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二人の争い
突然だった
「亀岡先生、新井有紀さんが救急搬送されました。」
なんで? 有紀さん…。
行くぞ。有紀さんを死なせるな!!
ですが、高岡先生…。
外科の担当医は?
「俺だ。高岡。」
外科 寺島の名札を付けた外科医が顔を出した
致命傷はそれたんだな?
ああ。だが俺には分からん。あの新井刑事が死ぬマネをするとは。
確かにな
出血多量の中、有紀は目を覚ました
(寺島先生、高岡先生…。)
意識、戻りました。
満足にしゃべれる状況ではない
手を伸ばす有紀にその手を受け取る寺島
彼女は泣いている
いったい何があったのか。
救急処置室を去り、高岡はそれが気になっている
「先生、有紀は…。」
黒いスーツの越川が廊下にいた
「君は有紀さんをとことん追いつめたのか!!」
いつもとは違う高岡教授の怒声
「待ってください!! 越川先輩が何をしたんです?」
制止したのは白衣に眼鏡の典紀だ
「いや、高岡先生のいう事にも一理ある。」
僕は先生と先輩が争う場面なんか見たくないです。
私も頭に血が上っていた。済まない




