古代ローマ人はカフェでお湯をする
古代ローマの所謂カフェでは
お湯か水が提供されていました
外出先では
喉の渇きが癒せる事が
一番だったのと
お湯を飲んでいたのは
季節によって温かいものが
飲みたい時が
あったからでしょう
ハーブと言うものもありましたが
ハーブティーと言うのは
あまり好まれていませんでした
料理にハーブを使うのも
山羊も食わない草を食っている
と言う風に
罵られていたようです
さて そんな欧州大陸に
紅茶が渡るのは
十七世紀に
中国と取引が始まってからのお話です
エチオピアが原産である
珈琲が普及するのは
同じく十七世紀のお話です
どちらも東インド会社による
交易の品でした
カカオが手に入るようになるのは
十六世紀の南米に
欧州人が出入りするようになってからです
総じて古代ローマには
水やお湯を味付けするものが何もないのです
ワインを日常的に飲む習慣もあったそうですが
カフェでは提供してなかったんでしょうね
甘い飲み物なんて言うのは
発想としてあったのだろうか?
当時の甘い食べ物は
蜂蜜と
果物のシロップから作りました
このシロップの作り方が曲者で
果実を鉛の鍋で煮詰めて作るのです
果汁の酸によって
鉛から甘味を感じる成分が溶けだし
果汁は更に甘くなったとか
酸化してしまって酸っぱくなったワインを
鉛の鍋で煮て甘くすると言う方法もありました
このワインを煮詰めたシロップを
サパと呼びます
鉛を酸と化合させて得られる糖分は
「鉛糖」と呼ばれており
白く砂糖に似ていて
毒性があります
定期的に摂取する事により
もれなく鉛中毒になります
鉛中毒には体の様々な部位に害をなす作用と
味覚を著しく鈍くする作用があるので
甘味を求めて鉛の鍋を使用する他
鉛の水道管が配備されていた事も
古代ローマ人の味覚音痴の原因だろうと
言われています
そして国民の重度の鉛中毒が
古代ローマが滅んだ理由の一つと
言われてしまうほどです
砂糖はアラビアやインドから
時々サトウキビが持ち込まれていました
ですが医薬品だと思われていたので
唯の甘味料として
調理に使われることは無かったようです
そんなわけで
古代ローマのカフェでの飲み物は
もっぱら水とお湯でした
味と香りの付いた液体を
当たり前のように飲む生活は
まだまだ先の時代の話なのでした