夏海、有紀の相談を受ける
季節はまだ暑さが残る九月。後輩からは有紀先輩と慕われる一人の女性がいる
黒いパンツスーツの彼女は新井有紀、職業は警察官である
「有紀先輩、疲れてない?」
有紀を気遣う彼女は荘野夏海、黒い髪が似合うかわいらしい精神科医である
「有紀先輩のいとこの片平先生から聞いたんだけど、有紀先輩が無理してるの見てられないみたいだよ。」
夏海さんと言い典紀君と言い、ありがとね。
「私たちは精神科医だから、有紀先輩の心の変化を読み解けるんだと思う。有紀先輩、私と居る時は
心の荷物、おろしていいよ。」
なっちゃん、優しいって言われない?
なっちゃんとは黒いワンピースの夏海の愛称である
私はただ、有紀先輩がくれた恩を返してるだけだよ。
有紀は昔、夏海を助けたことがある
自分の腕を切ろうとした夏海に有紀は彼女を殴った
「なっちゃんが自分の腕を切ることない!!」
でも、生きてることを確認したいだけなんだ…。
何があったかは聞かない。でも死のうとすることだけは有紀先輩、許さない
高校時代だったと思う。夏海はガチで怒ってくれた有紀に敬意を表し、精神科医を目指した。
今現在、荘野夏海と言う精神科医がいるのは彼女の先輩 新井有紀がいるからである
今度は刑事の有紀先輩を助けたい。お酒が入り、饒舌になる有紀を見て、夏海は思う
それは彼も同じである。彼女のいとこ 片平典紀だ
白衣に眼鏡の彼がいるのは帝都医大の精神科医局
(有紀姉さん…。)




