第3章 勝利に必要な資源数
次に、10点を得るために、レンガ・鉄はどれくらい必要なのか見てみましょう。
この場合、少々極端ですがレンガ重視では「鉄は必要最小限しか手に入らなかった」、鉄重視では「レンガは必要最低限しか手に入らなかった」という仮定で数えてみます。
〇 レンガ重視戦略 : レンガが豊富、鉄は必要最低限
開拓地4つ建設、都市2つ建設 交易路6本建設 : レンガ10枚・鉄6枚
ここで交易路6本としたのは、開拓地を最低限4個建設する必要があるため、そこからの逆算です。開拓地を4つ建設とは、初期配置の開拓地2つからさらに4回開拓地を立てた、という事です。知っての通り、カタンでは盤面には開拓地が5つまでしか作れません。+4個、つまり6つ目の開拓地を建設する前に都市を一つ以上作って開拓地を建設出来るようにしなければいけないのです。
もし初期配置の開拓地を交易路でつなげようとすると、さらに交易路は2本必要です。
なので、おそらくレンガは12枚以上は必要でしょう。
さらに、カードをまったく引かない場合でも、最低限で鉄は6枚必要な事が分かります。
〇 鉄重視戦略 : レンガは必要最低限、鉄が豊富
開拓地2つ建設、都市4つ建設・交易路2本建設・カードで騎士3枚 : レンガ4枚 鉄15枚
交易路は最初の交易路が有効活用できたとして2本だけ伸ばす算段。
カードはすべて騎士を引いた場合でかつ3枚で最大騎士を取れたとしています。
注目すべきはレンガと鉄の枚数。レンガたった4枚で勝利に向かうことが出来る一方、鉄は15枚も用意しないといけません。相当な鉄の産出、もしくは港で交換をしなければ勝ちきれない事が分かります。
以上、2つのやや極端な例を上げましたが、これで分かる事は「鉄」の必要枚数の多さです。最長交易路は道を伸ばすだけで自動的に貰えますが、都市を建設していても最大騎士力は貰えません。余分に鉄を投入しなければいけない。
ところが一方、実は鉄重視のプレイでは、レンガを生産・交渉で手に入れられなかったとしても、かろうじて勝つ方法があります。そう、カードによる効果「独占」「発展」「街道建設」のカードによって、レンガ(もしくは交易路)を手に入れられるのです。ですから、この戦略は鉄さえ沢山手に入ればレンガの生産を無視して勝つことが出来ます。何せレンガは4~5枚あれば10点まで到達できるのです。
最長交易路は狙えないと感じたプレイヤーが複数鉄重視戦略に傾くと、鉄の価値は上がり手に入りにくくなります。逆に最長交易路を競っているプレイヤーがいる場合はレンガの価値が高くなります。
という事で、どちらがどれだけ手に入りにくいか、将来的に価値が高くなりそうな資源を盤面から推察し、最初の開拓地配置を決定していく事が重要です。