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アンメットライフ  作者: ¥$終
〜アンメットマネー〜借金返済編
16/54

夢と思い出

『3人共張り切っていやがりましたね』


「そりゃあ初心者を抜けたとは言え、7級なったばかりで護衛だもん。料理と売り子はドロシーとバーバラがやればいいし、ロザリーは声出しとか?」


『ホラ!手が止まってやがりますよ!それと10級が7級相手に上から目線とは滑稽でやがります』


「話しかけてきたのはタエコじゃんか……。それにそろそろ9級だし」


『折角借金返すのに丁度いいお金持っていやがるのに、「僕は人生で課金したことがないんだ。キリッ」とか、テレビ見ない自慢と、寝てない自慢に次ぐどうでもいいこと仰っしゃりやがったんですから今晩中に借金返すくらい進めやがれって感じですマスター』


マジカルファーム本来のお金はペニーであり、イザと言うときにお金だけでも隠しておけるためや、能力制御の手助けになると思い、神が細工をしたものである。

その手助けを課金っぽいからと一蹴されたのは浮かばれないであろう。


「そういえばさ、バーバラって勉強の飲み込み凄い早いけど転生者だったりして。4次元に通じてるとかいきなり言い出してビックリしたよ」


『可能性としてはありえやがりますね。マスターは覚えてねーでしょーが、ここだろうと地球でもどこでも全ての生き物のうち、4割から6割は転生でやがります』


「全ての生き物!?それは嘘でしょ?」


『転生はヒトの特権じゃねーです。前世が虫の魚だったり、象から猪だったりと様々でやがりますよ。同じ世界でするか、異世界でやがるかもまた別の話でやがります』


こうしてランダウは、朝は開始の朝6時から開店の9時までは農業をこなして、5時までは人を雇わずに店舗経営。

そして5時に閉店した後は、脇目も振らずダンジョンへ向かい売れるアイテムを集めるという日々を過ごしてる。


「ああ、アリーと話してないから好感度が下がってくぅ」


『下がってもどうせちょっとです。それに明日多少の寝不足はフォローしてやがりますから……、その今拾ったレシピから作れるリサイクルボックスはどんなアイテムでやがりますか?』


「創作系でたまになる失敗作のゴミや、釣りで長靴とか売っても0ペニー……じゃなくて0ガロになるアイテムをランダムで素材アイテムに変えるやつだよ」


『つまりは創作と金策用でやがりますね。丁度いい能力も開放されやがりました。ゴミ箱共有です。あとクリガラと良質な材木は高そうなのに売りやがりませんか?』


「それってこっちのゴミを向こうに押し付けるってこと?それはちょっと……。その2つは絶対に後で大量に使うから。家の新築やら改装に修繕とかさ。ちなみにクリガラの説明ってガラスのようなクリスタルのような金属のようなで面白いんだよね」


『ゴミだけじゃなく、使えるのを入れやがるんですよ。それに消滅するので気にしなくてもいいです。そうすれば向こうも発展しやがりますし、両世界を行き来させやがれば能力の安定に繋がるってことです。あとマスターには笑いのセンスが無いことがわかりました』


「なるほど、使わなくなったりしたやつはそうする」


『そのうちゲーム内にどんな物でも送れるようになりやがりますよ』


「まじで?」


『3:1になるか、自由にアイテムを行き来出来るようになるのが先かって感じでやがります。私の創造主は1:1になるまでは難しくする代わりに、他の能力は早めに出来るように細工してやがります』


実際にランダウの力が暴走すれぱ、無制限に物が行き来するだけでなく、異世界そのものがランダウに引き寄せられるように、世界同士がぶつかり壊れてしまう可能性すらあった。

なので楽しく制御しながら、一定の距離を保つためにマジカルファーム4を土台にした扉を作ったのだ。


『あっ、その無駄に一杯ある消費アイテム売ったらどうでやがりますか?』


「これはダメ。お気に入りだし、安いから対して意味ないよ」


『使わねーのにお気に入りとはこれいかに』


「これって毒消し薬の素材になるディミルの実なんだけど、外敵から身を守る為に毒草近くに生えて毒の成分を吸収するんだ。けど周りの毒物を吸収したらそのうち毒草がなくなるし、成長しきったディルミの実は水と合わせて調合したら毒への薬になるとかっていう本末転倒さがなんかドジっ娘みたいでかわいいじゃないか」


『そーでやがりますか。……、……。あっ!いけねーでやがります!間違って全アイテム海に投げちまいましたー』


『ボストン茶会事件か!!それもうドジっ娘っていうか大事故だよ!!』


『35点でやがります』


「厳しいぃ。……、ちなみに本当にやってないよね?」


『マスターの態度次第でやがります』


「頑張って借金を返すよぉ」


こうして深夜3時過ぎまで、ランダウが眠らないように会話を続けながらゲーム内の借金を返していった。

時にはゲームで出来ることが増えたり、アイテムや魔物だけでなく、ステータスも変換出来るようにもなったが、それをやらないと死ぬような状況以外はしないことにした。


『借金もあと少しでやがります。そう言えばお酒について語ってるマスターは、これぞお酒覚えたてのいきり大学生って感じで素晴らしかったですね』


「絶対に褒めてないでしょそれ」


『実家でビールが出来たら飲みに行きやがるんですか?』


「折角だし、男の夢っていうか、ロマンを優先しようかなって」


『酒にロマンもロマネスコもロマネ・コンティもありやがりません』


「いや、ロマネ・コンティはあるでしょ。美少女3人も彼女になってくれたんだからさ、葡萄を踏んで作って貰ったワインとか、口噛み酒を飲みたいんだよ。作ってる様なんて絶景だよ」


