0 それは巨神
西暦2000年。
世界各地で異常気象が起きる中、それは突然と姿を現した。
大空を飛ぶ街を隠す巨鳥、砂漠を悠然と歩く巨人、海を渡る巨龍、森を寝床にする巨獣。
それらはかつて神話の世界に描かれた神であり、悪魔であり、想像上の生き物であるはずであった。
しかしそれらが確かに姿を現して数日、各国で様々な対応を議論する中、世界で最大の人口を誇る国が巨獣に手を出した。
その国にいた巨獣は攻撃されたと判断されると共に巨獣は世界を震わせる咆哮を響かせると自身に森を纏った。
その森は急速に範囲を広げるとどこからともなく見たことの無い生き物達が溢れかえり、人間へと牙をむいた。
それと同時に巨鳥と巨人と巨龍にも動きがあり、それぞれの周囲を纏うとそこから見たことの無い生き物達が溢れ出したのだ。
人類はそれらの生物との戦いを余儀なくされ、多くの場所で血で血を洗う戦いが起きる。
しかし戦えど戦えど未知の生物達の数は減らず、兵器を使って巨獣達の領域を攻撃しても損害を与えることができなかったのだ。
日に日に目に見えて資源と命が減少していき、兵器にも食料にも限りがあり、このままでは人類は滅亡してしまうと人間達は判断した。
そこで決意と共に各国の超人達で組まれた部隊で巨獣の領域、通称ダンジョンに侵入する。
そこは未知の生物であるモンスターが地上よりも溢れかえっていたが倒すと、空想上のアイテムを落とした。
さらにダンジョン内には様々な資源があり、採っても時間が経つと戻るのである。
そして何よりモンスターを倒した人間達はレベルアップという現象を起こす。
それにより身体能力の上昇と超能力のようなスキルを手に入れた。
それらのスキルやアイテムを駆使し多大な犠牲を払いながらも再び巨獣の前へと人類は姿を現す。
すると巨獣は人間達を一瞥するとまだ早いとばかりに人間達を強制的にダンジョンの外に瞬間移動させてしまった。
巨獣を倒すどころか戦うこともできなかった人類は絶望した。
このまま、世界は終わってしまうのかと人類の全てが思ったそのときだ。
巨獣達が世界を震わせる咆哮を再びする。
すると巨獣達より僅かに小ぶりなものの新たな巨大生物が世界各地に大量に現れた。
それらの新たなモンスターは周囲の物を纏うとダンジョンを作り出した。
ただでさえモンスターが溢れて苦労するダンジョンが世界各地に出現して絶望した。
しかしその絶望は直ぐに払拭されることとなる。
新しくできたダンジョンからモンスターが溢れないのである。
そればかりか中にいるモンスターは最初の四つのダンジョンよりはるかに弱く、超人部隊でなくとも倒せるほどであった。
希少なアイテムは最初のダンジョンより少なかったもののそれでも現代の科学では再現不可能で分析不可能なアイテムが多数出現した。
何より、中の食料や鉱物といった資源は取り放題である。
命の危険はあるものの、人類は狂喜乱舞した。
人類はこれを神の試練とし、最初の巨獣達四体を巨神と名付けた。
そして西暦2020年、各地でさらに新たなダンジョンが生まれることがあったが、人類が一部のダンジョンを攻略する。
その数が100に到達すると共に世界に巨神の咆哮が響き渡り、人類にランキングシステムが導入されたのだ。