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第三話、、、
雨が降ってきたのか、額に滴が落ちてくる回数が増えた。
何故このような目に遭ったのか、何故この場所にいるのか分からない。
頭が混乱する中、どこからか声がするような気がする。
「起きて、、、」
そうか俺は夢を見ているのか、少し不安が安らいだかと思うと今度ははっきりと聞こえた。
「こっち見てよ」
振り向いた声の方を見ると、土壁にヒビが入った。
驚く間も無くヒビは大きくなり、やがて大人が屈んで通れる大きさまで穴は広がった。
「こっち来て」
深く蒼帽子を被った少年の姿と、可愛らしい小さな手が穴から出てきた。
白田は狼狽え、考える暇もなく、少年の後についていくことにした。