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【揺花草子。】(日刊版:2018年)  作者: 篠木雪平
2018年05月
143/365

【揺花草子。】<その2308:恐怖を乗り越える。>

 【揺花草子。】<その2308:恐怖を乗り越える。>


 Bさん「今日も阿部さんの苦手な幽霊やお化けの話ですよ。」

 Aさん「いやぼくが苦手なとかって勝手に決めつけるのやめてくれない?」

 Cさん「まあまあ。そこはもう受け容れて行きましょうよ。

     阿部さんがチキンだって事はもうみんなにバレてるんだから。」

 Aさん「イヤな言い方しないでくれます!?

     と言うか昨日の話数だってずいぶん強引でしたよ?

     なんで Siri さん可視化の話になってるんです?」

 Bさん「まあ、確かにちょっと無理っくりな展開だった感じは否めないけどね。

     でも Siri さん可視化に関してはぼくらはもう何年も前から話してるしね・・・」

 Aさん「それになぜか床が濡れていたと言う伏線は投げっぱなしだったじゃないか・・・」

 Cさん「あれは簡単な理由よ。

     阿部さんに恨みを抱く人間が阿部さんのいない間に

     部屋に侵入してガソリンをぶちまけたのよ。

     いざ火をつけようと思ったところで阿部さんが帰って来ちゃったから

     事を成せなかったけれども、

     押入れの中でタイミングを虎視眈々と計ってるのよ。」

 Aさん「ちょっ!!! それはそれでとんでもなく恐い話なんですけど!!!」

 Bさん「まあともかく幽霊の話ですよ。

     今日は阿部さんに幽霊苦手を克服してもらおうと思うのです。

     ぼくが幽霊コスをやるから阿部さんは対応してね。」

 Aさん「幽霊コス?」

 Cさん「幽霊と言えばテンプレ的には長い黒髪に白装束、

     そして肘から手を上げつつ手のひらをだらーんと垂らして

     震える声で『うらめしやー・・・』が基本じゃない?」

 Aさん「まあ・・・そうですね・・・。」

 Bさん「今日ぼくが清純可憐女子の定番モテカワアイテムであるところの

     ロング白ワンピを着て来てるのはそう言うわけです。

     可愛いでしょ?」

 Aさん「えっ//// う・うん//// まぁ・・・可愛い////」

 Bさん「(うへへ////)」

 Cさん「ブリジットにやけ顔気持ち悪い。」

 Bさん「酷い!!!

     ま・まあともかく、白装束を模したこの白ワンピと、

     あとは黒髪ウィッグも装備、と。」

 Aさん「うわー・・・黒髪なだけでずいぶん雰囲気変わるねー・・・。」

 Bさん「え、そ・そう?」

 Aさん「(まあ瞳が翠玉色なのは違和感バリバリだけど・・・)」

 Bさん「でもちょっとこう、前髪で顔を隠すような感じにすれば、

     生来の白い肌も相まってだいぶ幽霊然としてるんじゃない?」

 Aさん「いや・・・幽霊にしてはずいぶん血色良い感じだけど・・・

     でもまあ、暗いところで見たら確かに幽霊に見えるかもだねえ。」

 Cさん「と言うことはこの姿のブリジットと夜突然エンカウントして

     『うらめしやー・・・』とか言われたら阿部さんはビビると言うわけね。」

 Aさん「ビビ・・・る・・・かも、知れません・・・。」

 Bさん「このままじゃまだ阿部さんの恐怖心を払拭できないと言うわけだ。

     そこでぼくは一計を講じる。」

 Aさん「一計を。」

 Bさん「こう、肘から上げた手をもう少し上げて、顔の近くまで持ってきて。」

 Aさん「はぁ・・・。」

 Bさん「そしてだらーんと下げる手のひらは軽く握って、首も少し傾けて。」

 Aさん「んん・・・?」

 Bさん「そして『うらめしや』に変わるキメ台詞!」

 Aさん「(キメ台詞?)」


 Bさん「『うらめしにゃん♪』」

 Aさん「可愛いっ!!!!! あざとい!!!!!」


 あと上目遣いなら完璧。

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