『うっわ、マジきめえ』


「タエコさん??」


『葡萄が勿体ないとか言って足に付いたのを舐めとったりしやがるつもりでやがりますね?そして私のことも身体目的だったんでやがりますね!このケダモノマスター!』


「いやいや、そこまではしないけど……って身体あるの?」


『ほら食いつきやがりました!ちなみに12頭身なスタイルで、顔の3分の1程のキラキラで大きなお目々で、雪よりも真っ白な肌に真っ赤な唇、細くすらっとしてるのに柔らかそうな脚の長さは身体全体の7割という神秘でやがります』


「それよくある加工し過ぎて神秘どころか不気味の谷を通り越してる画像だよね?」


『誰が空間魔法の使い手で水素水の代名詞でやがりますか!』


『若造が随分と頑張ったもんさ。これで晴れてあの店と土地はお前のもんさね。お祝いにこれをやるよ』


「ほら、やっと借金返せたよって、いきなりアンロックしまくりじゃないか。まずは5刻みで貰えるスキルレベルボーナスに全キャラフルボイスって、男キャラだけVRasmrじゃないようにできないかな?あと農場の土地も数倍に広くなったし、会話中だからメモ機能が使えない!?簡易収納箱のレシピゲットは覚えた!!」


『一応私はそこらの記憶力と一線を画しているので気が向いたら教えて上げやがります。取り敢えずマスターの変態さはこの際保留にしといてあげやがるので、この動物屋とか魔法屋とかの説明しやがって下さい。あと、なんでマスターの店が大きくなっただけなのに周りの店もグレードアップしやがってますか?』


「動物屋は畜産用だよ。これもある意味恒例なんだけど、今まではチュートリアル終わればすぐ出来たのに……。小屋とか作るのに丸太から出来る木材が必要になるぞぉ♪魔法屋は鉱石からたまに採れる魔結晶を集めて魔法と交換してくれるんだ。グレードアップは仕様としか言えないよ」


実際にマジカルファーム4は借金を返すまでがチュートリアルのような物で、早ければ1年目。遅くても2年の最後には返せてるだろうと開発者の予定であった。


ランダウが言い訳をしてた通り、大量のアイテムを売らずに現実に変換していたからこそここまで時間がかかったのだ。


『魔結晶は採れたことありやがりませんよ?それに魔法はもう使えてやがりますよね?回復と、各属性の攻撃のやつを』


「魔法屋が開放されないと採れない仕様なんだよ。魔法はレベルで覚えるの他にも農場に一瞬で戻れる便利魔法とか、同じのを集めて魔法を強化出来るんだ。後はプレゼントしたら喜ぶキャラがそれなりに多いって、スキルレベルが軒並み一気に上がった!どれだけ経験値溜まってたんだよ……。ボーナス選ぶの大変だなぁ♪」


そうして一通り終わったらランダウの意識は途切れる。10歳の身体で徹夜は堪えたようだ。

タエコがゲームウインドウを消すと、本人達しか見えていない光も消えて、部屋は真っ暗になった。


『ったく。世話が焼けすぎて大火傷しそうでやがります。これで私が協力出来ることも増えましたし急かすのは終わりにしといてやります。私の夢はマスターと一緒にこのゲームすることでやがりますからね』


こうして1人ごちた後に、これからの予定を立てながらも初めて関浩二を知った日を思い出す。

それは自分の創造主たる神に呼ばれた時だ。


『あの引き裂かれた少年がどうかしやがりましたか?』


「説明は彼や地球とロウフリアの知識と一緒に送るからサポートしてほしい」


※※※


「一応性別は女性にはしてるけど名前すらないんだ。だから関君、君が決めてくれないか?」


「えっと……。スクリーンで奇妙な話し方をする子だから妙子たえこで……」


『なんでやがりますかそのシワシワネームは?!って仕方ないでやがりますね。どうせあっちではここの記憶も残ってないでやがりますからね。次はマトモなのお願いしやがります』


「はっはっは。どんな知識を与えたかは知ってるからね。愉快愉快」


※※※


「浩二ってさ、ホンっと珍妙なの好きだよな。漫画でもゲームでも女でもさ」


「本人いないとこで悪口は感心しないぞ?」


「いやいや、客観的事実っしょ」


「つーか本人にそれ言ったらさ、妙ってのは匠の極み、最高に優れてる、美の極みって意味だからとか言い訳してたし」


「妙なの好きは自覚はしてんのね」


「変な女とは友達として仲良くなれても、付き合えないのがアイツらしいってとこでもあんだけどな」


「流石地元からの幼馴染。その話詳しく」


「失恋の話は本人いないと可哀想だし、その代わり食いもんの変な癖と、なんでカラオケ誘っても来ないか教えてやるよ」


「そうだよ将司と太一としか行かねーもんなアイツ。音痴だから〜って、そんなの俺等気にしねーのに」


※※※


『つまりは私のことを最高だと思って付けてくれた名前でやがりますね。しかも2回も。これはプロポーズとして受け取ってもいいでやがりますね』

これで1章終わりです。

駆け足気味で進めたので、次からはゆったりとしてくつもりです。

ブックマークありがとうございます。


余談ですがボストン茶会事件の覚え方は。いーな、波(1773年)に向かって投げろボストン茶会事件。自由に(12月)重力(16日)逆らってで覚えました。

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