愛梨
美佳は女の子と体の関係を持つことを楽しんでいる。相手の事を恋愛対象とは思っていない。ただ、性的快感と相手の女の子の可愛い反応を楽しむために、後輩の女の子にも手を出していた。
2021.5.5 一部修正しました。
「先輩!」
今日の授業も終わって、帰る人、部活動に行く人、委員会に行く人、立ち止まって喋っている人達で溢れている放課後の廊下で、その喧騒をに負けないくらいの声が響いた。
私の知っている声。私を呼ぶ声。
私が振り向くよりも早く、駆け寄ってきた愛梨は私の腕にしがみついていた。
「先輩」
まるで恋人にするように私の腕に抱きついて、私を見上げる。大きなハートの形をしたピンク色の眼鏡のフレームに真っ黒なレンズを嵌めたサングラス越しに私を見つめているらしかった。
四角や丸いフレームと違って、ハートなんていうデザイン性を重視した眼鏡に不向きな形をしているから、実用的な視界を確保するためにどうしても大きくなってしまう。そんな派手なものでも、難なく似合ってしまうくらいには、整った顔立ちをしている。それに、髪の色まで薄いピンク色に染めているから、遠くからでもひと目で見つけられる。その長いピンク色の髪を一纏めにして、編み込んで、肩の前にたらしている。
周囲にいた生徒たちは、はしゃぐ愛梨と私の方へ好奇の目を向けていた。
「こんな所で抱きつかないでよ」
と言ってみたところで、子犬の様に懐く愛梨は可愛くもあった。
「どうしてですか?」
愛梨は不思議そうに小首を傾げた。
「みんな見てるじゃない」
「駄目なんですか?」
目立つピンク色の髪に、大きなハート形のサングラスを着用して出歩く愛梨は、人目を引くことなんて少しも厭わないどころか、その視線さえも快感に感じているのかもしれない。
「場所をわきまえないと駄目でしょ」
「でも、今朝先輩は彼女さんと学校の前で抱き合ってたじゃないですか」
そう言えば今朝、美穂とそんなことをしていたっけ……。
「見てたの?」
「……本当だったんですね」
愛梨の声のトーンががっくりと下がった。
「何?どういうこと?」
ひょっとして愛梨は私に鎌をかけたんだろうか。いや、まさか。この子はそんなに頭が回らないはず。
「噂になっていたんですよ。先輩は綺麗だからみんなの憧れなんですよ」
「えっ?みんな知ってるの?」
みんなってどれ程なんだろう?たった、校門の前で親友を抱きしめていただけだというのに、一年生の愛梨にまで知れ渡るほどの『みんな』なんだろうか。
「先輩以外は知ってるんじゃないですか」
愛梨は憎たらしく言った。
「私なんかと噂になると迷惑ですよね」
愛梨は分かりやすくふて腐れて見せる。
「別にそんなこと言ってないよ」
「私は二番目でもいいですから」
今度はいじけたように言う。
「そんなんじゃないよ」
「えっ、もしかして、私は三番目ですか?」
今度はわざとらしく驚いて見せる。
「違う!」
「じゃあ四番目でもいいです……」
今度は叱られた子犬の様にしゅんとうなだれた。
「愛梨は私のことをなんだと思ってるの?何股もかけるような女だと思ってるの?」
「気に入った女の子にはとりあえず手を出すような人だとは思っていますけど」
サングラス越しでは見えないけれど、そのレンズの奥から、きっと愛梨は疑うような目で私を見ているのだろう。
実際、可愛い女の子がいたら服を脱がせてその反応を見てみたいとも思うし、清楚な女の子が快感に溺れてダメになっていく顔とか大好物だし、生意気な中学生くらいの女の子を虐めて泣かせてみたいと思うことはあるから、愛梨の言うことが間違いとは言いきれなかった。
「愛梨は今日部活行くの?」
「あ、先輩誤魔化した」
「うるさい!」
愛梨の腕を振りほどいて歩きだす。
「先輩、ごめんなさい」
愛梨は駆け寄ってきて、また私の腕にしがみついた。
「私も部活行きますから!」
「そう。じゃあ私は帰ろうかな」
「えぇ、意地悪!先輩の意地悪!」
愛梨はぷうっと頬を膨らませて、甘えた声をだす。私はそんな甘え上手な愛梨が可愛くて仕方がなかった。
私達は写真部に入っている。愛梨はそこの後輩だった。
「もぉ、先輩は意地悪なこと言ってもやっぱり愛梨のことを愛しているんですね」
愛梨は嬉しそうに頬を私の腕に擦りつけてくる。
「邪魔。離れて。そういうことは彼氏に言ってあげればいいじゃない」
愛梨には彼氏がいるらしい。脳内彼氏でも、自称彼氏でもない。愛梨のヴァージンを奪った悪い虫が、確かに愛梨には付いている。まだ見たことはないけれど。
「えぇ〜。でもぉ、アイリはぁ、彼氏のこととか全然愛してないしぃ」
本気でそう思っているなら別れればいいのに、愛梨はそうしない。
「私も愛梨のことは愛してないよ」
「酷い!先輩はアイリのことを弄んだんですね!?」
私は黙って目を逸らすことしかできなかった。愛梨の事は可愛いと思っているし、後輩として好きではあるけれど、彼女にしようとかは微塵も思っていない。例えるならば、ペットショップの犬の頭を気が済むまで撫でまわした後、何事もなかったかのようにすっきりした顔で家に帰り、その後ペットが売れようが、在庫処分されようが少しも気にならないようなものだ。
「もぉ、先輩。そこは嘘でも違うって言ってくださいよぉ」
愛梨も私のそんないい加減な気持ちを知っていた。
「愛梨は可愛いよ」
私に甘える小柄な愛梨は本当に可愛い。
愛梨は嬉しそうに頬を赤らめた。真っ白な愛梨の頬は、すぐに赤くなるから分かりやすい。
