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第一話、、、
凍りつく夜空に浮かぶ星空が綺麗だ。
綺麗だということは、まだ精神に余裕があるのだろうか、それとも頭がおかしくなってきたのか。
悴んだ手を握ろうにも手が震えて握れない。
デジタル腕時計は夜の23時11分を表示している。
携帯はどこに落としてしまったか分からない。
落とされた記憶はない。
起きたらただ井戸の底だった。
綺麗な星空が見える井戸の底。
井戸の水は引いていて、身体は濡れていなかったが、
冬の夜は寒い。ポケットに入っていたカイロを頬に当て
温もりを感じながら、そっと白田は目を閉じた。