表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/9

第5章 鉄重視戦略

 次に鉄重視戦略を見ていきましょう。盤面では青の駒が鉄重視の配置を取っています。見てわかるように、レンガを捨てて鉄の生産に特化して配置してあります。(一章の盤面を参照)


 この戦略に置いて、レンガは殆ど手に入りません。そのために、序盤に全くと言っていいほど動けません。何せ交易路一本さえ引くのが困難。鉄3枚と麦2枚が手に入って都市の建設が出来るのは大分先です。その間に他のプレイヤーは交易路を伸ばして、開拓地の建設場所をどんどん取っていきます。

 カードを引いて交易路カード(交易路が2本タダで引ける)や発展(好きな資源が2枚手に入る)が引ければ良いのですが、大体は騎士ばかり来てしまい得点(建設)は伸びません。得点が伸びないという事は、資源も手に入りにくいという事。


 序盤は交易路を伸ばす他のプレイヤーを横目に早めに鉄を3枚と麦2枚を手に入れるのが重要。でも数ターンどころか何巡経っても何もできない事も多いでしょう。なんとか都市建設の資源が手に入ったら、鉄と麦が手に入る場所を発展させ、さらに鉄が沢山手に入るようにします。都市を2つ建設したくらいから、急に発展のスピードが上がってきます。安い羊や麦を交渉で手に入れてカードを引き、最大騎士力を手に入れれば6点。


 ところがここで止まってしまいます。レンガが無いと次の開拓地が作れません。開拓地が無ければ都市は建設出来ず、発展は止まってしまいます。しかも都市が2つしかないという事は、ダイスの目が自分の配置したタイル以外ばかり出てしまった場合、殆ど資源が手に入らない事になります。


 仕方ないので貴重な鉄を放出する代わりにレンガを手に入れたいところですが、レンガは大抵の場合最長交易路狙いのプレイヤーがお互いに対抗しあって大量に消費するため余っていません。最悪の場合は鉄を4枚使ってレンガを手に入れる羽目に・・・・・


 しかし、そんな鉄重視戦略の勝利のための重要なポイント、それはもちろんカード!

 山札の半分は騎士だと書きましたが、この騎士を有効に使う事で他のプレイヤーを足止めすることが出来ます。そう、レンガを止めてしまえば良いのです!


 レンガを止めたら自分も建設出来なくなるよ? 交渉してもレンガがもらえないよ? という心配をされる方もいらっしゃると思います。ですが、それよりも他のプレイヤーの建設が進まないことが重要です。手に入りにくいレンガをさらに盗賊で止める事で、レンガグループの行動を阻害しその間に鉄を3枚手に入れる時間を作るのです。ここではこれを資源止めと名付けましょう。


 騎士カードでレンガを止めたら、鉄を3枚麦2枚を目指しましょう。7が出て盗賊が動かされたら次の騎士カードを使ってまたレンガを止めます。相手は鉄が不足していますし、レンガ重視戦略で説明した通りカードを引くより都市を早く作りたいため騎士カードは基本的に持っていません。盤面の盗賊を重要なタイルに置き続けて、ゲームの進行スピードを遅らせます。


 そうしても、この戦略でおそらく4点目(都市二つか都市と開拓地)を得る時間は他のプレイヤーより遅いでしょう。これも実はポイント。発展が遅いイメージを植え付けつつ、トップに盗賊を置く「口実」を作り続けます。自分は開拓地がまだ建設出来ない遅れたプレイヤーだと認識してもらい、盗賊が来ないようにします。自分はカードをこまめに引いて最大騎士力を手に入れます。

 カードを沢山引いていますので得点カードも1点2点手に入る事も多いです。独占カードを引けば相当有利ですし、交易路カードで交易路2本貰えるのもレンガを持っていない鉄重視戦略のプレイヤーには超重要。


 そして中盤以降、レンガ重視戦略のプレイヤーがのどから手が出るほど欲しい鉄を交渉に使い、レンガを手に入れます。交易路2本、開拓地2つを作り、それを都市に出来れば勝利。都市4つ8点と最大騎士力で2点の合計10点に到達!

 


 と、うまく行った場合の事例を書きました。

 読んでいただいたように、鉄重視戦略は後半戦重視の後方から差し切る戦略で、うまく資源が出ない場合は単にへこんだまま終わる事もあります。

 序盤は殆ど建設出来ない事にフラストレーションが貯まりますし、交易路が伸ばしにくいため伸ばしたい方向に相手の開拓地が先に出来てしまい伸びしろが無くなってしまう事もしばしば。

 レンガ重視戦略のプレイヤーが鉄を手に入れる方法を得てしまうと(開拓地が鉄まで伸びる、港を手に入れる等)、交渉が進まなくなり建設が止まってしまいます。


 さらに言うと、最初に手に入る開拓地2つを都市にしてしまった後は次の開拓地までが遠い!貴重なレンガが手に入らないのです。鉄を4枚・麦も4枚潰して木とレンガを手に入れてやっと交易路建設・・・・なんて涙ぐましいプレイも必要です。なにせ交易路が伸ばせないから港も手に入りにくいのです。


 我慢をして後半逆転を狙う戦略は、勝利への方向性をしっかり見ていないとただ辛いだけのプレイになってしまいがち。出来るだけ相手をゆっくりにするために、盗賊による資源抑制はこの戦略には必須です。


 という事で上手くいかないとちょっと辛いこの戦略ですが、都市が動き出すと一気に差し切れる鉄重視戦略は意外と勝率は悪くありません。何故なら、レンガ重視戦略の人は絶対に終盤止まるからです。相手が勝つために喉から手が出るほど欲しい鉄をちらつかせてレンガを上手く手に入れられれば、勝利は近いでしょう。


 この戦略の流れはこうなります。


1 序盤は鉄を貯めて都市を建設。カードを引き、騎士を使って盗賊を動かし「資源止め」をする。

2 2つ目の都市を作ったらカードを引きまくり、最大騎士力を手に入れつつ盗賊の場所を管理。

3 レンガを手に入れ、開拓地を作り、かつ特殊カードや得点カードで稼ぐ。

4 作った開拓地を都市に伸ばして10点に到達


利点 点数が少なく見えるので、盗賊を送られにくい。騎士で盗賊をコントロールできる

欠点 都市を建設するまでは苦しい。交易路を伸ばす力が無いので港も取りにくい。


 このように序盤プレイ的には辛い鉄重視戦略ですが、どうしても選択せざるを得ない場合もあります。この戦略を選択する判断としては


〇 レンガのタイルに良い数字が無く(2,3,11,12など)盗賊での産出抑制が良く効く。

〇 最初の配置の順番が3番目4番目などで、良い数字のレンガタイルに開拓地を置けなかった。

〇 2つの開拓地をつなぐ交易路が他のプレイヤーに分断されていて、最長交易路が望めない


と言った場合に考えてみて下さい。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