【揺花草子。】<その2400:耐え忍ぶ。>
【揺花草子。】<その2400:耐え忍ぶ。>
Bさん「と言うわけでいよいよ10日目を迎えだいぶ脂の乗って来た
『冷蔵庫の吸血鬼問題』です。」
Aさん「あれこれからが旬の美味しいお魚かな?」
Cさん「今年は記録的不漁だった去年とは打って変わって
だいぶ大振りな個体も多く漁獲高も期待できそうって話よ。」
Aさん「何の話ですか。」
Bさん「昨日は阿部さんの金髪幼女と一緒にお風呂に入りたいと言う
ちょっともう本気でアウトと言うか今すぐ公権力に通報したくなるレベルの発言で
ぶっちゃけぼくらは戦慄ですよ。」
Aさん「ちょっ!!! 別に一緒にお風呂に入りたいとは!!!」
Cさん「でも四六時中幼女をお風呂に閉じ込めておくって言う事は、
結果的にそう言う事じゃない。
阿部さんの『そっち行っちゃダメだぞ』って方向に
全力ダッシュで突っ込んでいく姿に
私たちはもうハラハラしっぱなしよ。」
Aさん「おかしいなそれ普段からぼくが良く感じてる気持ちですね!!?」
Bさん「まあとにかく荒ぶる幼女を抑えることを目的とする『冷蔵庫の吸血鬼問題』ね。
機能の阿部さんのアイデアは冷蔵庫を使ってないからもう前提からアウトだし
阿部さんは人としてアウトと言う事になるわけです。」
Aさん「人としてアウトとか言わないで欲しいなあ。」
Bさん「冷蔵庫に閉じ込めるのは前提だから、そこは何とか解法に組み込んで欲しい。」
Aさん「はぁ・・・。」
Cさん「無理で無茶で無駄な仕様だけれども
クライアントの要望でねじ込まざるを得ないと言うわけよ。」
Aさん「何でそんな請負開発の悲哀みたいな言い方するんです!!?」
Bさん「そんなわけで阿部さんに次のアイデアを期待するよ。」
Aさん「えー・・・。もう困ったな・・・。
と言うか、端的に言えば冷蔵庫の扉を閉めたら暗くなるのが問題なんだよね?」
Cさん「あら阿部さん条件の整理ね。
不必要なノイズを削ぎ落すのは重要な事ね。」
Aさん「どうも・・・。」
Bさん「確かにその通り。寒さで吸血鬼を抑えようとしているが、
それは同時に吸血鬼に暗闇を与えてしまう事になるから
ここを乗り越えたいと言うのが今回の命題の肝ではある。」
Aさん「だとすれば、扉を閉めても中が暗くならない冷蔵庫を
開発すればいいのでは。」
Bさん「阿部さんにそんな技術力があるのかな?
それともそう言う事をやってくれる業者に伝手があるのかな?」
Aさん「いやっ・・・そう言う訳ではないけれども・・・。」
Bさん「それじゃそんなの絵に描いた餅じゃん。
もう少し現実見て欲しいよ。」
Aさん「金髪幼女吸血鬼ってだけで十分現実離れしてるんですがそれは・・・。」
Cさん「もしそう言う冷蔵庫をワンメイクで開発するとしたら
きっと結構なコストが掛かってしまうと思うわ。
もちろん電気代だって普通の冷蔵庫より少し上がっちゃうだろうし。」
Bさん「日々の暮らしにさえ事欠く阿部さんにはその辺は辛いよね。」
Aさん「日々の暮らしに事欠くって事は特にないんだけど、
まあこの命題の中の阿部さんがそうだと言うんだったら
ギリギリ許容できるかな・・・。」
Bさん「どうも阿部さんは固定観念に縛られがちなところがあるよね。
もう少し大局を見て欲しい。」
Aさん「大局・・・とは・・・?」
Cさん「冷蔵庫に閉じ込めると言うのは、
何も狭いところに押し込めなきゃいけないと言う事ではないのよ。」
Aさん「えっ・・・どう言う事です?」
Bさん「阿部さんは知らないかな?
現在の物流を支える重要な施設として冷蔵倉庫と言うものがあるんだよ。
生鮮食品とか冷凍食品とかを貯蔵する目的の特殊倉庫と言うやつです。
大都市の郊外とか、港湾部なんかに立地していたりするよ。」
Cさん「ここから冷凍トラックに載せられた荷が
全国のスーパーとかコンビニとかに配送されていくわけね。」
Aさん「はぁ・・・。」
Bさん「つまり阿部さんの自宅を
冷蔵倉庫に改築すれば良いと言う事だよ。」
Aさん「その方が遥かにコスト高くない!!???」
でも冷蔵庫は不要になりますよ。




