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貸出の檻  作者: メタル
第九章 戦火の夢
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第一節 迎撃の時代

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// 第一節 迎撃の時代

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司令部への巡航ミサイルの到達は、この戦争に残された時間が、もはや多くはないことを示していた。

日本は専守防衛を掲げ、防衛兵器の開発には抜かりがない――そのはずだった。


発明以来、ミサイルは各国軍の主力兵器であり続けてきた。

だがここ数年、急速に発達した防衛システムによってその価値は弱体化し

もはや火縄銃と大差ない旧式兵器へと成り下がっていた。


AIが統合制御する防空コンピュータ。軌道上から監視を続ける衛星群。

それらによって高度に制御された極音速迎撃ミサイル。

巡航ミサイルは、目標へ到達する以前に、その存在そのものが無効化される

――そんな世界だったはずなのだ。


にもかかわらず、それは司令部に届いた。


それは、敵国が保有する兵器の高度なステルス化が、防衛技術を上回り始めていたこと。

そしてそれ以上に、高度な防空網を維持するだけの“体力”が、この国にはもう残されていなかった。

兵器がどれほど高度化しようと、勝敗を決めるのは結局“国力”である。

それが、現在の戦の理だった。


 北方戦線では本土への上陸を許し、激しい地上戦を強いられている。

南方は台湾との連合でなんとか戦線を維持しているが、中国という大国のとめどない物量に

現場の兵士たちは絶望の淵で喘ぐ日々を過ごしていた。


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