【SS】四月一日のすれ違い。【30秒小説】
掲載日:2020/04/01
「わたしあなたが好きでした」
きょとんとした。
初めての経験だった。でもすぐにその意味に気づいて、浮き足だった気持ちも沈む。
「エイプリルフールだろ、知ってるよ」
本当にタチが悪い。笑い者にする気だろう。
……ああ、でも。
ちょっとだけ。ほんのちょっとだけ、それが真なんじゃないかと横目に様子を見ていたが。
「……はい、っそう、です、エイプリルフール、でした。ごめんなさい……」
涙ながらに作り笑顔の彼女が、そう謝罪した。
ああ、もう。
もっと素直にいれば良かった。




