陽花梨は陽花梨ではなくなる(または、陽花梨は家族の愛を感じる)
ん‥何か温かい‥
そう思って目が覚めた。
横には川、前には男の人、その人が私を抱きしめている。
って、ここはどこなのよ⁉︎
「おぉ、まさかこんなに尊い神が現れるとは。」
男の人がそういう。
そうしたらその人は右目を川の水で洗った。
「‼︎」
いや、この光景はびっくりする。
右目から、私と同い年ぐらいの可愛い男の子ーいや女の子か? やっぱり男の子か? よし、なら男の娘ということにしようーが現れた。
その男の娘をまじまじとみる。
長い、腰まである漆黒の髪。 濃い紫の着物を着ている。 何より銀色の目が美しい。
私の視線に気がついた男の娘が、そばに来た。
「初めまして、姉上、よろしくお願いします。」
「姉ちゃん、俺もよろしく!」
いつの間に来たのか、青色の方までの肩をし、青い着物を着た群青色の目の元気そうな少年も声をかけてきた。
「えっと‥あなたたちは‥」
「ツクヨミと申します。」
「俺はスサノオ、父ちゃんの鼻から生まれたよ。」
なるほど、なんかこれ、昨日の古事記で読んだ。 ということは、私は‥
「わ、私、アマテラス。 よろしくね。」
どうやら、天照大御神に転生したらしい。
「おう、挨拶終わったか。」
さっきの男の人ー多分スサノオーが話しかけてきた。
「早速だが、アマテラスは天、ツクヨミは月、スサノオは海をおさめてくれ。」
うん、古事記通りの展開だ。
「行って参ります、‥父さま」
こうして、私は天へ行った。
神として、できることをするために。
ーこの世界では、家族と仲良くしたいなー
ふと、そう思った。