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アンメットライフ  作者: ¥$終
〜アンメットマネー〜借金返済編
5/54

期待以上

ランダウは悩んでいた。まずはどのくらいから試そうかと。

ある程度嬉しくて失敗してもゲームの進行に影響を及ぼさない金額。

ゲーム内の4千ガロをやってみよう。決めたらすぐに決済をした。


「おぅ!ホントに出てきた銅貨4枚で4百ガロか……。でもこれ日本だと犯罪だよな」


※お金の偽造はどこの国でも犯罪です。


それに宿代だけで毎日ゲーム内で4万ガロを稼ぐのは現状きつい。

ずっとゲームをやってればすぐ稼げるけど生活の為となったら楽しめない。

ちょっとした小遣い稼ぎに思うか……。そこまで考えて割り切ってゲームを再開しようとした時ランダウは閃いた。


(あくまでも10:1というだけでお金に限定してないよな?対象ガロと書かれていたんだし)


そこでランダウは倉庫を見ながらこっちで使い勝手が良さそうで、嵩張らないで在庫がある物を厳選した。

まずは体力回復効果のある食べ物にしようと決める。材料も安く簡単に作れるクッキーだ。


(ぃよっし!出てきた。しかもめっちゃ美味い♪やっぱり食事は大切だよな……。自分と家族だけでも改善してくか)


その後はロングソードにナイフ、アクセサリー、腐りにくそうな料理と変換していった。

最後に変換したのはSTR(筋力)とVIT(体力)アップ等が出来る複数の装飾品。溢れてありふれた鉄鉱石で作れれて、見た目オシャレなのもポイントが高い。

銅も在庫はいっぱいあるけど見た目がダサいので却下。


(体力のアイアンネックレスよ出てこい!)


思ったより軽くしっかりとした出来もさることながら、想像通りに成功したことが嬉しくてたまらない。

これならゲームで余った物を露店で売ってもいいな。と更に心の中での喜ぶ。

そしてプレイヤー近くにいるモンスターを殲滅してから使うと襲われなくなる、使い捨てテントを出せば宿代もかからないし、武器も買わなくて済む。

そして色々と余っていたアイテムを変換させた。


(魔空虚の容量は90Lの冷蔵庫くらいと判明、体積次第だから調子に乗ってあれこれ変換するのは危ない。毎日魔力を送ってるけど成長してるか微妙だし、魔力で決まってて、もしかしたらこれがMAXかもしれない。それに日本と比べたらアレだけど胡椒があるのが痛いなぁ……。そうじゃなかったらいくらでも稼げたのに。塩は高いけど逆にゲーム名はないし……)


浮かれっぱなしのランダウがゲームをしながら取り出すアイテムを決めている中、2つ隣の部屋も盛り上がっていた。

それは先程お礼を言いに来た緑の髪でショートカット、体型は普通の少女ドロシーだ。

彼女は13歳でランダウの3つ上。幼馴染で同い年の2人と共にパーティーを組んでいて、夢見がちで少し潔癖なきらいがある。


「ちょっと僕的には気障っぽいかな。やっぱり男は強くて頼りにならないとときめかないかな?」


「私の幼馴染は野生動物なのよ〜。そしてそれで惚れるとかドロシーに今まで告白した男は哀れなのよ」


僕っ娘で少し否定的な意見を言う彼女はピンクの髪でポニーテール。小柄で、スレンダーと言うには少年のような身体のロザリンド。通称ロザリー。

もう一人の彼女は金髪ロングヘアで13歳とは思えない肉感のある体型をしている。軽口を言って友達の反応を楽しむバーバラだ。

3人は借金を返して7級まで上がったらパーティー名をミスリルの誓いと名乗ろうと決めている。


「違うって、ただちょっと見直したし気遣いが凄くて頼りがいがあるなって!」


「顔が真っ赤なのは触れないでおこっかな」


「で、ドロシーは明日その王子様に甘えて偶然バッタリ森で出逢ってキャッキャうふふなのよ」


「そんなこと言うなら2人には料理作ってあげない!」


「それはちょっと酷いかな!」


「そんなことしてるのバレたら王子様にがっかりされると思うのよ」


それぞれ思い思いの夜が更けていく。

朝になり、部屋で柔らかいクリームパンと牛乳を飲み宿の外へと出る。

後ろから楽しげな3人が付いてくるけど気が付かない振り。

鉄製のロングソードに単眼鏡と複数の指輪とグローブを変換して活用することにした。


(ゲームだとアクセサリーには装備効果があるけど、こっちだとどうだろう。そして効果があるなら複数着けても意味があるか調べたい)


