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【揺花草子。】(日刊版:2018年)  作者: 篠木雪平
2018年05月
126/365

【揺花草子。】<その2291:UR。>

 【揺花草子。】<その2291:UR。>


 Bさん「ちょっとだけ前の話ですがね。」

 Aさん「え、うん。」

 Bさん「1ヶ月ぐらい前にさ、最近サッカー日本代表の試合が

     なんともお寒いと言う話をしたじゃん。」

 Aさん「あぁ・・・したねぇ・・・。」

 Cさん「阿部さんの懐具合なみに寒いと言う話をしたわよね。」

 Aさん「その話はしてません。」

 Bさん「ともかく、そんな風に代表批判をしたら、ですよ。」

 Aさん「あ・あぁ・・・。」

 Bさん「それからややもせずにまさかの監督解任ですよ。」

 Aさん「そ・・・そうだったねえ・・・。」

 Bさん「あれはちょっと驚いたねえ。」

 Aさん「驚いたねえ・・・。

     タイミング的にも解任理由的にもその後の人事的にもね・・・。」

 Cさん「阿部さんも油断しないほうが良いわよ。」

 Aさん「何がです!!? ぼくがいったい何から解任されるって言うんです!!?」

 Bさん「ぼくらが批判をした直後に急転直下の解任劇だからさ。

     もしかしたら協会の皆さんはぼくらのあの批判を見て

     解任を決定したんじゃないかと多少責任も感じる。」

 Aさん「何言ってんの!!?

     こんなネットの片隅で吹けば飛ぶような場末のコンテンツが

     代表人事に影響するわけないだろ!!?」

 Cさん「あら、そんな事ありえないとは言えないわよ。

     よく言うじゃない。

     人は自分が信じたいと思うものを信じるのよ。」

 Aさん「えぇー・・・。

     つまりぼくらのような意見を述べている人たちの意見が世の趨勢だと捉え、

     それで以て今回の解任と言う決断を理論的に補強しようと言う考えだと言うわけ?」

 Bさん「そうそう、そんな感じ。

     俗に言う『ネットの声』ですよ。」

 Aさん「途端に信頼感とか信憑性ゼロになったな。」

 Bさん「だいぶ前にも言ったかも知れないけど、

     一般論として『褒める言葉』よりも『貶す言葉』のほうが『声が大きい』んだよ。

     99人が満足していても1人が声高に批判すればそれが世の趨勢になりがちなの。」

 Cさん「今回の解任の決断云々とは別の話よ。」

 Aさん「は・はぁ・・・。」

 Bさん「もちろん今回のケースで言えば、

     このまま監督を替えずにW杯に臨んだとしても

     理想的な結果が残せたかどうかは甚だ疑問だから

     だったらいっそすげ替えたほうが良いんじゃないかと言う意見も

     ある点では妥当な視点ではあると思うよ。」

 Cさん「つまり私たちの意見としては賛否に関して明言は避けますよと言うことよ。

     そこらへんは個々人が個々人で

     居酒屋でビール片手にでも意見をぶつけ合えば良い話だわ。

     覆水は盆には還らないんだしね。」

 Aさん「はぁ・・・。」

 Bさん「ただひとつ、希望が持てるとすればね。」

 Aさん「え・・・希望?」


 Bさん「土壇場でぼくを

     サプライズ招集すると言う目が

     出て来たと言えるんじゃないかってことね。」

 Aさん「そんな目はこれっぽっちも出てないけどね。」


 今どきのガチャよりも低確率。

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