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【揺花草子。】(日刊版:2018年)  作者: 篠木雪平
2018年05月
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【揺花草子。】<その2305:大募集。>

 【揺花草子。】<その2305:大募集。>


 Bさん「阿部さんは将来の夢は実は漫画家でしたなんて言うエピソードはないのかな?」

 Aさん「いや・・・ないですね・・・。

     実直な会社員とかが夢でしたね・・・。」

 Cさん「叶ってないわね。」

 Aさん「叶っ・・・!!! ってないと言うか・・・ですけど・・・。」

 Bさん「ま、でも漫画家さんになりたいなんて軽々しく言うけど

     実際問題雑誌で連載したり単行本がヒットしたり、

     あまつさえ作品がアニメ化するなんて作家さんはほんの一握りなわけだよね。」

 Aさん「まあ・・・そうだろうねえ。

     まず商業誌に作品が掲載されると言うのがもう相当なハードルだろうしね。」

 Cさん「もちろん商業誌だけが漫画家の進む道ではないとは思うわよ。

     同人分野で下手な商業作家に負けないぐらいの売りを立てる

     作家さんだっているわけだし。」

 Aさん「そうですね。

     最近は活躍の主戦場を Web に置く人たちだって多いですし。」

 Bさん「でもまあ、一般的に、漫画家になりたいと言う人は多くは

     有名雑誌に掲載されて連載を取ってメディアミックス化されて

     憧れの印税暮らしって言うのが夢なわけじゃない。」

 Aさん「憧れの印税暮らしはきみの憧れでしかないと思うけど、

     まあ多くはそうかも知れないねえ。」

 Bさん「面白ければ学生だって連載が取れると言う完全実力主義な漫画家業界ですが、

     実際高校に通いながら連載もするってのはなかなか大変だと思いますよ。

     『バクマン。』とか『こみっくがーるず』のようには行かないですよ。」

 Aさん「いや・・・行く人もいるだろ・・・。行かない人も多いかもだけど・・・。」

 Cさん「その点時間が有り余ってる阿部さんは連載とか余裕そうよね。」

 Aさん「いやベテラン作家さんだって〆切には苦しむんですよ?

     ぼく別に時間が有り余ってるわけでもないですしね?」

 Bさん「ともかく、大ヒット作品を連発して豪邸に住むような大金持ちの漫画家さんから、

     ヒットを目指して石にかじりつく思いで必死でペンを振るう漫画家さん、

     ほんの趣味の落描き程度で描いている漫画家さんまで、

     一口に漫画家と言っても創作に対する取り組みの姿勢には大きく差がある。

     それだけ裾野が広いと言えると思うんだ。

     漫画大国と呼ばれる所以だよね。」

 Aさん「うんうん。」

 Cさん「アマチュアの人達も含めたら、

     もうちょっとした地方都市の人口に匹敵するぐらいの数の

     漫画家さんがいるのじゃないかと思うのよね。」

 Aさん「まあ、あるいはそうかも知れません。」


 Bさん「1人ぐらいコミカライズのお話を

     持ちかけて来てくれてもいいと思うんだ。」

 Aさん「メディアミックスされたくて仕方ない感じ!!???」


 憧れの印税暮らしには遥か遠いですが。

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