父と子
研究所の人が無理やりに宇宙人を連れていったため玄関や階段は泥だらけだった。
母さんは力なくうずくまり涙を流した。
「あの子は愛よ。私にはわかる。母親だもの。」
「お兄ちゃんたすけて。」
あいつの言葉が頭を駆け巡る。
妹じゃないはずなのに、妹の声で。
「俺、いってくるよ。」
兄貴だから。
とっさにそう思った。
(何でだろうなにか思い出した気がする)
(あいつが連れていかれたのはやっぱりあそこしかない。)
僕はまたしても父の仕事場である宇宙開発研究所へと走りだした。
研究所に着いたのはもう日も暮れ夜だった。
警備員だけではなく見慣れない警官たちも沢山いて物々しい雰囲気だった。
僕は少し躊躇したが正面から行くことにした。
門まで行くと警備の男達に囲まれてしまった。
「星野ヒロと申します。星野宗一郎の息子です。通してください。」
「ただ今緊急閉鎖を行っているため誰も立ち入る事はできません。
お引き取りください。」
僕が父の名を出しても緊急だと話しても警備員達は通してくれなかった。
「父さん、父さんいるんだろ?」
「なんなんだ君は。」
どうしても通してくれない警備の達にイライラした僕は力ずくで門を越えようとしたが勉強ばっかりして文系の僕はすぐに警備員に取り押さえられた。
「はなせ、僕は父さんに話があるんだ。」
僕がもがいていると門の上に備え付けてあるスピーカーから父さんの声が聞こえてきた。
「通していい。離してやれ」
「エレベーターで六階にあがってこい。」
僕はは警備員の手を振り払うと門を通してもらった。
言われるがままエレベーターに乗り。
六階につき扉が開く。
「父さん、」
「ヒロ久しぶりだな。」
扉が開くと父さんが立っていた。
「あいつは?どこ?」
久しぶりに父さんに会ったと言うのに僕は挨拶もせずに話をきりだした。
父さんはふぅとため息をついて。ついてこいといった。