【揺花草子。】<その2396:もうすぐです。>
【揺花草子。】<その2396:もうすぐです。>
Bさん「はい、引き続き『冷蔵庫の吸血鬼問題』だよ。」
Aさん「まだ続くんだね・・・。」
Cさん「今年いっぱいはこれで押していこうかと思いますよ。」
Aさん「どんだけこの問題に関する議論を深めていくつもりなんですか!!」
Bさん「昨日は泣き喚く幼女を組み伏せて『大人しくしやがれ』と脅すと言う
極めて卑劣な犯行をする阿部さんを現行犯逮捕したんでした。」
Aさん「ちょっ!!! ホントやめてそう言うの!!!
何度も言うけどこの命題のストーリーの一部にぼくを据えるのは
いい加減やめていただきたいんだけど!!?」
Bさん「まあまあ。
今回はいよいよ全ての条件が出揃って検討に移れる段階まで行けると思うから
もうちょっとの辛抱だよ。」
Aさん「なんでぼくがわがまま言ってるみたいな言い方して来るんだよ・・・。」
Cさん「恒例のここまでの条件羅列よ。尺稼ぎなんて言っちゃだめよ。」
Aさん「自ら言って行くスタイル・・・。」
Cさん「・吸血鬼は阿部さんを吸血して死なすのが目的
・阿部さんは吸血鬼から身を守るのが目的
・阿部さんは吸血鬼を死なせてはいけない
・阿部さんは吸血鬼を追い出してはいけない
・吸血鬼は吸血できなくとも命に影響はない
・吸血鬼は勝手に家を出て行かない
・吸血鬼を連れて歩いても問題ない
・吸血鬼は暑くても寒くても力が弱まる
・吸血鬼は暗闇では能力が限界突破し止める術はない」
Aさん「うーん。」
Bさん「補足しておくと、吸血鬼は吸血しなくとも死にはしないけども、
そのかわり適切な食事は必要です。
飲まず食わずでは生きてはいけないってことだね。
あと暗闇では無敵になるけど、たとえ夜でも照明がついていれば
その限りではないよ。」
Aさん「ふむ。じゃあ夜寝る時に電灯を消したら?」
Cさん「それはアウトね。
暗い部屋で幼女と2人っきりって言う点でも倫理的にアウトね。」
Aさん「そのアウトはちょっと理不尽じゃないです!!?
・・・じゃあ、常夜灯だったらどう?」
Bさん「ギリ大丈夫。
だけどそうまでして幼女と床を共にしようと言う姿勢は完全アウト。」
Aさん「別に一緒に寝ようと思って訊いてる訳じゃないけどね!!?」
Bさん「で、これだけの条件だと、
単純に幼女と末永く仲睦まじく暮らせばオールオッケーと言う事になってしまう。
それでは議論にならないし腹が立つのでもう少し条件と言うか状況を加えていくよ。」
Aさん「いや・・・無理に人の幸せを貶めにかからなくとも・・・。」
Cさん「単純に余所の女とよろしくやるってのが妬けるって言う話よ。」
Bさん「そう言う話じゃない!!!////
と・とにかく話を進めるよ。
ここまで話をして来たけれども、
暗闇で幼女と2人きりになってはいけないと言うのは実はかなり厳しい条件だ。
何しろ阿部さんの部屋は6畳一間のワンルームで照明もオンかオフかしかなくて
常夜灯のようなものはありません。」
Aさん「んん。そこに条件付けて来るか。」
Cさん「つまり阿部さんが暗闇から襲いかかる吸血鬼を退けるためには、
一晩中照明を点けておかなければならない。
けれどさっきも言ったように阿部さんの家はワンルームで、
幼女の寝室だけ照明を点けておけば良いと言う事はできない。」
Aさん「んー。」
Bさん「けど日銭を稼ぐのが精一杯の阿部さんは一晩中照明をつけておくのは
コストが合わない。
だから、吸血鬼が暑さ寒さに弱いと言う特性を利用し、
どこかに閉じ込めておくことで問題解決を図ろうと考えた。」
Aさん「どこかに閉じ込める?」
Bさん「それすわなち冷蔵庫だよ。」
Aさん「思わぬタイミングで冷蔵庫出て来た!!!!!」
やっと話が進んだ。