森付近まで来た時点でアクセサリーの効果は分かった。

少なくとも歩く速さと疲れ具合が昨日と全然違ったのだから。

これで少なくともSTRとVITの効果は出ていてると確信する。だがこれはAGIも上がったおかげであることは本人は知らない。

他にもちゃっかりとMGAとDEXを上げている。


現時点で作れるのは金やチタンだが、性能に振り回されたり、頼りすぎない為に最高でも銀までと決めた。

チタンより上の金属はストーリーを進めないと手に入らない。


「後衛の僕的には彼の移動は早いかな」


「ううん。私も結構キツかったわ」


ロザリンドとドロシーは汗を拭きながらも会話をする余裕はある。

けれどバーバラはゼイゼイと肩で息をしていることに気が付いたランダウは辺りを見回し、白々しい演技を始めた。


「疲れたしここで休憩でもしよっかな。おお!丁度ここに昨日スモールウルフの肉鍋に使ったニリンソウがあるぞ!」


ランダウは保存方法や乾かすのには天日干しが1番良いこと、似た見た目の毒草トリカブトの見分け方を大きな声で一人言を話してる。

3人は大事な情報を聞き漏らさない為に近づきしっかりと目でも確認した。


「ドロシーの王子様は気障じゃなくてお人好しなんだ。僕的に勘違いしてたかな」


「ちょ!聞こえるって!」


「頭の良いのは私もアリなのよ〜」


「えっ?!」


「奪ったりしないのよ〜」


(全部聞こえてるって……。悪い気はしないけどこんな美少女パーティーと仲良くしてたら余計ハブが酷くなる)


昨日の夜、農場で収穫した果物を元にフルーツジュースを作ることにしたランダウ。

マジカルファームでは素材のランクとスキルレベルに応じて品質に補正がかかったり、制作個数が増えたりといった具合だ。

中品質まではレベルで固定値の補正がかかり、高品質以上は割合で補正がかかる。

そのせいで序盤に高品質の物が出来ると、中品質より効果が良くないという現象が起こることも。


その他魔物を倒した時にドロップする素材を使って補正力を上げたり出来て、品質は上からマジカル、超高品質、高品質、中品質、無印、低品質、粗悪品、ゴミの7つ。


低品質からは効果が下がり、粗悪品とゴミはマイナス補正がかなりかかってしまい、売価も下がるし、飲んだらダメージを受ける回復アイテムになったりするのでメリットは特にない。


ゲームを開き、調理スキルと10:1を操作。中品質で作り、スキルレベルによる補正は数量補正にした。そしてそれを魔空虚内に変換してそれぞれ手渡す。

3人共遠慮しているが、自分1人でこんな飲んだらお腹を壊しちゃうと言って押し付けるランダウ。


「こんなの美味しいの僕的に飲んだことないかな!もしかして君は貴族かな?」


「体中に染み渡るわ」


「疲れが吹き飛んだのよ〜」


ロウフリアにポーションはあるが、マジカルファームには無い。

代わりに食事で体力やスタミナやMPを回復させる仕様だ。

もしかしたらジュースで怪我も治せるかもと実験しなきゃいけない事が増えたと喜ぶ。


女性3人がワイワイと話してる間に魔空虚から単眼鏡を取り出し性能確認をし始める。

ゲーム内では予めセットしたモンスターや採取物が自分が向いてる方向で、一定距離内に存在するかを確かめるアイテムだ。

遠くまで見れるし、念じた物が矢印で示され名前表示もされてるので内心ガッツポーズ。

(これはオーバーテクノロジー過ぎるな。世に出せない)


「むっ!向こうからゴブリン発見かな!」


「ロザリーの索敵は相変わらず凄いね!」


「その筒で遊んでないで戦闘準備したほうがいいのよ〜」


ロザリー達が見てる方向はランダウが見ている方向でもある。

それなのに気が付かない自分に疑問を抱きながらも初日から使ってる相棒の剣を抜き構えた。

1匹なら楽勝だろう。その予想通りに戦闘は終わった。

(ロザリーと呼ばれた女の子の弓は中々上手かったし、金髪巨乳の魔法は俺のずっと上で、サイテー女の槍さばきは正直カッコよかった)


「流石だね!ゴブリンは初めて見るけどこんなにあっさりと倒すなんて」


「僕的には肩慣らし程度かな」


「なのよ〜」


討伐証明の耳を剥ぎ取りした後は4人で狩りや採取を始めた。

誰にも邪魔もされず複数人での狩りは今までに無いくらいの最大効率だった。


それはミスリルの誓いも同じ事である。

ランダウが単眼鏡を使いモンスターや薬草を効率よく見つけて目的地に向かう。

獲物を探すのと討伐部位や売れる部位の採取に時間がかかっていたのに、それが大幅に短縮されたのだから。


(このシルバーナイフの切れ味超やべぇ。生き物の肉をなんの抵抗も無くはぎ取れるし、単眼鏡は使用者が未知の物は視認出来ないとかピーキーな性能だけどそれを補って凄い索敵能力じゃん)


ゲーム内のアイテム性能に舌を巻きながらも1度断ったパーティーをどうにか組めないか思案する。

それは向こうも同じで4人で稼いでいきたいけど昨日断られたばっかりだしと躊躇している。


(取り敢えずナイフの手入れして仕舞うか。これ錆びたらって勝手に汚れ落ちてる!?)


ランダウの驚きは更に止まらない。何故なら勝手にゲームが起動してメッセージが表示される。


『シルバーナイフをゲーム内に戻しますか?10:1の等価です』


つまりシルバーナイフ10本でゲームに戻せるってことかと考えるもすぐさま否定する。何故なら手持ちには1本しかないのだから。

戻すを選択すると手にあるナイフは消えてゲームのインベントリにシルバーナイフが10個増えた。


(これやべえぞ!汚れないって事は自動再生?壊れないの?なんにしたって一手間必要だけど魔空虚圧迫しないし最強じゃん)

これで書き溜めは終わりました。

出来たらすぐに上げるので見直しはしますが、誤字脱字増えるかと思います。

ここまで読んで頂きありがとうございます。

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