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アンメットライフ  作者: ¥$終
〜アンメットエッジュケイションー〜教え教えられ編
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実験開始

ダンジョンについて話し終わったレンゲは、これ以上ビーグと離れたらうちおかしくなると部屋をフラフラと出ていった。

その後も4人でキンテのダンジョンについて語っているとバーバラが思い付きで試したい事が出来たと相談する。


「ダウの言う通りキンテの街全体がダンジョンへと変わってるなら家も全部モンスターか壁の一部なのよ〜」


「家を壊そうとしたら襲って来るかもね」


その可能性は考えてなかったなとドロシーを褒めるランダウ。


「街全体がダンジョンなら、地面とか掘れば魔核用意しなくても魔道具作りに使えるかもなのよ〜」


魔道具は素材に魔力が行き渡るように回路を刻み、魔法をイメージして魔力を流して魔核に覚えさせる。

それをそもそも魔力が通る素材だけで作ったり、魔核の代わりに一般のダンジョンの壁より柔らかそうなキンテのダンジョンと思わしき街の一部を壊せば安上がりだし大量に手に入れやすい。


「ダンジョンの壁なのかモンスターなのかの判断は俺にやらせて欲しいんだけどいい?」


「いいのよ〜。その場で分かるならなお良しなのよぉ。ダウしゅ、ごほん!なのよ〜」


「壁をどのくらい壊せるかも分かんないし、とりあえず手持ちの魔核で魔道具作りしてみない?」


ランダウはそう言って魔空庫から100を超える魔核を取り出した。

スライムのだったりマジカルファームでの変換だったりとコツコツと溜めた物であり、彼自身も魔道具作りに興味があったので在庫はまだある。


『私が用意した分は使わねーんですか?』


(タエコが用意したのは俺だけが使いたいの。バーバラには俺が用意したのを使ってほしいし)


その言葉を聞いたタエコは早速魔力結晶と金属を集めにゲームをしたいと要求し、せっせと発掘ポイント巡りに勤しんだ。


「魔道具作るのは分かったけどどんなの作るのかな?」


「目標はあるけど初めは火か水が出るのだけを作るのよ〜」


「そうなの?それだと凄いの作れないんじゃないの?」


ドロシーの疑問にバーバラは、魔道具が何故効果に差が出るのか、既存の作り方以外でも作れないか、その場合の効果は低いのか高いのか、それ等を確認して改良していくのが先だと話す。


「あのたこ焼き器は十分凄くないかな?」


「あれは魔法で電気を流したら金属が熱くなるようにしただけで魔道具とは言えないのよ〜。ダウの言葉を借りるならデンカ製品なのよ〜」


「効果に差が出るのか試したいから同じのを作らないと実験出来ないってことね」


「それだったら水が出る魔道具にしない?試すのに火だと家の中は危ないからさ。水ならどの部屋にもシンクあるし、予定より多く水が出るなら風呂場で試そうよ」


ランダウの提案は特に問題の無い物であった。外で試すにしても近くには農作物があるので、かなり離れないと火の魔道具は試しにくい。

ライターの火を出すつもりで火炎放射器レベルのを作って俺なにかやっちゃいましたはシャレにならないとの判断だ。

ただランダウは気が付いていなかった。理性で抑えてるとは言えバーバラが今は頭のネジが飛んだロザリンド状態なのを……。


「分かったのよ〜。私の月経が始まったその日に一緒にお風呂入ろうだなんて嬉しいのよ〜」


「バーバラ!何ロザってるのよ!落ち着いて」


「落ち着いてるのよ〜。ダウがアレンに教えてるのを見てたら胸が痛くなって、それで月経が始まってダウからお風呂行こうって言ったから私ロザリーとは違うのよ」


『ダーリン!1回部屋から出やがって下さい!』


(そうだね!)


部屋から出たランダウは体育座りをして事態が落ち着くのを待つだけ。


(ロザリンドやバーバラの変わりようってなんか不自然じゃない?本当にマジカルファームの能力とか関係してないよね?)


『絶対とは言えねーですけどドロシーが言ってるロザった状態は他の人もいやがりましたし、多分関係ねーです』


(へぇ、俺が気が付いていないだけであんな風になるカップルもいたんだ)


『ダーリンがベルズとニリンソウの料理を作った時にあげた4人組のリア充パーティは普通に野外で』(そういうのボカしてって!俺もしかしたらランダウになってから下ネタ苦手になったかも……)


『分かったでやがります。おそらくは生命の危機が日本と……、地球の大体の地域と比べても高いでやがりますし、それに加えて冒険者は特に他の人と比べて魔力のやり取りをしてやがりますから、それがフェロモンの代わりになって、相性がいい相手に何かのスイッチが入るとあーなるんじゃねーですかね』


タエコはゲームをしながら話している。魔力結晶集めではなくダンジョンへ行きひたすら魔物を狩り続けながら。


(ねえ、もしかして何か怒ってない?)


