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【揺花草子。】(日刊版:2018年)  作者: 篠木雪平
2018年07月
208/365

【揺花草子。】<その2373:ロジックを解き明かす。>

 【揺花草子。】<その2373:ロジックを解き明かす。>


 Bさん「梅雨明け以来毎日大変暑いんですよ。」

 Aさん「暑いですねぇ・・・。」

 Bさん「何と言うか容赦ない感じの暑さだよね。」

 Aさん「容赦ない感じの暑さだねえ。」

 Cさん「言っても阿部さんは基本的に家から出ないから

     暑さに苛まれる機会はそうないとは思うけど。」

 Aさん「だからいつもここ来てるじゃないですか。

     毎回言ってますけれども。」

 Bさん「日本の夏は高温多湿と言う特徴があるけれども、

     ヨーロッパの夏は一般にカラッとしていて過ごしやすいと言われているよね。」

 Aさん「あぁ・・・うん、そう聞くね。」

 Cさん「とは言ってもヨーロッパなんて北から南まですっごく離れてるから、

     イタリア南部とノルウェー北部を一緒くたに論じられても困るんだけども。」

 Aさん「そっそれは・・・尤もです。」

 Bさん「まあ一言で言えば異常気象。

     なんか『何十年に1度の』とか『観測史上初の』って表現を

     毎年聞いてる気がします。」

 Aさん「確かにね・・・。

     何十年に一度が毎年発生するならそれはもう

     平年並みって事になるんじゃないかと言うレベルだよね。」

 Bさん「そう、それ。」

 Aさん「え?」

 Cさん「今阿部さんが言った平年並み、じゃあその平年って言うのは何かって言えば、

     『過去30年の平均値』なのよ。

     例えば過去30年の今日7月27日の日最高気温の平均値、って具合ね。」

 Aさん「過去30年・・・。」

 Bさん「で、この平年値は10年にいっぺん再計算されるのね。

     例えば今天気予報とかで使われている平年値は2010年に計算された、

     1981年から2010年までの平均値なわけ。」

 Aさん「なるほど。」

 Cさん「そして3年後、2021年には1990年から2020年までの観測値を用いた

     新しい平年値に運用が切り替わる予定よ。」

 Aさん「ふむふむ。」

 Bさん「つまり2021年からの気象情報には、

     その前提となる『平年』に、この数年の異常気象の様態が織り込まれた値が

     採用されると言う事になるわけ。」

 Aさん「そう言う事になるのか。」

 Bさん「逆に言えば、各10年代の終わりの方に近づくにつれ、

     自然それまでの平均値を算出した年からは離れていくわけだから、

     平年値からの振れ幅は大きくなっていくと考えられる。」

 Aさん「そう・・・言えなくもない・・・のかな・・・?」


 Bさん「それが昨今の異常気象のからくりだよ。」

 Aさん「それは飛躍し過ぎじゃない?」


 そう言うレベルの話ではない。

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