いつも通りの朝に
夢を観た、知らない場所で声が出せない程の痛み
何かを伝えたいそんな思いが伝わってくるような不思議な感覚の夢
覚めてしまえば忘れてしまう夢の記憶、曖昧になりそうな意識の中で目が覚めた。
「………」
何か大切なことを忘れてしまっている、そんな喪失感に襲われて、目が覚めた
肌寒い空気と温かい体温を布団の中で感じ安心する
温かい体温の人が冷えてしまわぬようにゆっくりとベッドからぬけだし服を着ていく、思い出せない喪失感は後回しにし静かに部屋を抜け出してリビングのある一階に降りる
(さーて朝食を準備しなくちゃな)
リビングを明るくし、冷蔵庫から作り置きしていたおかずをさましたご飯と共に弁当に詰めていく、卵とソーセージも取り出しフライパンで焼いていく
バタンと 閉じた音に驚き振り向く
いつも隣にいてくれる人が後ろにいたのだ
「?!あっ、ミヨおはよう」
「ソラもおはよう、んっ」
これもでしょという顔で取り出した物を受け取り、それも追加し弁当に詰めていく
「ありがとう、起こしちゃった?」
「ううん、今日も一緒に起きたから」
「(また、寝顔を見られていたのか……)。」
いつものことだ、ミヨが起きたら俺も起きてしまう、そんな不思議な習慣が身についてしまっている
なれた動きで朝食をのせた皿を一緒に並べていく、四人の姉弟達はまだ降りてこない、ニュースをつけて時刻が6:20を映しているのを確認して少し悩みミサに
「少し早めだけど、起こしに行こうか」
と提案し
「だね〜」
と少し眠そうな言葉が返ってきた
降りてきた階段をのぼり、二つある寝室の姉弟達が眠る寝室に入りカーテンを開ける
日の出近いためかお日様が眩しい
「もう月曜日の朝だぞ、皆起きろー」
「「「うーん」」」
亡者の様な唸り声を上げ這い出てくる、マヤ、アカリ、ホムラの三人はお布団恋しそうにゆっくりと目を覚まし、それぞれ伸びをし、着替えていく
起きない、いや正確には甘えたい為に寝たふりをしているもう一人をゆすり起こす
「まぶしいぃよお、さむいよおー、パパぎゅーして」
「はいはい、ぎゅーしてあげるから早く起きなさい、アヤはもうすぐ進級して小学2年生になるんだよ、後輩が出来るんだからちゃんとしなきゃダメでしょ」
そう言いながらソラはアヤをベッドから抱き上げる
「パパは、娘に甘いねー」
ミヨはニヤニヤとニヤけながらからかってくる
「ママもパパとぎゅーしなくていいの?」
「い、いいのよもう」
ミヨはアヤの言葉に慌てながら、アヤの洋服をクローゼットから選んで渡す、ソラはそれを受け取り着替せていく
それを眺めていた三人は小声で話し合う
「あの様子じゃお姉ちゃんと、ヤってないね」
「せっかく一緒の部屋で、一緒のベッドなのにソラ兄はヘタレ」
「男なら興奮しないわけがない状況なのに手を出さないなんて、ほんとに兄貴はヘタレ」
「精力剤飲ませ…流石にバレちゃうか」
「「うーん」」
「じゃあさ、じゃあさ風呂場に二人を裸で閉じ込めちゃえばさ湯船に二人ではいるしかないじゃん、肌と肌が触れるそんな状況ではてを出すはず…?」
「「それだ!」」
「くだらないこと考えてないで、早くリビング来てご飯食べなさい!」
そう言い残しアヤを抱き、ミヨと一階に戻る
少し遅れて三人も降りてきてご飯食べ、カバンに弁当を詰めたり各々のあさを過ごしていく
TV画面の右上には7:15と出ている、いつも家を出ている時間が迫っている事に気づきミヨに声をかけ、仏間に向かう"四人分"の人が映った写真がのった仏壇に手を合わせ
「行ってきます」
そう二人で告げ仏間から出る、姉弟達は既にリビングにおらず玄関にいた、みんなまっていたのだ
急いでカバンを肩にかけ玄関にいそぐ
「ごめんごめん、またせちゃったね」
「パパとママ遅いよー」
「僕たちもう少し遅くてよかったかなー」
「忘れ物はない?お弁当は持った?」
「持ったよー」「だいじょうぶだよー」
「はいはい皆早く出て、鍵かけちゃうから」
少しだけ慌ただしく家をでる
そして誰もいない家にみんなでもう一度
「「「「「「行ってきます」」」」」」
と言い出かける
うまく浮かばぬ