『別に、でやがります。私はダーリンにあーならねーで悔しいとか、ダーリンも私にそうなってねーでやがるとか、そう言えばこの身体は月の物来ないなとか、あの創造主はキチンとそういうことしてるのかとか不安になってねーですしー』


(……。ねえ、今日の夜はたまに俺に耳かきさせてよ)


『何言ってやがりまふか!アレです!!私の誰にも触られたことない乙女の小さな穴にダーリンが棒を抜き差しして気持ちよくさせたいんですか?この変態ダーリン!』


(うん、そうだよ。俺タエコにしてもらって不安とかあっても幸せな気持ちなるからタエコにもって)


『膝枕は可でやがりますか?』


(勿論)

「お待たせなのよぉ……。さっきのはちょっと忘れてほしいのよぉ」


ドアが開くと恥ずかしそうなバーバラが顔を出してランダウを招き入れる。

テーブルには魔核と金属や木材等が並べられていた。

金属に回路を刻むのは本来労力がかかるのだが、ランダウが普段から剥ぎ取り用に使っているシルバーナイフを使えば割と簡単に済む。


「本当に私達もやっていいの?」


「当然なのよ〜。同じ素材、同じ回路に同じイメージで魔力による差を確かめるのよ〜」


鉄のインゴットを厚めの板に加工し、フィーネで使われている文字で魔力を流しながら水よ出ろと各々が書き込む。

水のイメージはこの部屋に付いている蛇口を全開にした量で統一。

それが終わったら魔核を金属板に乗せて金属性の魔法で魔核を格子状に囲った。


完成したのを順番に試していく。この中で水の適正が1番低いロザリンドは全開の6割程度、次点のドロシーは7割程度。

ランダウとバーバラはほぼ同量の全開であった。


「以外ね、てっきり2人の事だから物凄い量の水が出るかと思ったのに」


「これは初めにしたら良い結果なのよ〜。強い魔力を込めてもイメージ以上の出力がないってことは安定したモノ作りの一歩なのよ」


次に試したのは作った人と使う人を変えてみて使うことに。まずはロザリンドのから。

3人が使っても効果に変化はない。

次のドロシーが作ったのも他の3人が使っても変化がなかった。

問題はランダウが作ったのからであった。


「即発動じゃないわね」


「ドロシーより僕の方が水が出るの少し遅かったかな?」


「けど水の量は変わらないと……」


「私はすぐに出たのよ〜」


実験結果をメモをして頷き、皆がバーバラの魔道具をする前に1つの予想を立てた。

それはランダウ、ドロシー、ロザリンドの順に発動が遅くなるというものである。


『多分そうでやがりますね』


「タエコもそう思うってさ」


「なのよ〜♪」


実際に予想通りになったので、どうしてこうなったかを議論してはやり方を変えてはその実験結果を書いていく。

これを何度も繰り返し、同じ魔道具でも日を跨いだらどうか?家族や子供達では結果は変わるのかを10日かけて試した。


「これが最後の魔核ね」


「僕もうここ1週間で一生分の水って文字書いたかな……」


「予想が間違ってなかったらこれは皆同じ量の水が出て、誰が使っても即発動なのよぉ」


いざ使ってみるとロザリンドのは8割程度、ドロシーのは全開よりは少し物足りない位まで水量が上がった。

そしてランダウとバーバラの魔道具は他の2人が使っても即発動し、水量も問題なかった。


「のよ〜♪これが何度やっても均一化出来れば大発見なのよ〜♪」


「ねね、僕にも分かるように説明してくれないかな?」


「最後の魔道具はさ、ロザリーとドロシーは鉄板に大きく文字を書いたじゃん?俺とバーバラは小さく」


「そうね、文字の大きさを変えたら私達のが増えるのはわかるんだけど……」


バーバラの喜びの歌と踊りをBGMにしながら今回の知り得た情報を掻い摘んで話していく。

まずは自分とバーバラが作ったのが発動が遅いのからだ。


「どうしてそうなるかは分からないから全部仮定なんだけど、きっと10でいい魔力を15入れたら15未満の人はラグが出る。書き込んだ回路の大きさとと流す魔力が望んだ結果に対して大きかったせいだと思う。それを変えるには流す魔力を少なくする、出る水の量を増やすイメージにしたらすぐに解決する」


「なんでそれをしなかったの?」


「それをするから1個1個手作りした時に差が出るんだよ。魔力の強さと量なんて正確な数字で表せないんだから。だから魔力は普通に流しつつ、他のを変える手段を取ったんだ」


「それには意味があるのかな?」


「勿論♪数字では表せないけど、大体はランクで分けられてるよね?俺含めて皆の魔力はきっと上がってるけど、例えばDの俺がこれをイメージして、この位の回路を刻んで、全力で魔力を流すとこうなるって分かれば魔力を調整する必要ないんだ。似た魔力の人に同じことやらせたら同じ結果になる。そうすると魔道具の量産がしやすくなるし、今まで出来なかった事が出来るかもしれない。」


「おー、うんうんそうなんだやっぱりなるほどなるほどかな」


「絶対分かってないでしょ……」


「バーバラとレンゲさんが作った10度位の風が出る魔道具を詳しい科学知識が無くても、バーバラと同じ魔力の人が実際にその魔道具を体験したら同じのを作れるかもしれないんだ」


「全ての現象には原因や仕組みがあって、それを解明して誰でも同じように出来るのが科学的思考なのよ〜♪」


喜びの表現が終わったバーバラが会話に加わり、今の状態だけで魔道具を作って売るだけで暮らしていけると皆に話した。

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