0∮幸福な愚者
手放されたのは
疎ましさと祈りのせい
そう夢想するわたしは愚者
手を取り合うことが出来ないなら
隣に並び歩くことが出来ないなら
傍になんて居ないほうがいいの
それでもあなたの傍に居たい
盲目的なわたしは愚者
あなたの近くは心地良くて
一番近くは居心地悪い
誰もを虜にするくせに
誰も踏み込ませないあなたも愚者
何も知らないふりをして
あなたを見ていられたらいいのに
進展のない毎日に負けた
もうそこにいないわたしは愚者
あなたのいない毎日が
当たり前になりつつあって
あなたの存在を思い出しながら
わたしはあなたの知らないわたしになる
あなたを幸せにしたかった
そう嘯くわたしは愚者
―あなたの自由とは?―