「窓を閉めてくるから愛梨はここにいて」
部屋に着くと開け放たれた窓から西日が差し込んでいた。
「先輩は大げさですよ」
言いながらも、その声はどこか嬉しそうだった。
「いいから、待ってて」
愛梨の透き通るような真っ白な肌は、紫外線にとても弱いらしい。年度末に学校が全部の窓に紫外線対策をしたのだって、きっと愛梨の入学が決まっていたからだろう。
紫外線対策のされた二重窓の外側の窓も内側の窓も締めて回る。
「先輩」
「何?」
「ありがとうございます」
愛梨は小動物のようにとことこと駆け寄ってくる。
「二人きりですね」
そう言って、愛梨はまた私の腕をとろうとする。
「先輩、お疲れさまです」
愛梨が私に抱きつくよりも先に、他の部員たちがやってきた。
「あ、愛梨もお疲れ〜」
邪魔をされた愛梨は不機嫌そうに舌打ちをする。
写真部と言っても、高価で大きなカメラを使うばかりが活動じゃない。それもあるけれど、専らは携帯電話のカメラ機能を使っている。カメラは写真を撮るための手段の一つに過ぎない。
「今日は人物を撮りたいと思います」
部長が課題を告げる。
「誰か、モデルやりたい人?」
そう言って、立候補を募る。
「ハイ、は~い!アイリ、ヤリたいで~す!」
私の隣の席に座っていたアイリが、跳ねる様に立ち上がって手を上げる。
「先輩とヤリたいで~す!」
私の腕を掴んで、私の手も一緒に上げる。私は撮る側でも撮られる側でもどちらでもよかった。でも、愛梨の言葉が何だか少し違う意味に聞こえたのは気のせいだっただろうか。
「えっ?先輩とだったら私もやりたい!」
「あ、私もやりたい」
私を慕ってくれる可愛い後輩たちの手が、あちこちで挙がりはじめた。
「ダメ!アイリが先だから!」
愛梨は威嚇するように部屋中を見回す。そうやって私のために争いが起きるのはとても心地いい。だから、勝者は特別に可愛がってあげたくなる。
「美佳さんは誰とヤリたいの?」
部長は涼しい顔をして、しれっととんでもないことを部員の前で聞いてくる。
「ヤリませんよ」
動揺したら負けだ。部長は私をからかって遊んでいるんだから。
「ヌードと言うのは、私たちも自然の一部であることを再認識し、その自然の美しさを表現する一方で、単なるポルノと一線を画する必要のある難しいテーマですが、皆さんがそんなに積極的に取り組みたいと言うことでしたら、今日のテーマは変更しようと思うのですが、どうでしょう?」
部長がそんなことを言うものだから、あちこちで上がっていた手が一つ、また一つと下がっていく。
「先輩とヤるって、そういう事……?みんなの前で……?」
チラリ、チラリと、私の方を見ながら、悩んだ挙句、ゆっくりとまた手が降りていく。
「アイリ!先輩とだったら何でもヤリま~す!」
改めて、ずいっと愛梨は手を突き上げる。愛梨は本気だった。本気で、愛梨はみんなの前で、カメラを向けられている前であっても、私とヤるつもりらしい。でも、私にはそんな趣味はない。
「やらないよ!ヤラないからね!」
そんな混乱を収めたのは顧問だった。
「ヌードはダメだ。お前らガキのヌードなんて撮ったら児童ポルノ禁止法で私が逮捕されるから、絶対ダメだ!」
顧問の発言は大人らしく、自己保身的な責任感には満ちているけれど、教育者に相応しいものではなかった。
「先生!ポルノじゃありません!ヌードは芸術です!」
そう反論したのは部長だった。
「そうか。そういうことは法廷で言ってやってくれ」
顧問は投げやりに言った。
「じゃあ、先生。この教室を出る前に、みんなに写真を消してもらうということでどうでしょう?」
部長は、私と愛梨の公開プレイを前向きに進めようとしていた。私はやりたくないって言ったはずなのに、私の意志は完全に無視されていた。
「部長、君はあれか?私の事が嫌いなのか?懲戒免職になればいいとか思っているのか?」
万が一、高校の部活で、生徒同士に愛のない愛の営みをさせて撮影していたなんてことが発覚したら、顧問はまず無事では済まないだろう。
「じゃあ、先生のヌードを撮りたい人は挙手してください」
部長は冷静に代替案を提案した。生徒の裸は大問題だが、成人した先生の裸なら、幾分問題は穏やかになると思われた。それを撮りたいかどうかは別にして。
もちろん、誰一人として手を挙げるはずのないことなんて、部長には分かりきっていた。いや、みんなも知っていた。
静まり返った教室を見渡した後、顧問は突きつけられた厳しい現実の前に言葉を失い、力なく、崩れる様に椅子に座り込んだ。顧問だってこの結果は分かりきっていたはずだと思うけれど、こうやって改めてみんなの無言の意思を確認して、ショックを受けているようだった。
「部長。ヌードじゃなくてもいいので、美佳先輩を撮りたいです」
まだ穢れを知らない可愛い後輩の声。
「アイリは!?」
私の美貌の前に、すっかりと存在の霞んでしまった愛梨は、慌てて声を張り上げて存在を主張する。
「じゃあ、美佳さんにモデルをしてもらうことに賛成の人は挙手してください」
手を上げていないのは放心している先生くらいだった。
「アイリは!?」
まるで空気のように扱われた愛梨はムキになってもう一度叫ぶ。
「愛梨さんも写っていいですよ」
部長のその冷たい言葉には、愛梨の事なんてどうでもいいっていう気持ちが滲んでいた。
「アイリがモデルやりたいって言ったのにぃ!」
悔しそうに叫ぶ愛梨を他所に、部長は粛々と進めていく。
