【揺花草子。】<その2503:一説。>
【揺花草子。】<その2503:一説。>
Bさん「そろそろ来年の話をして鬼たちから笑われてみようかな。」
Aさん「鬼たちに笑われるところまでセットなの?」
Cさん「来年は書籍化も控えてるしね。」
Aさん「さらっといい加減な事を言わないでくれませんかね・・・。」
Bさん「この『来年の話をすると鬼が笑う』と言う慣用句ですが。」
Aさん「はぁ・・・。
ぼくらはこれまでも幾度か採り上げて来たよね。」
Bさん「そう、その通り。
でもぼくらは重要な観点を見落としていた。」
Aさん「重要な観点?」
Bさん「ぼくらはこの『鬼が笑う』と言うのをさ、
『鬼に馬鹿にされる』とか『嘲笑される』と言う事だと言う前提で
話して来ていたじゃない。」
Aさん「え、それは・・・確かに。
と言うかそう言う意味だろ・・・?」
Cさん「果たしてそれは本当にそうなのかしら。
一口に『笑う』と言っても、その意味合いは様々だわ。」
Aさん「まぁ・・・。」
Bさん「例えば阿部さんはどんな時に笑いますか?」
Aさん「えっ・・・そりゃあ・・・」
Cさん「道行く幼女を見かけた時とかにニヤニヤ笑ったりするわよね?」
Aさん「ちょっとやめてくれませんそう言うの!!?」
Bさん「あとは『さよならなんて悲しいこと言うなよ・・・!』って
シンジくんに涙ながらに訴えられたりした時だよね。」
Aさん「それは例の綾波さんじゃないのかな。
笑えばいいと思うよって言われて
少しぎこちなく笑ってみせるやつじゃないのかな。」
Bさん「おかしくて笑うと言うのも当然ありますけれども、
偉い人や強い人に媚びへつらってへらへら笑うとかもありますね。」
Aさん「まあ・・・確かにありますね・・・。」
Cさん「他に、こちらの思惑通りに相手が動いて『計画通り!』と
密かにほくそ笑むと言う笑い方もあるわ。」
Aさん「それは死の帳面的なやつじゃないですかね。」
Bさん「年頃の女の子同士がけっこうガチな感じで仲良くしてるのを見ると
思わず笑みがこぼれちゃうよね。
『アリだと思います。』って感じだよね、」
Aさん「それは・・・いや・・・まあ分かるけど・・・。」
Cさん「あとは幼い子が頑張ってる様子とかは微笑ましく見たりするわよね。
はじめてのおつかい的な。」
Aさん「まあ。」
Bさん「ぼくは阿部さんのその微笑みの奥に潜む感情を見逃さないでおくよ。」
Aさん「だからそう言うありもしない疑惑を掛けるのはやめてくれないかな!!?」
Bさん「でもまあ、この、微笑ましく思う感情と言うのはあるかも知れないよね。
人間たちが来年の話をしているのを聞いて、鬼たちも
『おやおや。人間たちは未来の希望に溢れておって何とも微笑ましいのう』
なんて思っているのかも知れないよ。」
Aさん「なんなの鬼は親なの?」
Bさん「『これから儂らに喰われてしまうと言うのにのう。』」
Aさん「鬼の性格ちょっと鬼すぎない!!???」
鬼ですから。




