スキルの選択にご注意を
まだ眠れません。
『……あれ?…ここどこ?俺は確か死んだはず……あ、死後の世界ってやつ?』
体を起こし周りを見る。しかし暗闇が広がるだけでここが何処なのか具体的な検討はつかない。
『やっぱり俺死んだよな。死んでないとおかしいぐらいのリアルさだったからな』
1人でうんうんと頷いているとさっきまで暗闇だったはずの空間が光に染まる。そして目の前「I am God」と書かれたハチマキをした神様?のような人物が机に突っ伏していた。
『…あの〜…神様?』
「……」
『……おーい神様〜』
「……っ」
『……っ?』
「疲れたぁぁぁ〜」
『……おつかれっす』
「ん。労いご苦労〜。ああ、自己紹介面倒いから省略ね。じゃ説明ね。君死亡。転生しよっか。スキル?何がいい?何でもいいよ。ていうか君がこれに書いて。選んだら転生できるから。OK?いいね?いいよね?もう寝る!寝るぞ!うおおおおおお!おやすみ」
神様は寝てしまったようだ。……ってなんだこれ?まあ事情は大凡理解出来たぞ。俺はやはり死んだようだ。そして転生出来ると。そこら辺の説明が無いがスキルが選べるって事はおそらくファンタジー系の世界だろう。そうだろう。そうでなくては困る。細かく聞きたいが神様を無理に起こして何かあったら嫌だし何よりスキルを自分で選べるって?最高じゃないか!!よく転生系のライトノベルは読んでいたが自分でチートな設定を選べるとは夢にも思わなかったぜ!って事で早速えらんでいきましょうか!
そうして神様が渡してきた羊皮紙?のような紙を見てみる。すると攻撃系のスキルから家事系のスキルまで多種多様なスキルがそこには書かれていた。
これは悩む…スキルコピー系に創生系スキルもある。何を選ぼうかか悩んでいるとふと疑問が生じた。
あれ?神様何個まで選べるって言ってたっけ?
……まさかな。そう思い1番上に表記されているスキルを選択してみる。文字が光ったので選択されたようだ。さらにもう一つ選択してみる。選択されたが特に変化は起きない。……そんな分け無いよなあぁ〜。
そう思いながらも次々とスキルを選択していく。そしてどのくらいの時間が経ったか。ついに最後のスキルを選択し終えた。そして変化が一つだけ起きた。頭の中に声が響いた。「あなたが選択した10235個のスキルに選択ミスはありませんか?無いのならば転生を開始します。」
『…………微塵のミスもございません』
マジか?マジなのか?スキル全部貰っちゃうけど良いのか?いや、考えるな。考えたら負けだ!早く!早く転生を!チート過ぎる転生プリーズ!!!
「ではこれより転生を開始します」
すると足先から徐々に体が消えていく。これが終われば転生終了なのだろう。
あぁ……待ってろよ異世界。チートな俺が今行くぜ!
そして彼はこの空間から消滅した。
「白井卓弥の転生を確認。これにより地球の死亡した人間の魂の処理を全て終了しました。」
今日この日1人の童貞が転生した。