撮影用の背景が用意される。要するに大きい絵だ。撮影用のレフ版も用意される。要するに、光を反射させるための大きい真っ白な板だ。それに、撮影用の照明が用意される。西日を遮る様に遮光カーテンが引かれる。
みんなに、添え物の様に、カレーの福神漬けの様に、お寿司のがりの様に、焼きそばの紅しょうがの様に扱われて、愛梨は一人、電球の切れた街灯の様にポツンと立ち尽くしていた。
その寂し気な背中を見ていると、私は放っておけなくなる。
つい、私は愛梨の肩に手を回して、抱き寄せていた。
「先輩……」
愛梨は沈んだ声を漏らして、私の顔を見上げる。
「笑って、愛梨」
私は愛梨にだけ聞こえるように、優しい声で囁いた。
「でも……」
今はそんな気分じゃないって、抱き寄せた愛梨の体から伝わってくる。
「愛梨。可愛いは、作るものだよ。どんな時でも笑顔を絶やしちゃダメだよ」
そう言って、愛梨に笑いかけて見せる。
「ほら、愛梨も笑って」
愛梨の両方のほっぺを人差し指で突くと、愛梨は擽ったそうに笑みを漏らした。
「ほら、可愛い」
「先輩……」
私を呼ぶ愛梨の声にはまだ力はなかったけれど、少し熱を帯びていた。
「可愛いよ、愛梨」
不慣れで緊張しているモデルをほぐすのも大切な撮影テクニックだと思う。
「美佳さん。愛梨さんを口説いていないで、早く背景の前に立って」
部長の事務的な冷めた声が投げかけられた。
「別に口説いてないし」
愛梨の手をとって、照明の前に立つ。
「愛梨、眩しくない?」
小さな声で囁く様に聞く。
「平気です」
そうは言うけれど、サングラス越しでも愛梨の表情が動いたのが分かった。きっと、その黒いレンズの後ろで、目を細めているんだろう。
「私、もう少し薄暗い方が雰囲気が出て好きなんだけど」
そういうと、照明が絞られる。
「ありがとうございます」
小さくそう言った愛梨が、きゅっと私の手を強く握る。
「先輩」
愛梨が顔からはみ出すくらいに大きなハート型のサングラスを外しながら私を呼んだ。
「何?」
愛梨が私の腕を下に引っ張るから、腰をかがめて、愛梨の口元に耳を向ける。
「あのね、」
一際小声で話した愛梨が、次は何を言うのだろうと意識を耳に向けている間に、愛梨は自分の唇を私の唇に押し付けていた。
「ああっ!」
「愛梨!」
「何やってるの!」
「ずるい!」
私たちにカメラを向けていたみんなが口々に叫ぶ。
「先輩とキスしてもいいですか?」
そう言って、愛梨は飛び切りの笑顔を作って誤魔化した。
「遅いよ」
私がそういうと、愛梨は悪戯っぽく笑った後、赤く染まった瞳をサングラスの奥にしまった。
目の色が青い欧米人は、私たちの様な目の黒い人種と違って、多くの光を取り込むことができるらしい。だから、私たちと比べると暗いところでも見える。夜でもサングラスをしているのは伊達ではなくて、夜の街の明かりが本当に眩しいのだそうだ。欧米風のホテルの部屋が間接照明で薄暗く感じるのは目の黒い私たちだけであって、欧米人にはちょうどいいらしい。
身体に色素を持っていない愛梨の瞳は、目の中の血管の血の色が透けて赤く見える。そんなわけだから、愛梨は欧米人よりも光を嫌う。
『電気消して』と、裸に剥かれる前の恥じらう乙女も納得してくれるくらいの薄暗さにすると、愛梨はようやくサングラスを外す。
「先輩、恥ずかしい……」
「なに言ってるの?愛梨が誘ってきたんでしょ?」
愛梨のピンクの髪を指で梳きながら、顔を引き寄せる。
私はピンク色が好きだけれど、髪の色までピンク色にできる愛梨が羨ましい。それは大胆さもさることながら、そもそも私の様な黒髪じゃ、淡い色にまけない様に、まずその色を徹底的に脱色するところから始めないといけない。でも、髪の色素もない白髪の愛梨なら容易いことだった。
「先輩……」
つぶやきながら、愛梨は私の唇に吸い付く。
愛梨の背中に手を回し、ゆっくりと下の方へ弄っていく。
愛梨の舌に突かれて、唇を緩めると、背伸びをした愛梨が積極的に舌を押し込んでくる。
「むぅぅ……」
スカートの上から愛梨のお尻を鷲掴みにすると、愛梨が呻く。お尻の割れ目に手をねじ込んで、後ろ側の入り口を指先で探る。
「ひぐぅ……」
私から唇を離して、何か言おうとしていた愛梨の舌を噛んで捕まえる。
逃げようとする愛梨の後頭部に回した手に力を入れて、顔を引き寄せる。もう一方の指で愛梨の嫌がる所をぐりぐりと弄る。
「ふぐぅぅっ……」
私の指から逃げるように愛梨が腰を私に押し付ける。私も愛梨に下腹部を押し付けて、愛梨の腰を押し返す。
ギブアップ、とでも言いたいのか、愛梨が私の背中に回した手で、私の背を何度も叩いた。
愛梨の手のリズムに合わせて、愛梨のお尻を突くと、愛梨は、大人しくなった。私の背中で私の制服をギュッと握りしめて、ただ耐えようとしていた。
私が愛梨の舌を離すと愛梨は慌てて顔を離す。
「そこ、駄目!」
「いいじゃない。いつも彼氏としてるんでしよ」
「そこはしてないです!」
「じゃあ、ここはまだヴァージンなんだ」
「ダメです、汚いです!」
愛梨は必死に拒んでいた。
「愛梨、何事も向上心と挑戦が大切だよ」
「嫌です!したくないです!」
そう言って、愛梨は私の腕の中で首を振る。
「そんなに抵抗されると、なんだか愛梨をレイプしているみたいでドキドキする」
「いやぁ!ダメ!本当に駄目ですぅ!」
必死に首を振る愛梨が可愛い。
「愛梨、叫んでも無駄だよ。部屋に鍵かけたんだから、終わるまで誰も助けに来ないよ」
「先輩……しないですよね?」
愛梨は媚びるような目で私を見上げる。
