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ある日、いつも通りに寝て起きたら、違う人物になっていた。いや、正しくは人物じゃなくて、人に似た何かだった。
頭に2本のツノが生えてる。背の高いがっしりとした男性。そう男性。私にあった胸はなく、かわりに下半身にはあった。
え、私は女性だったよね?と目の前にある鏡に言ってみたが、何も答えるはずもなく黙殺された。
私は改めて辺りを見回してみると、豪華で広い寝室が目に映るばかりであった。
ここはどこだろうと首をひねる。私は自分の部屋で寝ていたはずなのに、こんな金持ちの寝室で目を覚ましたら、姿も変わっていた。
そんな不可解な出来事に、茫然と立ち尽くしていると、不意にノックなしでドアが開いた。
部屋に入ってきたのは猫耳生やしたメイドさんだった。
すぐにメイドさんと目が合った。
メイドさんの目が大きく見開いた。
「魔王様が目を覚まされましたー!」
と大きな声で叫んで、どこかへ駆け出して行った。