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乙女の祷り  作者: 夏生由貴
エッセイ集
11/12

Was will die einsame Träne?

『乙女の祷り』では聖書が話の中心だったため、イメェジしていたハイネの詩を

のせることができなかった。以下が、その詩である。


   なにゆえに落つる涙ぞ?

   涙ゆえわがは曇る。

   こはまことふるき涙、

   わが眼の底にいと永く溜まりし涙。


   この涙かずかずの姉妹らを待ちたれど、

   姉妹らは早やすでに散りゆきぬ、

   愁いゆえ、はた悦びゆえに

   流れ落ち、闇と風とに散りうせぬ。


   悦びを、はた悲しみを、われに与えし

   かずかずの青き瞳の星々も

   霧のごとくに

   消え散りぬ。


   さて我が恋の思いすら

   風のごと、虚しく消えつ。

   永く残りてとどまりし、寂しき涙

   今は流れよ!

            ※片山敏彦氏訳『ハイネ詩集』(新潮文庫)


 私の脳がぴくりと反応したのは第二連だ。【姉妹】という表現。上級生と下級生とのあいだで結ばれる秘めやかな関係(=エス)に、ぴったりではないかと。


 続く【散る】という表現では、お姉様の卒業によってその甘やかな契約が否応

なく解消されてしまう哀しき未来を暗示してるのだと。


 もう絶対そうに違いないと。それしか考えられないと。てゆーか、その自信は

どっから湧いてくるんだと。根拠は、なんなんだと。そんなのアレに極まってるではないかと。

 …妄想、万歳(小声)。


 結局『乙女の祷り』ではエスの世界を描くことができなかった。

『女学校』シリーズのほかの作品には《ガッツリ百合!》もあるのだが、いかんせん構想妄想止まりで、ひとっ文字も書けていない。


 暴露ついでに、さらに告白してしまうと、百合創作はとっっってもシンドイ作業なのだ。同性なんだから、むしろらくじゃないの? と思われるかもしれないが、

私にとっては真逆の正反対。少年同士のあれやこれやを書くほうが、比べものにならないほど楽である。


「新作の発表、もとい着手は、いったいいつになるのでせう?」

自らに問いかける今日この頃。

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