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【揺花草子。】(日刊版:2018年)  作者: 篠木雪平
2018年08月
234/365

【揺花草子。】<その2399:事案どころの騒ぎじゃない。>

 【揺花草子。】<その2399:事案どころの騒ぎじゃない。>


 Bさん「さてだいぶ興が乗って来た感がある『冷蔵庫の吸血鬼問題』。」

 Aさん「興が乗って来た感があるの?

     盛り上がっているのはきみらサイドだけじゃないの?」

 Bさん「暗闇で無敵の存在となる吸血鬼だが暑さ寒さには格段に弱いと言う特性を利用して

     冷蔵庫に閉じ込めることにしたが、締め切っちゃうと暗くなっちゃうので

     どうしたものかしらと言うのが主題です。」

 Aさん「それだとちょっと隙間空けとけば良いんじゃないかって話になりそうだけど。」

 Cさん「そんな事したら中のお野菜とかお豆腐とかが駄目になっちゃうじゃない。

     冷気が逃げちゃうし吸血鬼に対するデバフ性能も落ちちゃうわよ。」

 Aさん「幼女を詰め込んだ冷蔵庫に一緒に野菜とか豆腐も入れるんですか。」

 Bさん「今さらの前提だけど、前にも話した通り幼女には適切な食事を与えなきゃいけない。

     冷蔵庫の中に閉じ込めるのは良いけど、閉めっぱなしはやっぱりダメで、

     1日に何回かは開けてあげなきゃならない。

     けどずっと寒いところに囚われていた幼女は力がすごく落ちているから

     ドアが開いた隙に脱出するみたいな機敏さは失われていると言う事にしておく。」

 Aさん「なるほど。それは重要だね。

     1回閉じ込める事に成功すればあとは光の管理さえ上手くできれば

     なんとかなるって事だよね。」

 Bさん「そんなわけで昨日は冷蔵庫に閉じ込めると同時にレミーラを唱えることで

     光をもたらすと言うコペルニクス的転回のアイデアを出したわけだけれども。」

 Aさん「いやまさかレミーラとかって。

     そんなんでコペルニクスの名前出したらブチ切れられちゃうよ。

     地動説ナメんなって地球儀でフルボッコにされちゃうよ。」

 Cさん「レミーラがダメなら『ルーモス!』でも良いわよ。」

 Aさん「いや一緒じゃないですか。何ー・ポッターですか。

     そんな非現実的な・・・」

 Bさん「そう? 金髪幼女って時点で十分非現実的だと思うけど。」

 Aさん「いや金髪幼女までは現実的だろ!? きみ自分の存在全否定!!?」

 Bさん「ぼくは幼女じゃないやい!!!////

     まあ吸血鬼と言う非現実的な存在には魔法・呪文と言う非現実的な力で

     対抗するのもひとつの手立てだと言う話ですよ。」

 Aさん「いやそれ言っちゃったらもう何でもありって事になっちゃうと言うか・・・」

 Cさん「それに十分に発達した科学技術は魔法と見分けがつかないと言うじゃない。」

 Aさん「言いますけど!!

     だからと言って科学の代替として魔法を使うって話じゃないでしょ!!?」

 Bさん「それなら阿部さんからもアイデアを提示して欲しい。」

 Aさん「えー・・・えーと・・・そう言うコペルニクス的な逆転発送が許されるなら、

     いっそ冷蔵庫をやめると言うのは?」

 Bさん「んっどう言う事かな?」

 Aさん「つまり、これまでは寒さに拘って来たけれども、

     吸血鬼は寒さだけじゃなく暑さにも弱いんだよね?

     それを利用して・・・」

 Cさん「えっそれはつまりこの酷暑の中で部屋のエアコンもつけずに

     幼女を放置しておくと言う事?

     これだけお年寄りや子供が熱中症で亡くなる事故が後を絶たないって言うのに?」

 Aさん「いやそう言うつもりでは!!!

     それにただ空調をつけないだけだと程よい季節になった時にダメですし・・・」

 Bさん「それはそうだね。」

 Aさん「だから、例えば、四六時中熱いお湯を張ったお風呂に入れておくとか・・・」

 Bさん「・・・。」

 Cさん「・・・。」

 Aさん「・・・。」

 Bさん「・・・四六時中・・・」

 Cさん「・・・お風呂に・・・」

 Aさん「っっ・・・」

 Bさん「全裸の幼女を閉じ込めて・・・おく・・・」

 Aさん「お・・・おっ・・・」


 Bさん「変態っっっ・・・!!!!!」

 Aさん「そうだね確かに今のはぼくも間違えた!!!!!」


 かつてないほどの蔑みの視線。

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