかになったわけではない。次にどこで、どんな手が打たれるのか。それは誰にも分からなかった。しかし、タクヤの心にはただ一つ確固たる思いがあった。アキラ教の野望を完全に打ち砕くこと、それしか考えられなかった。
博多に到着すると、タクヤと大田委員長はすぐに市内の状況を確認するため、タクヤの知り合いである警察官に連絡を取った。博多駅周辺は恐ろしいほどの混乱に包まれていた。爆発による煙が立ち上り、空気は焦げ臭く、周辺の道路は封鎖され、通行人たちはパニックに陥っていた。福岡市全路線の地下鉄やJR線が爆破され、交通網が完全に麻痺したことは、想像以上の影響を及ぼしていた。
「タクヤさん、状況は最悪です。」警察官からの連絡が入った。「爆破の影響で、市内全体が封鎖状態です。地下鉄や新幹線の路線も完全に停止して、避難民が続々と駅に集まっています。」
タクヤはその情報を受け、決して冷静を失わずに言った。「どうしてこんなことが起きたんだ? すべてがアキラ教の仕業なのか?」
大田委員長も、すでにその可能性が高いことを感じ取っていた。「間違いない。アキラ教は、これから日本全土を制圧しようとしている。そのために、次々と爆破事件を引き起こしているんだ。」
タクヤは険しい顔つきで言った。「ここで止めなければ、どんどん日本中が巻き込まれる。福岡に向かう最中、さらに別の爆破が起きていないか、しっかり確認しないと。」
二人は博多駅の周辺を慎重に歩きながら、さらに爆発の痕跡を調べ、必要な情報を集めることにした。その途中、町の至るところで火災が発生し、あたりは混乱と煙に包まれていた。爆発の影響で多くの建物が崩れ、交通も停止しており、目の前には避難する人々の姿が続いていた。
「爆発が広がる中で、アキラ教の手が伸びているのは間違いない。」大田委員長が冷静に言った。「だが、我々はこの混乱に飲み込まれてはいけない。手を打たなければ、さらなる犠牲が出る。」
タクヤは深く頷いた。「福岡での爆破がどうしてもアキラ教の仕業だという確信が持てた以上、ここで彼らのネットワークを暴かなければならない。」
その時、再び爆発音が遠くから響いてきた。タクヤは直感で、それがただの偶然ではないことを感じ取った。「急いであそこへ向かおう!」タクヤは大田委員長とともに、爆発音がした方向に駆け出した。
現場に到着した二人は、すでに爆破されたJR博多南線の駅付近で、警察と消防が作業を行っているのを見た。周囲には炎と煙が立ち込め、混乱した人々が避難している姿が広がっていた。タクヤと大田委員長は、近くの警察官に状況を尋ねると、どうやら爆発の背後にもアキラ教が関与していることがわかった。
「爆破の目的は何だ?」タクヤが警察官に尋ねると、警察官は冷たい汗をかきながら答えた。「わからない。ただ、アキラ教と関連すると思われる人物が関与しているという情報が入ってきているのは事実です。」
タクヤの目が鋭く光った。「その人物を見つけ出す。どこかに必ず手がかりがあるはずだ。」
そして二人は、福岡での爆破事件を背後で操っている人物や組織の足取りを追い、ついにアキラ教の更なる悪巧みを阻止するために動き始めた。爆破事件は、日本全土を震撼させるほどの規模に拡大していたが、タクヤと大田委員長は決してその勢いに負けず、戦い続ける覚悟を固めていた。
「絶対に、この恐怖を終わらせる。」タクヤの声は、決意を込めて響いていた。