「ちょっとだけ。先っぽだけでいいから。ね、すぐに抜くから」
「だめ、だめ、だめ!絶対に駄目ですぅ!」
私は部室に転がっているクッションを視界の端に捉えると、そこを目掛けて愛梨の身体を乱暴に突き飛ばした。
「きゃっ!」
とっさに悲鳴をあげた愛梨の声は紛れもない乙女のそれだった。
「先輩……?」
愛梨はクッションに座り込んだまま、驚いた表情で私を見上げていた。
「つまんね!」
「先輩……ひょっとして怒っちゃいました?」
「もういいよ、帰れば」
そうやって、不機嫌を装って見れば、愛梨は面白いほどに引っかかる。
「あの……ごめんなさい……」
「愛梨がそんなつまらない女だとは思わなかった」
「お尻以外だったら、何でもしますから……」
「何でも?」
未だに立ち上がらずにおろおろしている愛梨に覆いかぶさる。
「何でも……します……」
「そんなの当たり前じゃない。愛梨がおもちゃになってくれるから遊んであげているんでしょ」
愛梨の淡いピンク色の髪を指に絡めながら、編み込んだ髪を止めているゴムを外す。
「先輩は……私のこと、そんな風に思っていたんですか?」
「愛梨がいなくなったら、三番目の子が愛梨の代わりに玩具になってくれるんだよ」
愛梨の髪がはらはらと解けてゆく。
「愛梨は、二番目がいいんでしょ?」
「本当は、一番が良いです……」
「えぇ、そういうことは彼氏を捨ててから言ってよ」
愛梨は黙って目を伏せた。
「彼氏にはヴァージンあげた癖に、私にはくれないのに一番が良いだなんて、都合がよすぎるんじゃない?」
愛梨の髪を撫でながら、更に髪を解いていく。この子の透き通るようなピンク色の髪は本当に綺麗だ。いつまで触っていても飽きない。
「この髪の色だって、彼氏の趣味なんでしょ?」
「ち、違いますよ。……ただ、似合いそうって言ってくれたから……」
真っ白な愛梨の肌は、少しの事ですぐに赤くなるから、愛梨の反応は分かりやすい。
「ねぇ、愛梨。なんでお尻の穴があるか知っている?」
「なんでって、そんなの……」
愛梨は口ごもった。
「二人目の相手に二度目のヴァージンを捧げるためにあるんだよ」
「う、嘘ですよね?」
「嘘かどうかは、愛梨の気持ち次第じゃない?」
そして愛梨はまた目を逸らす。
「そんなんだから、愛梨は二番目なんだよ」
いや、二番目なのは私の方か。愛梨の心の中には、愛していない彼氏が居座っているらしい。この可愛い愛梨の真っ白な髪を自分色に染めた顔も知らない男が憎い。
「でも、二番目でもいいや。愛梨のことを満足させてあげられない彼氏の代わりに、私が愛梨の事を良くしてあげるから」
言いながら、そっと愛梨の太ももを指先でなぞる。日焼けしない様に太ももまで覆った真っ黒なタイツの上から、そっと撫でていく。ゆっくり、ゆっくりと丈の短い愛梨のスカートをたくし上げながら、太ももの内側へと指をすべり込ませる。
「それとも、やっぱり帰る?」
愛梨は黙って首を横に振った。
指が、愛梨のスカートに隠されていた太ももを上っていくと、そこでタイツが途切れていることに気付いた。
「あれ?」
そう思って、愛梨のスカートをガバッと捲りあげてみた。すると、愛梨のフリルのついたピンクのパンツと、黒いタイツの間に白い肌が露わになっていた。愛梨は普通の股まで覆うタイツではなくて、パンツの色とそろったフリル付きのガーターベルトでタイツを吊っていた。
「これ、ガーターベルトだよね?」
それが生まれて初めて見るガーターベルトだった。
「先輩……恥ずかしい……」
私は愛梨のスカートを無遠慮に捲ったまま、舐め回す様に愛梨の下半身を見つめていた。
「これ、すごく可愛いね」
「本当ですか?」
「うん、似合ってる」
愛梨は嬉しそうに頬を緩ませた。
「蒸れなくていいんですよ」
夏場でも紫外線から肌を守らないといけない愛梨にはとても実用的なアイテムなのだろう。
そう思いながら、ベルトをつんツンと引っ張ってみる。脱がせ方がよくわからないけれど、しかし、これをあえて脱がせないというのも悪くないんじゃないだろうか。
私は愛梨のフリルの付いたピンクのパンツの腰のところに手をかけると、一息に引きずり下ろした。愛梨の上履きを脱がせて、足からパンツも抜き取って、ひらりと落とす。
丸出しになった下半身を隠そうとする愛梨の両手を捕まえて、クッションの上に押し付ける。
ピンク色の好きな愛梨も下腹部の毛までは染めたりしないらしく、真っ白な体毛に覆われていた。
愛梨の膝の裏を掴んで、股を左右に大きく開かせる。すると、隠されていた桜の花が開いた。真っ白な肌に、充血した血管の色が透けて、淡い桜色に染まっている。
「いや!恥ずかしい!恥ずかしい!」
「愛梨の体、すごく綺麗だよ」
桜の花はきらきらと蜜を溢れさせていた。
「愛梨は、どうしてほしいのかな?」
「な、舐めて……ください……」
愛梨は一際顔を真っ赤に染めて、声を絞り出した。
「いや」
「いじわる……」
消え入りそうな声で呟く。
「だって、汚いもん」
「き、汚くないもん……」
「本当?」
言いながら、愛梨の桜の花の真ん中に、ずぶりと指を押し込む。ずぶり、ずぶりと根元まで突っ込む。
「あっ、あっ……」
愛梨の足が、ピクリ、ピクリと跳ねる。
愛梨の中で、指にねっとりと蜜を纏わりつかせて、掬いだす。
「あぁっ……」
てらてらと蜜を纏った指を、愛梨の口元に運ぶ。
「汚くないんでしょ?」
蜜のついた指先で、愛梨の唇に蜜を擦りつけるようになぞる。
