表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲームか?現実か?  作者: howari
1/3

スタート

人生はコンティニュー出来ない。

俺は会社も辞め、部屋に引きこもっていた。

カーテンも閉めて暗闇の中で一人きり。


半透明のビニール袋に手を突っ込む。昨日、中古のゲーム屋で買ったゲームソフト。

タイトルは〝さよなら勇者〟。

なぜかそのタイトルに惹かれて買った。


ソフトをゲーム機に差し込んだ。


画面にはタイトルが表示されると共に、不気味な音楽が流れてくる。やけに耳に残る重苦しい音楽。一番初めに名前をつけるみたいだ。




〝あなたの名前は?〟



〝タケシ〟

 自分の名前を入力。



〝悪魔の名前は〝タケシ〟になりました〟




ん?悪魔?



〝このゲームは悪魔が勇者を倒していくRPGです〟



悪魔が勇者を倒す?普通は勇者が悪魔を倒すんだけどな。変だなと思いながらも、ゲームを始める事にした。



コントローラーを握り締めながら、画面にかぶりつく様に進めていく。


悪魔は初め小さな体をしていたが、小さな勇者たちを食べる事により体が大きくなり、レベルもHPも上がっていった。




「でも、なんか物足りないな」


カップラーメンを片手に呟く。



大きな勇者が悪魔の前に立ちはだかる。

おっ、こいつは手応えがありそうだ。


 


〝勇者の名前を入力して下さい〟



勇者の名前か。


ふと、辞めた会社の事を思い出す。

俺はあの会社の社長にバカにされ、追い出されたようなもんだった。

「お前は仕事も出来ないクズだ!」

「ゴミだ!埃だ!それ以下だ!」

にっくきあの顔は忘れるものか!



〝イソベ社長〟

社長の名前を入力。


俺はニヤリとしながら、勇者を食ってやった。


 


〝タケシがイソベ社長を殺しました〟



いい気味だ。ざまぁみろ、社長!

さぁ、この辺にしてまた明日にするか。

俺はゲーム機の電源を切り、布団へと潜り込んだ。


 



次の日、スマホのアラームで目覚めると、触ったスマホに赤い指紋が付くのに気付いた。


 


「うわぁぁぁ!!」




俺の両の手のひらは血塗れだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