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夏海、吠える
翌日は夏海の外来担当日だ。
第二診察室 担当医 荘野夏海と書かれた名札が出ている
「荘野先生、良いでしょうか?」
夏海より若い看護師が顔を見せた
救急処置室で精神的に錯乱している患者がいると言う。
すぐ行きます。高岡主任教授に報告を。
(有紀先輩じゃないよね…。)
夏海が救急部で見たのは有紀ではなかった。
「すぐに精神科の電子カルテの照合を。私、荘野の担当患者だと思うんで。」
夏海先生?
どうしたの。派手に荒れてるみたいだけど。
実は、彼氏にこっぴどく振られて、死のうとしてた。
あのね、男なんかに振られて死のうとしてるんじゃないの!!
ごめん。夏海先生。
その男が麗さんのこと、大きな存在だって知った時、離したくなくなるの
夏海先生、恋人に離さないって言わしめたことあるんだから
一時の感情でそんなこと言う男は馬鹿ね。でいいんだから
「申し訳ない!!」
夏海が切って捨てた。未練があるんなら振るんじゃない!!と