薄く緩んだ愛梨の口の中に指を差し入れた。付け根まで一気に差し入れて、ぐりぐりと指に付いた蜜を愛梨の舌に擦りつける。
「歯、たてちゃダメだよ」
愛梨は私の指をしゃぶりながら、コクリと頷いた。
「いつも彼氏にこんなことしてあげているの?」
愛梨は私の指に舌を這わせたまま、首を横に振った。
「そっか」
彼氏にもさせたことがないことを私がしている。そう思うと、彼氏に対して優越感のようなものを感じた。
健気に私の指を舐め続ける愛梨が愛おしく思えてくる。
愛梨の口から指を引き抜こうとすると、溶けた棒アイスの滴を吸うように、私の指を追いかけて、指に纏わりついていた涎を絡めとった。
愛梨の制服のブレザーに手をかける。ボタンを外し、脱がせようとすれば愛梨は体を起こし、自ら脱いでくれる。
愛梨の、愛梨だけが着ている黒いブライスは、愛梨のピンク色の髪と、ピンク色の下着を際立たせてくれる。黒いブラウスのボタンを一つずつ外していくと、パンツとお揃いの、フリルのついたピンク色の、申しわけ程度に膨らんだカップのブラジャーが露わになる。
「先輩は、脱いでくれないんですか?」
黒いブラウスも脱ぎ捨てて、下着姿というか、下半身丸出しで転がっている愛梨とは対照的に、私の制服は少しも乱れていなかった。
「何?見たいの?」
面倒くさかった。昼間、美穂とやったばかりなのに、また脱ぐのか、と言うのが正直な思いだった。
「先輩の体、すごく綺麗だから」
仕方ないなぁ、と思いながら、さっさとブレザーを脱いで床に落とす。
「だって、私だけ裸なんて、恥ずかしいんだもん」
恥じらっている愛梨とは対照的に、私はお風呂に入るかのように、スカートを床に落とし、白のブラウスに手をかけていた。
「先輩、待って!私、先輩を脱がせたいです」
「なんで?」
言いながら、私はトイレに行くときのように、パンツを下ろしていた。
「なんでって……先輩、雰囲気なさすぎです!」
「じゃあ、良いよ。愛梨が脱がせて」
そう言って、愛梨の前に座った私にはあとブラウスとブラジャーしか残っていなかった。
「先輩には恥じらいが欠如しています。乙女じゃないです。もう、おっさんです!」
言いながら、愛梨は小さな手で私のブラウスのボタンを一つずつ外していく。愛梨の目の前に、私の胸の谷間と、胸に刻まれたお姉さんの手形が現れる。
「先輩、この痣どうしたんですか?」
「ちょっと……ね……」
「何番目のオンナの仕業ですか?」
愛梨は私の目をじっと見つめる。
「違うよ、そんなんじゃないよ」
お姉さんはまだ私のオンナにはなっていないんだから。
愛梨は私の肩からブラウスを抜き取り、抱き付く様にして、私の背中に手を回して、ブラジャーのホックを外す。
「あっ……」
ブラジャーを取り払うと、美穂に噛みつかれた痕が、私の胸の頂きに残っていた。
「先輩、これは?」
「これは、一番目のオンナかな……」
「じゃあ、私はこっちにします」
私の胸に吸い付こうとする愛梨の頭を押しとどめる。
「待って、何するつもり!?」
「先輩の体にアイリのしるしをつけるんです!」
「ダメ!」
美穂に見つかったら今度は何されるか分かったものじゃない。
「えぇ!?どうしてですか?他のオンナばっかりずるいです!」
「私の身体を何だと思ってるのよ!?」
「えっと……」
愛梨は暫し考えて言葉を続けた。
「股ゆる?」
「誰の股が緩いのよ?彼氏に喜んで股を開く愛梨と違ってヴァージンなのよ?」
私はとっさに生意気な愛梨の顎をがっしりと鷲掴みにして、口を閉じられなくして、床に落ちていた愛梨のピンクのふりふりのパンツをその口に押し込もうとしていた。
「イヤ!嫌!やめて!」
私の手を払いのけようと抵抗する愛梨。
「私、先輩のパンツがいい!」
「だぁめ」
愛梨の口の中に愛梨のパンツをぐいぐいと押し込んでいく。
ぷるぷると首を小刻みに振る愛梨が本当に嫌がっているのかどうか、いまいちわからなかったけれど、別に二番目だし構わない。
「美味しい?」
愛梨はその赤い瞳で、じとっと私を睨み付けていた。
「その目は何?彼氏がしてくれないようなことをして欲しいんでしょ?」
愛梨の顎をしっかりと掴んだまま、反対の手で、愛梨のブラジャーを上にたくし上げる。こぼれ出る、とはとても言えないような、小さな胸が露わになる。申しわけ程度に脂肪のついた胸の上に、淡い桜色の実がのっている。それは、本当に淡いピンク色だった。
「いつ見てもきれいな色ね」
言いながら、愛梨の胸の先を摘まむ。今までに見たどんな女の子の胸よりも綺麗な色をしている。色素のない愛梨は、きっとこの先も、少しも黒ずむこともなく、この綺麗な色を保ち続けるのだろう。
「ふぅぅ……」
指の先で愛梨の胸を転がしていると、パンツの隙間から声が漏れる。
「ねぇ、愛梨の身体に私のしるしを付けてもいい?」
愛梨はぶるぶると首を振った。
「愛梨のおっぱいに私の歯型が付いていたら、愛梨の彼氏はどうするかなぁ?」
愛梨はなおも必死に首を振って拒んでいた。本当に嫌がっているのは明らかだった。
「愛梨は痛いの嫌い?」
聞きながら、愛梨のおっぱいをぎゅっと強く摘まむ。
愛梨はコクリ、コクリと必死に頷いた。
「どうしようかな……」
愛梨のおっぱいの先っぽを指先で優しく転がしながら、今日はどうやって遊ぼうか考えていた。
愛梨は不安と期待の入り混じった表情で、私をじっと見つめていた。
その従順な顔を見ていると、ますます愛おしく感じる。
