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玉座の間。

猫耳メイドが叫んだあと、すぐさまここに連れてこられて、玉座に腰を下ろすことになった。


見下ろすと、数え切れないほどの魔族がひれ伏していた。


えーと、どうすればいいのかな、この状況は。


私が沈黙していると、玉座の隣に立っていた渋い男性魔族が、魔王様、どうしましたか?と声をかけてきた。


私は本当の事を言おうとして、口噤んだ。この異形たちが埋め尽くす玉座の間で私は人間だと言えばどうなるかという不安がよぎった。


とりあえず私は自分の置かれた状況が知りたくて、こんな嘘をついた。


あの鏡に映っていた姿に相応しい口調を心掛けて慎重に口を開いた。


「すまない。どうやら私は記憶を失っているようだ。あなたの名前すら覚えていない」


「・・・それはその言葉通りに受け止めればよろしいので?それとも私ごときの名前など知ったことではないということですか?」


渋い男性魔族はどこか悲しげな表情で言った。


「言葉通りだ!私には記憶がない!」


そう大きな声で宣言すれば、玉座の間がザワリと揺れ動いた。


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