第四話、、、
湿った土壁に手をつけながら、少年の後についていく。
井戸の横穴は暗く、少年が手にしている懐中電灯しか灯りが見えなかった。
少年の足元を見逃さないように、白田はゆっくりと確実に進んでいった。
少し進んだ先に、少年の歩く速度がゆっくりになったかと思うと、
自分が立てるくらいのスペース、暗くて見えないが恐らく廊下へと穴は繋がっていた。
「とりあえず、ここまで来たよと」
少年は別に返答を求めるわけでなく独り言を言い、さらに歩こうとした。
「ちょっと待ってくれ! ここまで黙ってついてきたが君は誰なんだ? そしてここはどこなんだ?」
白田は少年の前へ出て、勢いよく質問した。早く自分の状況を知りたかった。
「そうなるよね、みんなそうだった。怖いよね、うんうん。でも時間が限られてるんだ。歩きながら話そうよ」
少年は歩きだしたので、白田は必死にはぐれないようについていく。少年の明かりを失ってしまったら、自分は死んでしまうかもしれないと感じたからだ。
「君は誰なんだ?」
「僕は青海。青い海と書いてセイカイっていうんだ。一言で言うと僕は生を導く者。お兄ちゃんと一緒にここを抜け出すために、助けに来たんだ」
「生を導く者?」
「そう、簡単に言うと、同類さ」
少年はにっこりと笑った。