第6章 バランス型戦略
さて、レンガ重視戦略と鉄重視戦略の2つを説明しましたが、これらのバランス型という物も勿論あります。
レンガ重視戦略で「すべての資源を自力で手に入れられるようになれば、交渉さえ必要ない」というようなことを書いたと思います。そう、バランス型はレンガ重視戦略の発展形です。これは盤面で赤の駒がバランス型に近い配置になっています。道路と開拓地を順当に伸ばせれば、鉄以外はすべて自前で賄えるような配置になっていますね。(一章の盤面を参照)
序盤は交易路と開拓地を伸ばします。この場合に戦略的に重要視するのは、サイコロの数字が良いタイルを取りに行くのではなく「いろんな資源を手に入れられる場所」に開拓地を伸ばしたいという事です。いろんな資源を自立できるようにすれば、状況によって建設するものを選べます。レンガも鉄も手に入るのですから、手札に従って発展させれば良いのです。
レンガが手に入りやすい場であれば最長交易路、鉄が手に入りやすい場であれば最大騎士力を目指し、あわよくば両方のボーナスを手に入れて勝利に近づけます。
そんな簡単にうまく行くのかな?と皆さんはお思いでしょう。実はこの戦略はどちらかというと「3人カタン」の場合に目指す戦略なのです。
4人カタンでは、盤面にプレイヤーの駒がひしめき合っています。交易路を先に引けたかどうかで伸ばしたい場所が取られたり、開拓地の配置によっては最長交易路を初めから捨てなければならない場合もありますし、すべての資源が手に入らない事も多いです。この盤面の場合も、鉄が手に入らない配置になってしまっています。
(但し、赤の下の駒の交易路が下を向いてさえいれば鉄も手に入れられそうでしたね、ここはプレイヤーのプレイミスです)
3人カタンではそれがありません。交易路を引くにしても盤面は余裕があります。ここに伸ばしたいという場所があれば大抵は伸ばせます。3人のプレイヤーが全員、最長交易路を取り合う展開になる事もしばしば。
3人カタンでは4人カタンよりもより序盤の配置後の建設戦略に意味が出る、と言われるのもこの辺りからでしょう。うまくプレイすれば交渉せずともすべての資源を手に入れられる自立プレイが可能です。
といっても、バランス型の基本はレンガ重視戦略の発展系。出遅れないようにレンガと木が手に入るタイルをしっかり確保しなければいけません。鉄は出来るだけ序盤のうちに手に入れられる配置を目指しましょう。4人プレイと違って、3人プレイではどこかのタイミングで鉄タイルに開拓地が置けて手に入るようになります。
但し、欠点ももちろんあります。
まず、全部の資源が手に入るというのは聞こえは良いのですが、すべて中途半端という意味でもあります。バランスよく沢山資源が入って手札は増えたけど、建設出来ない・・・・という事も起こりがちです。木・麦・羊・鉄と手に入るけど、8枚手札のバーストが怖いから取り合えずカードを引く、なんて羽目になりがちです。そうなると都市を建設するタイミングが遅れてしまう事もあります。
この戦略の流れはこうです。
1 最初の配置で次に伸ばしたいタイルをよく考えて開拓地を置く。木とレンガは必須。
2 鉄を手に入れられるタイルに開拓地を伸ばして、すべての資源を自前で出せるようになる。
3 最長交易路か最大騎士力、どちらかやり易い方を目指す。
4 カードも引いて盗賊の配置をけん制しつつ、10点到達。
利点 すべての資源が手に入るので交渉に左右されない。カードも引くので盗賊も怖くない。
欠点 バランスよく入りすぎるといつまでも都市が建設出来ず、カードばかり引く羽目になる。
うまく行けばまさに「ゲームをコントロールした」という実感を得ながら勝利できるバランス型。是非皆さんも目指してみて下さい。