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勇者の剣と涙


前回に引き続き・・・・です

 ドサッ


「サラっ!サラっ!」


 遠くで鈍い音がしたとともにサラはうつ伏せになって倒れこんだ


 俺の呼びかけにも応えないサラは動かないままだ


「厄介な奴だ」


 男はそう言ってサラを抱きかかえた時、俺の眼には信じられないモノが映った


 

 背中からどす黒い血を流している少女―――サラ



「まったく・・・あの地下からルラまで連れ出すとは・・・・」


 男はまるでサラを気遣う様子も見せずにドラゴンの背にサラを投げ出した


「・・・・・なにすんだよ」


「・・・なんだお前は」


「聞いてんだ、何してんだお前」


 サラの姿を見た瞬間、俺の中で何かが弾けた


 弾けとんだ


 俺は立ち上がって首にかけていたペンダントを引きちぎった


 許せない


 この感情は抑えられない波になって俺の中を駆け巡った


「サラを返せよ」


「お前には関係ないだろう?大体どうしてルラの背に・・・・お前何処の者だ?」


「かえせって言ってんだよ!」


 俺の手の中で激しくペンダントが光りだした


 禍々しくも光るそれは、俺の心を写したような光が一瞬遠のいて俺の手に重々しい重量感が残る


 俺のペンダントは白い―――銀色の剣に姿を変えていた


 許せない


 俺は強く剣を握って男に飛び掛った


「あぁあああぁあぁああぁあ―――――――」


「うわっやめろ!」



 ザシュッ



「うっ・・・・・」


「はぁっはぁっはぁっ・・・・・・」


 振りかざした剣は運良く男に命中した


 俺の姿に困惑していたのか相手が剣を持っていなかったのが幸いしたのだろう


 息はある、この浅い傷じゃまず死んではいない


 俺は男の無事を確認すると一目散にサラのもとまで駆け寄った


「サラっ!サラっ!しっかりしてよ!」


「ん・・・痛いよマヒロ」


 生きてる


 生きてる


「・・・ちょっ泣いてるのっ?マヒロっ?」


「五月蝿い」


「大丈夫だよ、ちょっと背中切っただけだから――――」


「五月蝿い」


「平気だってば」


 生きてる


 俺はサラが話せるほど元気だということに安心して涙が出ていた


 俺は安心したと共に


 暗い底に置いてきた思い出が甦る恐怖心からだったのかもしれない


 ルラの背に乗った俺とサラは夕焼けの霞む空を北に向かって飛んだ


 このナミダが風に乾くと信じて――――

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