表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【揺花草子。】(日刊版:2018年)  作者: 篠木雪平
2018年12月
338/365

【揺花草子。】<その2503:一説。>

 【揺花草子。】<その2503:一説。>


 Bさん「そろそろ来年の話をして鬼たちから笑われてみようかな。」

 Aさん「鬼たちに笑われるところまでセットなの?」

 Cさん「来年は書籍化も控えてるしね。」

 Aさん「さらっといい加減な事を言わないでくれませんかね・・・。」

 Bさん「この『来年の話をすると鬼が笑う』と言う慣用句ですが。」

 Aさん「はぁ・・・。

     ぼくらはこれまでも幾度か採り上げて来たよね。」

 Bさん「そう、その通り。

     でもぼくらは重要な観点を見落としていた。」

 Aさん「重要な観点?」

 Bさん「ぼくらはこの『鬼が笑う』と言うのをさ、

     『鬼に馬鹿にされる』とか『嘲笑される』と言う事だと言う前提で

     話して来ていたじゃない。」

 Aさん「え、それは・・・確かに。

     と言うかそう言う意味だろ・・・?」

 Cさん「果たしてそれは本当にそうなのかしら。

     一口に『笑う』と言っても、その意味合いは様々だわ。」

 Aさん「まぁ・・・。」

 Bさん「例えば阿部さんはどんな時に笑いますか?」

 Aさん「えっ・・・そりゃあ・・・」

 Cさん「道行く幼女を見かけた時とかにニヤニヤ笑ったりするわよね?」

 Aさん「ちょっとやめてくれませんそう言うの!!?」

 Bさん「あとは『さよならなんて悲しいこと言うなよ・・・!』って

     シンジくんに涙ながらに訴えられたりした時だよね。」

 Aさん「それは例の綾波さんじゃないのかな。

     笑えばいいと思うよって言われて

     少しぎこちなく笑ってみせるやつじゃないのかな。」

 Bさん「おかしくて笑うと言うのも当然ありますけれども、

     偉い人や強い人に媚びへつらってへらへら笑うとかもありますね。」

 Aさん「まあ・・・確かにありますね・・・。」

 Cさん「他に、こちらの思惑通りに相手が動いて『計画通り!』と

     密かにほくそ笑むと言う笑い方もあるわ。」

 Aさん「それは死の帳面的なやつじゃないですかね。」

 Bさん「年頃の女の子同士がけっこうガチな感じで仲良くしてるのを見ると

     思わず笑みがこぼれちゃうよね。

     『アリだと思います。』って感じだよね、」

 Aさん「それは・・・いや・・・まあ分かるけど・・・。」

 Cさん「あとは幼い子が頑張ってる様子とかは微笑ましく見たりするわよね。

     はじめてのおつかい的な。」

 Aさん「まあ。」

 Bさん「ぼくは阿部さんのその微笑みの奥に潜む感情を見逃さないでおくよ。」

 Aさん「だからそう言うありもしない疑惑を掛けるのはやめてくれないかな!!?」

 Bさん「でもまあ、この、微笑ましく思う感情と言うのはあるかも知れないよね。

     人間たちが来年の話をしているのを聞いて、鬼たちも

     『おやおや。人間たちは未来の希望に溢れておって何とも微笑ましいのう』

     なんて思っているのかも知れないよ。」

 Aさん「なんなの鬼は親なの?」


 Bさん「『これから儂らに喰われてしまうと言うのにのう。』」

 Aさん「鬼の性格ちょっと鬼すぎない!!???」


 鬼ですから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