それから、私の指は愛梨のおっぱいを離れて、白い肌を撫でながらゆっくりと下に下がっていく。真っ白な茂みの中に指を潜らせて、そのまま愛梨の身体の中へ指を沈み込ませていく。
「ひうっ……」
愛梨の身体は私の指を容易く飲み込んでしまう。
「ふぅぅ……」
中指に加えて、薬指もずぶり、ずぶりと押し込んでいく。私よりもずっと小柄な身体だというのに、愛梨は痛がるどころか、目を閉じ、甘い声を漏らし、私の指を感じているようだった。
ゆっくりと指を出し入れしてあげると、愛梨の表情が緩んでいく。
「ふっ……ぅっ……ひぅ……」
愛梨の口から息が漏れる。
「愛梨、可愛いよ」
そう言ってあげると、愛梨の身体が反応する。
「好きだよ、愛梨」
愛梨の身体がキュンと私の指を締め付ける。
「愛梨、凄くエッチな顔してる」
愛梨は首を振っていた。顔を隠そうと手を伸ばしても、私が愛梨の顎を掴んだままだから、それも叶わず、愛梨は両手で私の手首にしがみついた。
愛梨の身体に出し入れする指の動きを早めれば、くちゅくちゅと粘液の混ざる音と愛梨の吐息だけが静かな部屋に響いた。
「キスしてあげる」
そう言うと、私の手首を掴んでいた愛梨の手が離れる。
口の中に押し込んでいた、愛梨のよだれをぐっしょりと吸い込んだパンツを引っ張り出す。
「汚い」
「だって、先輩が私に……」
文句を言っていた愛梨に顔を近づけると、途端に止んだ。私が唇を愛梨に押し付けるよりも先に、まるで餌をねだる雛鳥のように、愛梨が私の唇に吸い付く。
持っていた愛梨のパンツを床の上に落とす。
空いた手を愛梨の髪を梳くようにして、頭を撫でる。
「むぅぅ……」
愛梨は声を漏らしながらも、夢中で私の中に舌を押し込んでくる。
「いやらしい子」
愛梨を責める手を休めると、愛梨は自分で腰を振り始めた。快感を貪るように、私の指に下腹部を押し付けてくる。
「いつも彼氏とこんなことしているの?」
私が口を離している間も、愛梨は恍惚とした表情を浮かべ、口を薄く開いて、ピンク色の舌を覗かせていた。
「先輩……」
愛梨は物欲しそうな声を漏らす。
その可愛い顔立ちに似合わず、そうしている間も愛梨は腰を振り続けていた。人の身体はこんな動きができてしまうのかと、思わず見入ってしまうほどに、愛梨は快感に貧欲だった。きっと幾度となく彼氏を相手に練習をした賜物なのだろう。
「見ないでください……」
私の視線に気づいて恥ずかしがっているくせに、振り続けている腰の動きは少しも衰えない。
「エッチな愛梨も可愛いよ」
愛梨の息がますますあらく、乱れる。
「いや、いや……」
そう言いながらも、恥じらいが快感に押しつぶされた、甘い声を漏らし続ける。
「あっ、あっ、あっ……」
赤い瞳で私の目を真っ直ぐに見つめたまま、顔を真っ赤に染めて、愛梨は喘ぎ声を私に聞かせてくれる。
「先輩……ダメ……ダメ……もう……ダメ……」
一層愛梨の息が乱れる。
「何が駄目なの?」
「ダメ……先輩、センパイ……!」
「だめなら止めてあげるよ?」
そう言うと、愛梨は髪を振り乱して首を振った。何度も何度も振った。
「イク……いっちゃう……いっちゃう!」
愛梨はそう叫んで、小刻みに身体を痙攣させた。ようやく止まった愛梨の腰は、ビクリ、ビクリと何度も震えた。愛梨の身体が私の指を押しつぶしてしまいそうなくらいにキュッと強く締め付ける。
私が休めていた指を動かし始めると、愛梨は叫んだ。
「いや!止めて!止めてぇ!」
必死な顔で叫び、私の腕を両手で捕まえる愛梨の姿が余りにも可愛くて、私はもう少し見ていたい衝動に駆られた。
「だめ、だめぇ!」
「そんなに叫んだら外まで聞こえちゃうよ」
部屋の鍵はかけたから邪魔はされないけれど、愛梨の叫び声は廊下まで漏れていそうだった。
「もうダメ、もうダメ!」
「愛梨のその顔、すごく可愛い」
愛梨はまた首を振っていた。
「分かってるよ。エッチな愛梨はもっとして欲しいんでしょ」
「やめて……もう止めてぇ!」
「聞こえな〜い」
髪を振り乱しながら、私の腕を掴んで止めようとするのも構わずに、愛梨の体の中を愛撫する。
「あぁッ……あっ……いやぁ……」
虐め甲斐のある可愛い声を聞かせてくれる。
「愛梨は彼氏のしてくれないようなことをして欲しいんでしょ?」
愛梨は暴れているくせに、私が顔を近づけると私の唇を求めてくる。
声を抑えることを忘れて喘ぎ続ける愛梨の口を塞いであげる。
「むぅっ……むぅぅ……」
愛梨は呻きながらも舌を差し出していた。
愛梨の舌を私の舌で愛撫してあげると、愛梨の身体が私の指を締め付ける。
「むぅぅ……うぅ……」
愛梨は声を漏らしながらも、もっとして欲しいと言うように、舌を差し出してくる。
私にギュッと抱きついて耐えている愛梨はとても愛おしい。
「ぅっ、うぅぅ……」
愛梨は息をつまらせながら、ぴくん、ぴくんと身体を痙攣させた。
唇を離してあげると、愛梨はだらしなく口を開いたまま、空気を貪るように吸い込んでいた。
「まだやる?」
「だめぇ……」
甘い声が漏れる。
「誘ってるの?」
「いや、もうしないで……」
その声も甘い喘ぎにまみれていた。
愛梨の中に入れたままの指をピクリと動かすと、愛梨の身体は敏感に反応する。
「いや、いや」
愛梨の中に入れた方の腕を掴みながら、私の顔を見詰めて首をぷるぷると振る。
「愛梨は可愛いね。もっと虐めたくなっちゃう」
「先輩、もう許してください……」
「どうしようかな」
言いながら、愛梨の中に入れた指でお腹をノックする。
「抜いてぇ!指、抜いてください」
