このパンツ、もうヘロヘロだよ~
「パパ~、このパンツ、もうヘロヘロだよ~」
お風呂あがり、パンツを穿いた美智果がそう声を掛けてきた。見ると、パンツがずり下がって膝に辛うじて引っかかってる状態だった。
「ありゃ、なるほどもうダメだな。じゃあこっちのを穿いといて」
僕はそう言いながら、まだしっかりしてるのを引き出しから出してきて美智果に渡した。
毛が生えてきたと騒いでた美智果だけど、今パッと見た感じではそんな風に思えなかったから、まだまだ色も薄くて文字通り産毛に毛が生えた程度のものなんだろうなと思った。
この子がまだ小さかった頃は股間もお尻も僕が洗ったけど、小学校に上がった頃からはさすがに自分でやってもらってる。でも最初の頃はちゃんと洗えてなかったみたいで、時々微妙に臭ってたこともあった。さすがに今じゃ丁寧に洗ってるみたいだけどさ。
こうやって、普段から当たり前に目にしてるからか、美智果のことを性的な目で見たことがない。生まれて間もない頃なんてそれこそ柔らかいうんちが割れ目の中にまで入り込んでたのを広げて拭いてあげてたから、完全に見慣れてしまったんだと思う。しかも、ウンチもおしっこもゲロも素手で触ってきたからね。この子自身がもう僕の一部みたいなもんだ。
僕の母親も同じようにしたんだろうなと思うと、さすがに頭が下がる思いだ。ただ、僕の父親はまったくそんなことしなかったらしい。
父親だからとか母親だからとか、どうしてそんな些細なことに拘るんだろう。子供ってこんなに面白くて興味深い存在じゃないか。どうしてその面白さを堪能しようと思わないんだろう。
僕はそれが不思議でならない。
アニメにハマってその面白さにのめりこむのと同じ感覚で、僕は美智果にのめりこんでいったんだ。こんな先の展開が読めない日常ものって他にあるのかなって思う。
もちろん、基本的なシナリオはのんびりと淡々とした大きな波風も立たないゆる~いのが続いていくんだけど、その中でも毎日、いろんな小さな出来事が起こっていくんだよ。そこで美智果が見せるいろんな表情が何ものにも代え難く楽しくて面白いんだ。
生きてる人間って本当にすごい。だから申し訳ないけど、アニメとかの決まった反応しか返さないキャラクターには、もうそこまで入れ込めないよ。触れられて話せて僕を慕ってくれるこの存在に勝てるものなんてないと僕は思ってる。
自分に都合のいいのを選べるアニメのキャラクターの方が気は楽かもしれない。でも、そうじゃないんだな。<自分に都合良いばかりじゃない>っていうのがまさに醍醐味なんだよ。だからこそ、「パパ♡」って言ってもらえると自分が認められた気になるんだよな。




