【揺花草子。】<その2435:『──ローマです。』>
【揺花草子。】<その2435:『──ローマです。』>
Bさん「ラブロマンスの傑作と名高い『ローマの休日』ですが。」
Aさん「あぁ・・・ローマシリーズ・・・。」
Cさん「昨日は期せずして『バンジョーのジョー』の話をしちゃったけどね。」
Aさん「バンジョーのジョーが女子高生かつ女医で常磐線沿線に住んでると言う説には
驚きを隠せませんでしたよ。」
Bさん「ともかく『ローマの休日』の話だよ。
公開は1953年。
当時ほとんど無名に近い存在だったオードリー・ヘプバーンを
一躍スターダムへとのし上げた作品としても知られるね。」
Aさん「そうだね。」
Cさん「阿部さんは観たことある?」
Aさん「もちろんです。一応オードリーの出演作はあらかた押さえてます。
随分昔ですから良く覚えてないのも多いですけどね・・・。」
Bさん「へえ・・・それは意外。
三次元の映画とか興味ないですとか言い出すかと思いきや。」
Aさん「そんな事はないよ!!?」
Bさん「実際この作品でのオードリーの演技は初々しさと言うか
良い意味でこなれてない感じが実に心惹かれると思います。」
Aさん「うん、分かる。」
Cさん「作中でオードリーが美容室で髪を切るシーンは
ホントに自分の髪を切ったそうよね。
あれがきっかけでオードリーカットが大流行したとか。」
Aさん「ええ。」
Bさん「極め付きはやっぱり悪しき心を持つものの手を落とすと言い伝えのある
『真実の口』のシーンだよね。
グレゴリー・ペックが口に手を入れてからややあって、
彼は突然絶叫しながら痛がり出した。
慌てて口からグレゴリーの腕を抜こうとするオードリー。
手を引き抜いたらグレゴリーの手首から先が無くなっててオードリーは愕然とする。
けどそれはグレゴリーのイタズラで、シャツの袖に隠していた手を出してみせると
オードリーが心底ほっとした表情でグレゴリーを叩く・・・と言う一連のシーンね。」
Aさん「うんうん。作中屈指の名シーンだね。」
Cさん「正直あのシーンのオードリーが可愛すぎて天使すぎると思うわ。」
Aさん「分かります・・・。」
Bさん「まぁあの口の奥に柱の男たちが眠っているのだから
手首ぐらい持ってかれても不思議は無いけどね。」
Aさん「それは1938年の話だから『ローマの休日』の時代にはもう
柱の男たちはいなかったはずだけどな。」
Bさん「そんなわけで屈指の名作『ローマの休日』。
オードリーが演じたのはヨーロッパきっての伝統ある某王国の王女アン。
そしてグレゴリー・ペックが演じたのは新聞記者と言う素性を隠しつつ
天真爛漫な王女との切ないひとときを過ごすジョー・ブラッドレー。」
Aさん「うん・・・。」
Bさん「『バンジョーの~~~ジョーはぁ~~~
新聞記者~~~オーイェー!』」
Aさん「まさかの繋がり!!!!!」
もうこれは奇跡かと。




