【揺花草子。】<その2265:噛み砕いて話す。>
【揺花草子。】<その2265:噛み砕いて話す。>
Bさん「ムーアの法則ね。」
Aさん「おっ・・・あぁ・・・。」
Cさん「いろんな文脈で使われるけれども、
あまり正しい理解がされているとは言い難いわ。」
Aさん「そう・・・ですかね。」
Bさん「ものすごくざっくりした言い方だと、
『コンピュータの性能は1年半で2倍になる』と言うやつ。」
Aさん「ざっくりしてるねぇ。」
Cさん「コンピュータの性能と言う指標が漠然とし過ぎているのよね。
そのへんの知識に疎い人々に対する説明にしても
あまりにも大切な部分を端折りすぎな印象だわ。」
Aさん「たしかにそうです。」
Bさん「阿部さんが出逢っていきなり交際を申し込むようなものだよ。」
Aさん「なにその例え!!???
なんかもうそれ端折るとかの話じゃなくない!!?」
Bさん「もう少しホントっぽい言い方だと、
『CPU の速度は1年半で2倍になる』と言うのもあります。」
Aさん「はぁ。」
Cさん「これも少し曖昧な表現だけれどもね。」
Bさん「と言うわけで、最も表現として適切な公式は
『集積回路上のトランジスタ数は1年半で2倍になる』です。」
Aさん「ふむふむ。」
Bさん「そしてこれは、年数を n、倍率を p とおけば、
p = 2 ^ ( n / 1.5 ) と言う式になるの。」
Aさん「なるほど。」
Bさん「この式に当てはめると、2年後には2.52倍、4年後には6.35倍、
そして10年後には集積回路上のトランジスタ数は10年でなんと101.6倍と言う数字になる。」
Aさん「10年で100倍とは恐れ入るね・・・。」
Bさん「トランジスタラジオも
同時に100局聴けるね。」
Aさん「同時に100局なんて
聴き取れないだろ。」
そう言う話ではない。




