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美智果とお父さん  作者: 京衛武百十
92/201

それは良くないことですよ

美智果を受けとめる一方で、この子に意地悪なことを言ったっていう子について、僕は直接相手の家に怒鳴り込むようなことをするつもりはまったくなかった。それは違うんじゃないかと思ってる。


ただ、学校の先生は、生徒が誰かを傷付けようとしてるなら『それは良くないことですよ』と指導する立場の筈なんだ。人としてどう他人と接するのかっていうのも、一種の勉強なんだと思う。


僕は、親として自分でそういうことを美智果に教えていってあげたいと思ってる。でも、親だって決して完璧じゃない。見落としてたり子供に上手く伝えられないこともあると思う。そういう、親の足りない部分を補ってくれるというのも学校の先生の役目にはあるんじゃないかな。


美智果の親である僕は、この子が関係する事案では決して中立の立場にはなれない。その僕が相手の子に直接何かを言うというのは、出過ぎた真似になると僕は思ってる。もし、命に係わるようなことならさすがに黙ってはいられなくても、他の子を見捨ててでも美智果を助けることになるにしても、そこまでの状況じゃないのなら、下手に口出しはしないでおこうとも思うんだ。


でも、学校の先生は、美智果とも相手の子とも、ある意味では距離を置くことのできる中立的な立場になれる存在の筈だからね。相手の子が言ったっていう意地悪なことの内容や、それを言うことになった原因とかについても客観的に見られる立場にある筈だから。


僕は美智果の味方だ。だけど、この子がいつだって完璧に何一つ間違ったことをしない子だと言うつもりもないんだ。美智果だって間違えることはあると思う。正しくないことをしてしまう場合だってあると思う。意地悪なことを言ったっていう子がそれを言わずにいられなかった原因が美智果にあった可能性だって否定はできない。美智果の通う学校は、そういうことについてもちゃんと見てくれる学校だった。だから任せられる。


今回のことがどういう風に展開していくかは分からない。だけど僕は、それを冷静に慎重に見守っていきたいと思うんだ。


……なんてことを考えながら僕は様子を窺ってたけど、翌日以降、美智果はケロッとした感じでこれまで通り学校に通ってた。例の件のその後について何も言ってこない。美智果自身の表情もこれまで通りだった。


という訳で、今回もまあ、そんなに困ったことにならずに済んだということなんだろうな。どういう形で収まったのかは美智果が何も言わないから分からないけど、それを言わないということは大丈夫だったということなんじゃないかな。


こんな風にやきもきするのも親としての醍醐味かなとか思ったりするのだった。



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