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【揺花草子。】(日刊版:2018年)  作者: 篠木雪平
2018年08月
232/365

【揺花草子。】<その2397:残光。>

 【揺花草子。】<その2397:残光。>


 Bさん「はい、そんなわけで今日でまる1周間となる『冷蔵庫の吸血鬼問題』ですよ。」

 Aさん「1週間に渡ってただただぼくを貶め続けて来ていただけの

     ような気がするけど・・・。」

 Cさん「あら・・・阿部さん意外と鋭いじゃない。

     この一連の企画が思考実験を装った阿部さん糾弾会だったことに

     気付いてしまったのね。」

 Aさん「ホントにそうだった!!!」

 Bさん「まあそこは裏テーマと言うことで、主目的は最初に述べた通り

     襲いかかる吸血鬼をどう制するかと言う思考実験である事は間違いないよ。」

 Aさん「はぁ・・・。」

 Cさん「条件の羅列はもういい加減良いわよね?

     端的に言うと深夜になると無敵になる吸血鬼をどうやって抑えるかと言う話よ。」

 Aさん「ええ。

     それで昨日は冷蔵庫と言うキーアイテムがようやく登場したんでしたね。」

 Bさん「そう言う事。

     寒さに弱い吸血鬼を冷蔵庫に閉じ込めておけば

     問題を解決できるのではないかと言う事ね。」

 Cさん「幼女を嬉々として冷蔵庫に閉じ込めるとか

     反吐が出る狂気っぷりだけどね。」

 Aさん「自分たちで作ったシナリオなのに!!!」

 Bさん「けど阿部さん考えてみて欲しい。

     冷蔵庫に閉じ込めればそりゃ吸血鬼の力を削ぐことが出来るかも知れないけど、

     一般に冷蔵庫は扉を閉じたら庫内は真っ暗になるよね。」

 Aさん「あっ・・・そうだ。

     となると、暗闇で無敵の力を手に入れる特性によって

     冷蔵庫はいとも容易く破壊されてしまうって事になるのかな?

     寒さによるデバフ効果と暗闇によるバフ効果ではどっちが上なんだろう?」

 Bさん「それはダントツ後者ですよ。

     もうジェントリー・ウィープス並の寒さを持って来ない限り

     暗闇は吸血鬼に無限の力を与えるよ。」

 Aさん「その論法だとギアッチョは吸血鬼に勝てるって話になるなあ。」

 Cさん「阿部さんみたいな癇癪持ちには羨ましいかも知れないわね。」

 Aさん「ぼくがいつ葉っぱは掘れないだろうがとか喚いたって言うんです?」

 Bさん「ともかく、吸血鬼を冷蔵庫に閉じ込めると言うのは

     アイデアの方向性としては優れているが不完全だと言う事だ。

     完璧にするにはどうすれば良いだろうね?」

 Aさん「おっ・・・つまりようやく命題の検討に取り掛かるって事だね?

     うーん・・・真っ暗であることがダメなら、

     冷蔵庫の中に幼女と一緒に懐中電灯を放り込むとか・・・」

 Cさん「阿部さんじゃあるまいし、幼女だって懐中電灯のオフの仕方ぐらい知ってるわよ。」

 Aさん「いやぼくが懐中電灯のオフの仕方も知らないみたいな言い方やめてくれません!?

     随分と雑な罵倒じゃないですか!!?

     ・・・じゃあ・・・コンビニとかスーパーとかにある

     ガラス扉の中身が見える冷蔵庫に閉じ込めるとか?」

 Bさん「なるほど。ガラス扉だから締め切っても光を遮断しないと言う訳だね。」

 Aさん「そうそう。冷蔵性能と採光性能を両方兼ね備えているんじゃないかな。」

 Cさん「でも中身が見えると言う事は吸血鬼側からも外が見えると言う事よ。

     冷蔵庫に閉じ込められた幼女が

     『寒いよう・・・辛いよう・・・出してよう・・・』

     『ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・許して・・・』

     ってすすり泣く様を横目に見ながらワンルームで平然と生活を営むとか

     阿部さんってとても血の通った人間とは思えぬ惨たらしさね。」

 Aさん「ちょっ!!! そう言う言い方やめてくれません!!?

     そう言うのは一旦度外視じゃないんです!!?」

 Bさん「阿部さんにも曲がりなりにも人の心があるので、

     そう言う苛虐的なやつはちょっと不可と言う事にしたい。

     もう少し穏当な方法を考えて欲しいよ。」

 Aさん「冷蔵庫に幼女を閉じ込める時点でどうやっても穏当じゃないけどな・・・。」

 Bさん「思いつかない?」

 Aさん「思いつかないねえ・・・。」

 Bさん「じゃあひとつの解を示してあげよう。」

 Aさん「おっ。そうなの?」


 Bさん「冷蔵庫の内壁に

     蓄光壁紙を貼る。」

 Aさん「その程度の光でいいの?」


 星柄とかお魚さん柄とか可愛いのもありますし。

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