表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この世は陶器の器にて  作者: 天ヶ滝 天鬼
第一章
6/13

濁流をザルで掬う

荷物はそのままに、アヤの小学校に引き取りに来た


「こっちは、保護者が多いね」

「まあ、小学生の保護者は仕事場の上司に早めに返してもらえるんだろうね」


まあ他にも理由あるだろう、主婦・主夫とか育休中とか

そんなことを考えながらアヤ達のクラスの場所に着く。


「アヤとナナちゃん迎えに来ました。ナナちゃんは叔母さんの代理です。」

「美夜さんと夜空さんですね、花さんから電話で話は聞いています。 彩さん、奈々さんお迎えが来ましたよ。」

「パパ!ママ!」 「ミヨさん!ヨゾラさん!」


二人とも抱きついてくる、見ただけではわからなかったがナナちゃんもアヤも震えている。 さすがに地震が大きくて怖かったのだろう、抱き抱えると安心したのか体を預けてきた。 アヤ達の先生は表にチェックをいれて確認して、連絡事項を、伝えてきた


「おそらくですが、今年度最後の登校になってしまうかもしれないので、体操着と上履きを持ち帰った方がいいかもしれないです。 大丈夫ですか?」

「荷物は大丈夫?ナナちゃん、アヤ」

「だ、大丈夫です。 上履きだけだよ」

「アヤも、上履きだけだよ!」


ナナちゃんは少しうわずっていた

ミヨはアヤを抱きながら、足で蹴ってくる 急げと言うことだろう。 先生にひと言断りをいれその場を後にした。

「ナナちゃん、うちに来たらアヤと一緒に遊んでくれるかい?」

「いいんですか?あそんでいも?」

「大丈夫よ、お昼ご飯も作ってあげるからね!」

「わかった」 「やったー」


雑談を短い帰宅の道で済ませてしまう、ナナちゃんたちは本来お昼は給食のはずなのだ、今回は食べられないので二人の分を用意ずる必要があるのだ。 

そんな事を考えていたらもう玄関の前に着いてしまった。

鍵を開けナナちゃんとアヤを先に上がらせる。

「ただいまー」 「おじゃましまーす」

「おかえりなさい、そしていらっしゃい」


家を出て一時間で帰ってきたので不思議な感覚だ、居間にナ

ナちゃんの荷物を置いてく。


「アヤ、自分の分は部屋に持って行くんだぞ」

「はーい」

「すいません、かばんとかもってもらってしまって」

「いいのいいの、本来こんな重いの持たせるほうがおかしいんだから」


アヤはナナちゃんと会話をしているうちにドタバタとカバンや荷物を2回に運んでいった。


「ミヨー、二人の分のどうしよっか」

冷蔵庫や冷凍庫を探しながら聞いてみる

「んー、何があったけ? 卵と挽肉と…」

「あとにんじん、ピーマン、白菜、塩辛、……ご飯残っているからチャーハンにしよう!」

「考えるのめんどくさくなったねソラ、ナナちゃんお昼チャーハンでいいかな?」

ナナちゃんは、嬉しそうな顔をして「はい、大丈夫です」と言っていた。

そしてちょうどアヤが降りてきた。

「パパー、かたずけてきたよ。 ナナちゃんとあそんでいい?」

「いいぞ、二階であそんできなさい。 後で飲み物持っていくから」

「うんわかった、ナナちゃんいこ」

「うん」


ナナちゃんの手を引きながらアヤはもう一度階段を上る、二人がいなくなったことを確認してテレビをつける、やはりというか、今朝の揺れに関してしか放送していない。

今見ている番組なんて “天変地異!? 世界中に起きた異変”と大打っており、気象庁に質問をしている


【ーーー今朝の揺れは、地震ではないというのが気象庁の見解でよろしいでしょうか?】


【ーはい、今のところ地中からの揺れではないのは確実です。 計測機でも皆さんも体感したように、空中の複数地点で揺れが同時多発的に生じています。 現状どうしてこの様な現象が発生したのか現状不明です。】


【ええと、何処かの国の兵器ではないかと噂がありますが気象庁としてはどの様な見解をお持ちでしょうか?】


【わからないとしか申せません。 詳しいことはこの後行われる官邸での記者会見でお聴きください。ー以上でよろしいでしょうか】


まあ、勝手に兵器か兵器でないかは、気象庁では語れないよな。と考えていたら画面が切り替わり、スタジオのコメンテータたちに映り変わり各々が喋りだす


【うーん、聞くほどにこの“揺れ”はわけがわからなくなりますね】


【やはり気象庁での会見で、質問されていた何かしらの兵器なのではいか?】


【でもーーーー】


どの局の番組も緊急放送で同じ様な感じだ、テロップに流れている情報も多くよくわからない状態の様だ。

テロップを読む限り世界各地で建物の倒壊や怪我人が報告されているようだし、日本でも土砂崩れなどの災害が起こっているようだ。

番組MCが官邸の記者会見がはじまるとコメンテーター達を、なだめ始めた


【ー官邸での会見が始まる様です】


その言葉に続く様にスタジオから官邸の会見に写りかわり、コメンテーターたちの顔がワイプで表示された

既に久我山首相が壇上に上がっていた


【今回発生した震源が不可解、同時多発した揺れの異常現象についての会見をいたします】


首相が神妙な面持ちをしながら会見を始めた 


【この災害は地面の揺れる地震とは違い、空中の一部を起点とした強い揺れが発生しました。 この揺れは世界各地でも同様の揺れが観測されており建物の倒壊等の災害が発生しております。 また日本国内でも、倒壊などの情報が寄せられています。 先ほどの気象庁でも質問があった何処かの国の兵器ではないかとありましたが、関係各省や米軍等にも問い合わせましたが、そのような兵器が発射、弾頭の観測、爆発時の閃光も観測はされていないと返答をいただきました。 また、世界各地で同時多発でその様な兵器が使用されようとしていれば観測されなかったということにはなりません。 アメリカ以外にも、ロシア・中国・ヨーロッパ・オーストラリアとも現在回線を開き情報を交換しておりますが同様な情報のみとなっています。 各国の邦人に関しても情報が錯綜しており不明となっています。 】


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