媚びるような甘い声。
「あっ……!」
愛梨のお腹を擦りながらさっと指を引き抜くと、愛梨の身体がまたぴくぴくと震えた。
「どうしようか?」
愛梨の雫で濡れた手を愛梨の顔の前に持っていくと、愛梨は躊躇わずに今度はそれを口に含んだ。
『これで良いんですか?』
と訴えるように、上目づかいで私を見つめながら、咥えた口の中で私の指に舌を這わせている。
愛梨の舌を指で突くと、愛梨も私の指に舌を絡ませて応えてくれる。
「愛梨、すごく可愛い」
私の目を見つめたまま、健気に指をしゃぶり続ける愛梨は可愛い。
可愛いから、ついつい、意地悪をしてみたくなる。
愛梨の舌の上に指を這わせたまま、ゆっくり、ゆっくり奥へと舌を遡っていく。ぐいぐいと愛梨の口の中に指を押し込んでいく。
愛梨は小刻みに首を振って拒んでいた。
「歯立てちゃダメだよ」
念を押して、更に指を押し込んでいく。
「愛梨はどこまで我慢できるかなぁ?」
愛梨の狭い喉の奥まで指を差し入れていくと、指の先が急に包み込まれる感触がする。そこからさらに、グイっと指を押し込むと、愛梨は慌てて両手で私の腕を掴んだ。
「うぐぅぅっ!」
苦しそうな嗚咽を漏らす愛梨。私を見つめる目からは涙があふれ出ていた。
どうしてだろう。愛梨の苦しそうな表情を見ているだけで私の心がすごく気持ちよくなっていく。
このままもっと愛梨の奥を激しく突いてあげたい衝動に駆られたけれど、ここで吐かれても困るから、これくらいで許してあげようかな。
「ケホッ、けほっ、けほ……」
指を引き抜くと愛梨は苦しそうに堰こんでいた。
でも、その姿さえも愛くるしい。
「愛梨は、本当に可愛いね」
「先輩、酷いです!」
「何?文句あるの?」
愛梨は、拗ねた表情でじっと私を見続けるばかりで、何も応えなかった。
「愛梨は生意気だから、もっと意地悪してあげる」
そう言うと、愛梨の表情は一瞬で不安の色に変わる。
「えっ……ごめんなさい……」
拗ねていた表情が、突然従順なものに変わる。
だから愛梨は可愛くて苛め甲斐がある。
「大丈夫だよ、痛いことしないから」
「何、するんですか?」
私は愛梨の両膝の下に手を差し入れると、そのまま左右に大きく広げながら、大きく持ち上げる。クッションを背にして座っている愛梨の身体に太ももをギュッと押し付けて、そのまま更に乱暴なくらいに愛梨の身体を強くクッションに押し付ける。そうやって、股を大きく開かせる。
「は、恥ずかしいです……」
「ほら、自分で持って」
そう言って、愛梨に自分の足を抱えさせて、自分で股を開かせる。
「あまり……見ないでください……」
「どうして?愛梨のここ、すごく綺麗だよ」
愛梨のそこを指でそっとなぞる。未だに滴を溢れさせている、愛梨のピンク色に充血した襞。愛梨のそこは、誰よりも綺麗なピンク色をしていて、少しもくすんでいなくて、妬ましいくらいに綺麗な色を保ち続けているのは色素のない愛梨だけだろう。
生え揃った真っ白な体毛が露を纏って輝いていた。
ゆっくりと顔を近づけて、愛梨の襞に口づけをする。
「あっ……」
愛梨の息が小さく漏れる。
ちろりと舌を伸ばすと、私がさっきまで指を押し込んでいた穴を探った。
「ゃああっ!」
叫ぶような声と同時に、愛理の身体がぴくんと震えた。
「ああっ、ぁっ、あぁぁ……」
舌の先をぐりぐりと穴に押し付けると、愛梨は可愛く鳴いてくれる。
そこから、愛梨の襞を舌で撫でながら、蕾のところへ這っていく。
「あっ!」
舌で蕾に触れただけで、愛梨の鳴き声が一段と高くなる。
チュッ……と蕾を唇の中に吸い上げると、愛梨は息をつまらせて身体をぴくん、ぴくんと痙攣させた。
蕾を唇で包んで、舌で愛撫しながら、身体の中に指を差し入れて、お腹をノックしてあげると愛梨は喜んでくれる。
「いや、いや!だめぇっ……」
息も忘れるくらいに、愛梨は身体を反らして、全身で喜びを伝えてくれる。
「もうダメ、もうダメ、ダメ……」
そう言っているくせに、私の頭を押し退けようとする手に少しも力が入っていない。
舌を休めず、指も止めずに、空いている手で、愛梨が弄って欲しそうに身体を仰け反らせて突き出している胸の頂きを摘む。
「……ぁっ……ぃッ……」
かたかたと身体を痙攣させてばかりの愛梨は息をする合間に微かな悲鳴を漏らす。
「ちゅっ……」
愛梨の蕾を唇で吸い上げたまま、ゆっくりと引っ張っぱる。
「あっ……あっ……あっ……」
蕾が唇から離れても、愛梨ははしたなく股を開いたまま、身体をぴくぴくと痙攣させ続けていた。開きっぱなしの口から喘ぎ声が漏れている。
愛梨の放心したように、宙に視線を彷徨わせている表情を見ていると、今日も愛梨を可愛がってあげたっていう充足感が満ちてくる。
「愛梨、可愛い」
私は思わず、呆けている愛梨の頭を撫でていた。
「先輩……」
抱きしめてほしいと言わんばかりに両手を広げる愛梨の身体を、私は思わずギュッと抱きしめていた。
愛梨も私の背中に両手を回すものだから、時間がたつのも忘れるくらい愛梨の小さな体を抱きしめていた。
愛梨は西日を避けるように傘をさした。紫外線を遮る真っ黒な傘。けれど、傘の縁はぐるりと全周をピンク色のフリルが彩っている。晴れた日に傘というのも不釣り合いだけれど、この可愛すぎる傘は愛梨にピッタリと似合っていた。
「持つよ」
そう言って、愛梨から傘を受け取る。
愛梨はまるでカップルがするように、私の腕にしがみついた。
まばらにいた下校中の生徒たちがチラチラとこちらを見ている。
