ペンダントの使い方
ほんとすこぉしですが戦闘?シーンを入れてみました
多分大丈夫だとは思いますが、もし苦手な方はご遠慮ください
黒い影が視界を覆った瞬間、サラは勢い良く立ち上がった
この空の上で立ち上がったりしたらいくら慣れている人でも危ないだろう
ルラもこの速度だ、随分飛ばしていると言って良い
マヒロだってさっきから必死になってルラの背にしがみ付いているのだ
マヒロがサラに声をかけようとしたその時、凛とした声でサラは言った
「ルラ、止まれ」
その顔にはさっきまでの笑みはなく、殺気すら感じられるほどだった
その声に怯む様子もなく、ルラは轟音のように大きく吠えてから言われた通りにその場に止まった
俺はサラの変貌に動揺して声ひとつ出すことが出来なくなっていた
今の声は本当にサラだったのだろうか?
さっきまで俺にむかって無邪気に話すサラをもう俺は思い出すことさえできない
このひとはサラだろうか?
俺が言い出そうとした言葉を飲み込んだその瞬間、冷たいような―――背筋の凍るような声が聞こえた
「お待ち下さいサラ様」
「・・・・・用はなんだ、用件だけ済ませて今すぐ帰れ」
いつの間にかルラの集団を取り囲むようにして白いルラとは対照的な黒いルラと良く似た生き物のようなドラゴンに乗った喪服のような黒い服を着た男が三人、俺たちの前に立ちはだかっている
「お帰りくださいサラ様、女王陛下がお待ちです」
「それはあたしじゃなくてミラのほうだろ」
サラは履き捨てるようにそう言ってから腰にかけているものに手をかけた
近くにいた俺にはそれは俺が持っているペンダントに良く似ているものだと分かったが、喪服の三人集は気づかなかったようで話を進めている
「お帰りくださいサラ様、ミラ様は臥せっていらっしゃいますのでお迎え致したまでです」
「あたしには関係ないだろ」
「お帰りください」
「お前が帰ればいいだろ、これ以上イラつかせんな」
サラが言い放ったその刹那、サラは勢い良く空中に向かってペンダントを放り投げた―――その一瞬ペンダントは激しい光を放った
「ちょっサラっ?」
「マヒロはそのまま動かないで良いから」
「サラ――――?」
サラは何故か痛々しいくらいに笑っていた―――
どうしてそんな顔するのか俺にはわからなかった
「どうしてもって言うなら力ずくでつれて帰れば?」
サラは放り投げたペンダントも見ずに右手を伸ばして掴むと構えた
俺は自分の見ていることが信じられなくなった
サラの投げたペンダントは見事な剣に変わっていたのだ
紅い塚に煌く刀のような剣は細く太陽の光を浴びて輝いている
「こいよ、あいつの命令も為しに動けない馬鹿どもが」
サラはそう言うと勢い良くジャンプして小さなルラに飛び乗った
喪服の三人も手に持っていたペンダントを剣に変えて構えているが、サラとは違って少し動揺しているような気がした
「従わないなら無理にでも―――そう命がでております」
真ん中の男がそう言って剣を持ち直す
「ご無礼をお許しください」
その声に感情がまるで入っていないのはマヒロにでもわかった
「あたしより巧くもないくせによくそんなこと言えるね」
ガンッ
激しく金属が重なる音が響く
サラは三人の男を相手に軽々と攻撃を繰り出す
その華奢な身体からは想像も出来ないくらいに鋭い眼つきで相手の懐に入って剣を一振りした
男たちは身のこなしが軽いサラの攻撃を防ぐのが精一杯なようで一瞬、一人に隙が出来た
それをサラは見逃さなかった
サラは勢い良く駆け出して背をかがめると素早く剣を振った
いや、舞ったというほうが正しい気がした
サラはまるで踊るように剣を振った
「ぐっ・・・・」
一人の男が剣を落として倒れこんだ
「とっとといけっての!」
サラは二人目の男の背を剣で押してドラゴンの背から突き落とした
「あと一人は――――」
サラが振り返ろうとしたその瞬間、すでに背後には男が立っていた
「サラ――――!」
俺が叫んだその時
男は勢い良くサラに向かって剣を振り下ろした