愛梨は彼女たちに見せつけたかったんだろう。
私だって不細工とは並んで歩きたくないし、周りに連れだとも思われたくないけれど、愛梨は可愛いから見せびらかしたくなる。
「いやぁ!先輩、止めてください!」
そう叫んで、必死にスカートを押さえつける愛梨があまりに可愛いから、私はついつい愛梨のスカートの端を摘まんで持ち上げていた。
愛梨が人目も気にせず叫ぶものだから、愛梨の思いとは裏腹に周囲の視線がますます注がれる。
愛梨のスカートをめくり上げる度に、黒いタイツに包まれた太腿が覗き、タイツの更に上に眩しいくらいの白い肌がちらりと覗き、パンツを履いていない下半身が衆目に晒される。
あまりの羞恥に叫ぶ愛梨の反応が可愛くて、ついついスカートをめくってしまう。
「先輩!酷いです!!」
「スカートの丈が短いくせにノーパンな愛梨がいけないんじゃない」
「先輩が愛梨のパンツを汚しちゃうからじゃないですか!」
そんな事を声も潜めずに叫ばれると、更に周囲の好奇の視線が注がれてしまう。
「愛梨が美味しそうに食べてたんでしょ?」
「別に美味しそうになんてしてないです!」
「興奮した愛梨のよだれで汚れたんでしょ?」
「だって、先輩が……」
俯いてしまった愛梨のスカートをもう一度めくってみる。
「イヤぁ!ダメぇ!」
両手でスカートを抑え、真っ赤になった顔で睨みつける愛梨は一段と可愛い。
じっと私に向けられていたはずの愛梨の視線がふと逸れた。
気のせいだろうか?そう思っているうちに、愛梨の顔が明後日の方に向いた。
こんなにも綺麗な私の顔よりも他に見るべきものなんてあるんだろうか?そう思って、愛梨の視線の先に目を向ける。
近所の学校の制服を着た男子生徒の後ろ姿が一つあるだけだった。あれはこの辺りではトップの偏差値を誇る学校だろうか。
「何見てるの?」
「えっと……」
愛梨は少し躊躇ってから教えてくれた。
「彼氏です」
「えっ?あれが?」
私は好奇心に突き動かされていた。
歩みを早め、愛梨を置いてけぼりにして、その彼氏とやらの顔を覗き込むべく、私は彼の前に回り込んだ。
「こんにちは」
突然自分の目の前に見知らぬ女子生徒が立ち塞がって、親しげに声をかけるものだから、彼は面食らったように私を見ていた。
「こ、こんにちは」
およそ愛梨とは釣り合うはずのない冴えない彼が、戸惑いながら挨拶を返した。
ああ、そうか。きっと人違いだな。後ろ姿しか見えなかったのだから、愛梨が自分の彼氏と勘違いしたんだろう。
私がそう納得仕掛けたときだった。
「優!」
愛梨の明るく弾む声が響いた。
「愛梨」
冴えない男が馴れ馴れしく愛梨の可愛い名前を口にした。
「もぉ、先輩!何してるんですか?」
「ねぇ、愛梨。この人、知ってる人?」
「だから、彼氏だって言ったじゃないですか?」
「この人が?」
「そうですよ」
「愛梨の彼氏?」
「そうです」
「本当に?」
「本当です!」
「何で?」
「何でって……」
愛梨は仄かに頬を染めて、隣の男の方にチラチラと視線を向けた。
私だったらこんなのと並んで歩きたくない。
「邪魔してごめんね。僕、先に帰ってるから」
そう言って立ち去ろうとする男の袖を愛梨が摘んで引き止めた。
愛梨は何も言わず、じっと男の目を見つめていた。二人はそれだけで通じ合っているようで、私なんて消えてしまったかのような、二人だけの世界を一瞬で作り出していた。
「あの、傘持ってもらってありがとうございます」
そう言って傘を受け取ろうとしたのは愛梨ではなく、冴えない男の方だった。
もう要は済んだから帰っていいよ、そう言われているような気がして、無性に腹がたった。
むしゃくしゃして、つい愛梨のスカートを鷲掴みにして、目一杯引っ張り上げてしまった。
「イヤぁ!!」
愛梨は腰を抜かしたように、その場に崩れ落ちて、地面の上にペタリと座り込んでしまった。両手で顔を覆い隠してしまったその仕草は、まるで乙女の様だった。
さっきまでの反応とは全然違うじゃないか。
「愛梨、どこにパンツ忘れてきちゃったの?」
男は愛梨の前にしゃがんで優しい調子で声をかけた。
「忘れてないもん」
愛梨はチラリと目だけを覗かせて、汚い男を見ているようだった。
「じゃあ、なんではいてないの?」
「だって……」
そう言って愛梨は口ごもる。
「お尻が風邪ひいちゃうよ」
言いながら、男は着ていた制服のブレザーの上着を脱いだ。
「立って」
愛梨は差し出された男の汚らわしい手を躊躇うこともなく掴むと、手を引かれるままに立ち上がった。そして、差し出された上着を腰に巻き付けた。
「ありがとう」
聞こえるかどうかわからないくらいの控えめな声を絞り出した愛梨は、サングラスをとって、手で目元を拭った。それから私を睨みつけた目には涙をためてキラキラと赤い瞳を輝かせていた。
そうか、愛梨は男の前ではこんな顔をするんだ。
「先輩のバカ」
そう言うと愛梨はぷいっと顔を背けてしまった。
そのまま愛梨は男の手を引いてツカツカと歩き出してしまった。代わりに男が振り向いて一礼をした。
「優、お腹減った」
「減ったね」
「ケーキ食べたい」
「もうすぐお夕飯だよ」
「食べたい!」
愛梨の子供のように甘える声が、段々と遠ざかっていく。
どうして愛梨はあんな冴えない男を選んだんだろうか。私よりも優先する価値のある男なんだろうか。
あぁ、私もお腹減った。
けれど、財布の中はケーキも食べられないくらいに少なくなっていた。
僕の好きなものはお金です。寄付はいつでも受け付けています。